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アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(法人研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド 岩井俊憲です。

本を読んでいると、その登場人物が事実と大きく異なる人物であることが後日明らかになることがあります。

また、その著者がとんだいかさま師であって、なかったことをあったように書いたり、会ってもいないのに会ったように書いたりしていることがばれることがあります。

前者の例は、歴史小説に多くみられ、以前に2回ほど書いています。

◆2018年3月6日付けブログ  虎ノ門で共同体を再確認:加来 耕三氏の講演内容も

加来 耕三氏(歴史家・作家)の「歴史上のリーダーに学ぶ決断」がやたら面白くて、氏はさかんに「歴史小説を読むな。大河ドラマを信じるな。いわゆる歴史を疑ってかかり、事実か創作かを見極めよ」を力説し、その代表例として、司馬遼太郎氏の創作した坂本龍馬のことを語っていました。

◆2018年7月5日付けブログ 日本史の学び方が変わる本:『日本史は逆から学べ』など

『坂本龍馬の正体』(加来 耕三、講談社+α文庫)では、『竜馬がゆく』(司馬遼太郎)で流布された坂本龍馬の実像が大きく修正されるようです。

その点は、講談社BOOK倶楽部の 坂本龍馬はなぜ教科書から消えるのか? 人気と実力を検証してみた に目を通すと面白いです。


後者の代表格に、「従軍慰安婦」なるものを流布させた 吉田清治 と『成功哲学』の著者 ナポレオン・ヒル がいます。

両者をフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で調べてみると、とても面白いです。

吉田清治 はさておき、ナポレオン・ヒル には私も影響を受けました。

『成功哲学―やる気と自信がわいてくる』(柳平 彬監修、産業能率大学出版部)を初めて読んだのは、1982年のことでした。

成功哲学―やる気と自信がわいてくる
ナポレオン・ヒル
産能大出版部

監修者の柳平さんを個人的にもよく知っていたこともあり、3度ほど読みました。

また、ナポレオン・ヒルの別の本も、さらには本人の肉声の入ったカセット・テープも聴いていました。

自伝によると、1908年、新聞記者として世界の鉄鋼王アンドリュー・カーネギーにインタビューをした事をきっかけに、「20年間無償で500名以上の成功者の研究をして、成功哲学を体系化してくれないか」と頼まれ、ヒルは「やらせてください」と即答、それから20年かけて、約束通り1928年に『頭を使って豊かになれ (思考は現実化する)』(Think and Grow Rich)を執筆した。

思考は現実化する_
アクション・マニュアルつき
ナポレオン・ヒル
きこ書房

(注)この本の本邦初版が『成功哲学』

と、Wikipedia に書いているとおりに、この記述に引かれて成功を夢見て読んだ人が私以外にも、きっと世界中で数千万人いたはずです。

ところが、Wikipediaのヒルの「著名人へのインタビューに関する疑念」のことろにはこんな記述が。

アンドリュー・カーネギーの著名な伝記作家 David Nasawは、ヒルにカーネギーと接点があった痕跡は一切なかったいう。また、わずかにトーマス・エジソン主催のパーティーに参加したが親交はなかった。
同様に、著作にある「500名以上の成功者、およびこれから成功する見込みのある者」とのインタビューを実際に行った証拠は発見されていない。


ただ、吉田清治 よりも ナポレオン・ヒル の方が比較にならないくらい罪は軽いと、私は思います。

その後の自己啓発(セルフヘルプ)本の先駆になった本ですし、この本に書いてあることを実践して実際に成功した人もいます。
少なくとも、生きる勇気と希望が湧いてきます。

ブックオフに持っていく/捨てるか、それとも残すかの判断をしながらふと『成功哲学』を手にしたことがきっかけで始まった話でした。

結果は「もうしばらく残しておこう。思い出と共に」でした。

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