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アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

名古屋で日記を書いています。
昨日は、名古屋に来るのに、新幹線が米原での人身事故のためストップし、1時間45分も閉じ込められました。
一宮での夜7時からの講演会には滑り込みでセーフでした。


さて、前回は『疑似科学入門』の詳細(1)をお伝えし、人間の言葉に反応するという「水の伝言」に関して疑義をはさみました。

このことに関しては、山形大学理学部物質生命化学科 複雑系物質学研究グループ(天羽優子研究室)のホームページ が明確な批判をしています。
ご参照ください。

今回は、『疑似科学入門』で学んだ方法をもとに「水の伝言」がしっかりとした科学的な手続きが踏まれているかどうかを考えてみることにしましょう。

しっかりとした科学的な手続きであるためには、次のことが必要です。
5W1HのうちのWhen,Where,Whoの条件を考慮しさえすればいいのです。

1.まずWhenに関しては、一時的にある現象を示しても、それは偶然性の産物かもしれません。別のタイミングでも、同じ結果になる「再現性」があってこそ科学的な手続きの条件を満たします。

2.Whereに関しては、結晶の一部だけを見せるのでなく、同じ条件を与えられたすべての結晶が同じかたちにならなければ説得力がありません。つまり、多くの結晶の中の1つかいくつかだけを取り上げたのではダメということです。また、別の実験室でも同じ結果にならなければおかしいことになります。

3.Whoに関しては、江本氏だけでなく他の人がやっても、違うカメラマンが撮影しても同じ結晶の映像になってこそ「やはり水は人間の波動の影響をもろに受けるのだ」ということが説得力を持ちます。


こんなことはないと信じたいのですが、もし著者の江本氏がある意図も持ち、最初から結論を持って、それに合う条件下で、いろいろなタイプの水の結晶を「ここを写真に撮って、あそこは撮らないで」と指示していたとしたら、その時点で科学的な手続きを逸脱していたことになります。

実験を公開のもとで行い、すべての参加者が手続きと結果に納得しているような実験でなければ、「操作的な手続きだった」ということになるわけです。


ここで連想したのは、北朝鮮から横田ひろみさんのものと称して渡された遺骨のことです。

日本政府は、遺骨を日本だけでなく、アメリカ、中国、ロシアなどの機関にDNA鑑定をしてもらい、明らかに横田めぐみさんの遺骨でないことを証明すれば、国際的にも注意を喚起し、説得力をもって対応できたのに、と悔やまれます。

1つの機関だけの結論では、説得力がないのです。

説得力を持つ論理には、裏づけとなるしっかりとした科学的な手続きを踏まないといけないという『疑似科学入門』からの教訓でした。



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