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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
『週刊 ポスト』(12月11日号)の「茂木健一郎『脳のトリセツ』」第21回に「勇気づけ」に関するちょっといい話が載っていましたので、ご紹介します。
テレビに著作に大活躍の茂木健一郎氏は、小学生の頃、勉強はとてもよくできたのですが、体育は苦手だったようです。
どんなに努力しても、素質のいい子には叶わない。
そんな茂木少年に小学校5、6年の担任だった小林忠盛先生は、水泳の自由形の指導をしました。
毎日練習を続ける茂木少年、次第に疲労が蓄積し、手足が鉛のように重く、泳ぎもさえない。
そんな茂木少年に小林先生がかけたひと言。
「茂木君は今はだいぶ疲れてきているでしょ。だいたい、練習を始めて2週間ぐらいで、疲労はピークに達するんだよ」
神妙に聞いている茂木君に小林先生は続けました。
「でもね、それでも我慢して練習を続けていると、ある時ふっと身体が軽くなる。自由に手足が動くようになって、記録がぐんと伸びるんだ。ウソだと思ったら、騙されたと思って、もう少し続けてごらん」
素直に練習を続けた茂木少年に2、3日後に変化が起こりました。
どうしてもうまくいかなかったバタ足が、足が伸びてスッとできるようになり、それと同時に、身体がふっと軽くなり、あまり苦労、水の中を進めるようになったのです。
そこで叫んだ小林先生。
「今のだよ! わかったろう。フォームがぜんぜん違っていたぞ」
「以来、小林先生の教えが、どれほど自分の糧になってきたかわからない」と書いた茂木氏、「子どもを『進化させる』教育」を次のように結びます。
小林先生のことを考えると、教育の理想とは結局「私塾」のようなものだと思えてくる。学校の名前や、偏差値ではなく、教師の人柄の魅力こそが、子どもをぐんぐん伸ばしてくれるのだ。
私が通ったのは、ごく普通の公立小学校だったが、そこには素晴らしい「小林塾」があった。