おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(法人研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(1月6日)は、私にとって珍しい9連休の最後の日。
2人の孫とも家族で会えました。
さて、この9連休は、普段できないことができました。
元旦の新聞を4紙比較読みしたり、「温故知新」のスローガンをもとに読書にもいそしみました。
平成の30年を回顧し、2050年までを展望することができたのです。
テレビ番組もそうですが、2050年までを展望するために『ニッポン2021-2050 ― データから構想を生み出す教養と思考法』(落合陽一×猪瀬直樹、角川書店、1,400円+税)は、とても参考になりました。
筑波大学准教授でメディア・アーテイストの落合 陽一氏と、元東京都知事で作家の猪瀬 直樹氏の対論をまとめた本で、第1章に出てきたのが、平成元年(1989年)と平成30年(2018年)の世界の時価総額ランキング上位20社の比較。
平成元年(1989年)は20社中14社が日本企業であったのに、平成30年(2018年)はゼロ。
トヨタ自動車が辛うじて35位にランクされているだけになりました。
平成元年(1989年)の世界全体に占める日本の国内総生産(GDP)はアメリカの28%に続いて15%を占めていたのに、平成30年(2018年)は6%と、平成の30年間での日本経済の凋落ぶりが目立ちます。
この本では、そのことよりも2020年の東京オリンピックで思考停止にするのではなく、落合氏は主にAI(人工知能)を味方にして、医療・介護、地方の復興、人口減少、教育などの分野に斬り込み、人間らしさをもとに生きることを提唱し、猪瀬氏は戦前から続いてきている<官僚制>を打破してきたことを語り、これからの30年を見据えるヒントを提供してくれます。
(注)AI(Artificial Intelligence、人工知能)の定義・・・・「人工的に作られた人間のような知能、ないしはそれを作る技術」(松尾 豊 東京大学大学院 特任准教授)
第3章「統治構造を変えるポリテックの力」では、「ポリティクス(Politichs)」と「テクノロジー(Technogy)」を掛け合わせた「ポリテック」という落合氏の造語をもとに日本の政治を大胆に変える提言が展開されます。
最後の第4章「構想力は歴史意識から生まれる」では、落合氏が「ビジョンを描くには、まず歴史を知ること」から始まり、それに猪瀬氏が「自分の中にある言葉を鍛える」ことでつなげ、最後は、落合氏が「モチベーションを価値に落とし込むために重要な能力」を「言語化する能力」「論理力」「リスクを取る力」、そして「専門性」とまとめ、共著者の一方の提言を受けてもう一人が発展させるという、2人の異質なコラボがこの本の価値を高めてくれています。
しっかり書くと、この3倍くらいのことを書けそうですが、私の今年のスローガンの「継続的なイノベーション」と「温故知新」が理論面で強化される本になりました。
もう一度じっくり考えながら読んでみたい気がする本でもあります。
新年早々、貴重な本に巡り合えて、勧めてくれたカミさんに大感謝です。
私もこれからの30年に関心のある多くの人たちにお勧めしたいです。
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