アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
数年前から、特にここ最近、【対話(ダイアログ、dialogue)】という言葉にやたらこだわりがあります。
1つには、カウンセリングで対話型のカウンセリングを志向していること、もう1つは「新講座」で【対話】に重点が置かれていることによります。
まずは、こういう時に頼りになる『広辞苑』を引いてみました。
【ダイアローグ】【対話】それぞれ、こんなふうに出ています。
【ダイアローグ】・・・・対話。問答。特に、劇・小説などの対話部分。
【対話】・・・・向かい合って話すこと。相対して話すこと。二人の人が言葉を交わすこと。
次に、英語の”dialogue”の語源を『続 英単語の語源図鑑』(清水健二・すずきひろし著、かんき出版)で調べてみました。
・dia は、ギリシア語で「・・・を通して」「間に」という意味
・logue は、「言葉」
⇒「2人の間の言葉」と出ていました。
ポイントは、集団ではなく「2人」が重視されます。
今度は、インターネットを頼ってみました。
「組織におけるコミュニケーション」というように、ダイアログや対話が拡大解釈されています。
ダイアローグとは対話や対談という意味ですが、組織におけるコミュニケーションのあり方を考えた時のダイアローグは、情報のやりとりにとどまらず、話す側、聞く側がお互いに理解を深め、行動や意識を変化させるような創造的なコミュニケーションを指します。
ただし、「話す側、聞く側がお互いに理解を深め・・・」とあるように、「行動や意識を変化させるような創造的なコミュニケーション」という点では、2人の間のコミュニケーションであることには変わりがないようです。
ダイアログをディスカッションと勘違いしている人がいますが、両者は別物です。
ディスカッションとダイアログは異なるコミュニケーション形式です。
この点をインターネットだけでなく、『学習する組織』(ピーター・M・センゲ、英治出版)をもとにまとめると、次のようです。
ディスカッション
・異なる意見や考えを交換する形式のコミュニケーション
・主張や意見の主導が一般的
・自分の考えを集団に認めさせること
・「勝つ」ことが目的
ダイアログ
・協力的で共感的な対話形式
・相互理解や共有の意味を重視
・より大きな「共通の意味の集積」にアクセスすること
・一人の人間の理解を超えることが目的
こんなふうに、こだわり続け、疑問を温めてながら、1つの情報を他の情報と結び付けていくと、「知のイノベーション」が起きるようで、とても楽しい。
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