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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

アドラー・クイズの最終回になりました。そこで、問題を全部振り返り、9問までの解答を赤で示し、それから第10問の解答を出しましょう。

1.アドラーは、⒜オーストリア人、⒝ハンガリー人として生まれた。
2.アドラーは⒜最初は眼科医だった。⒝最初から精神科医だった。
3.アドラーの最初の著作は、⒜『器官劣等性の研究』 ⒝『仕立業のための健康書』だった。
4.アドラーは、フロイトの⒜弟子であった⒝弟子であったことはない。
5.アドラーは、フロイトの陣営で最後は⒜国際精神分析学協会 ⒝ウィーン精神分析学協会の会長を務めた。
6.アドラーは、フロイトと決別してすぐに⒜自由精神分析学協会 ⒝個人心理学会を設立した。
7.アドラーは、⒜医学博士だった。 ⒝博士号を持っていなかった。
8.アドラーは、⒜生涯ユダヤ教徒だった。⒝ユダヤ教からプロテスタントに改宗した。
9.アドラーが「共同体感覚」に言及する場合、「共同体」は、⒜理想の共同体 ⒝現実の共同体である。
10.アドラーは、⒜「勇気」という言葉は頻繁に使うが、「勇気づけ」という言葉をさほど用いていない。⒝「勇気づけ」を自分の心理学の中心概念に添え、ことあるごとに言及している。



さて、第10問の答えは、アドラーは、⒜「勇気」という言葉は頻繁に使うが、「勇気づけ」という言葉をさほど用いていない、です。


これは、拙訳の『アドラーのケース・セミナー』(アルフレッド・アドラー著、W.B.ウルフ編、一光社)の訳者解説にも書いたことですが、アドラーは、「勇気(courage)」を頻繁に使った割りには「勇気づけ(encouragement)」の言葉をほとんど使いませんでした
『アドラーのケース・セミナー』の中でもたった1回しか使っていませんでした。



他の本でも同様です。「勇気」は、共同体感覚と共にアドラーの重要なキーワードになっていますが、「勇気づけ」は、ほとんど見かけることができません。

「勇気づけ」の言葉を多く使ったのは、ドライカースでした。そして、「勇気づけ」の言葉をはやらしたのは、ドライカースの弟子のドン・ディンクメイヤーです。

これは、北米地区の文化との関連もあるのかもしれません。アメリカ・カナダでは、“encourage”という動詞をごく頻繁に使います。


そんなことからアドラーは、⒜「勇気」という言葉は頻繁に使うが、「勇気づけ」という言葉をさほど用いていない、が正解になります。


長い間アドラー・クイズにおつき合いくださりありがとうございました。

クイズはここまでですが、これからは、違ったかたちで「人間アドラー」を紹介していくつもりです。

私の願いは、ひとりでも多くの方に実際にアドラーの本を読んでいただきたいのです(写真の「本を読むアドラー」のように)。



これからもお引き立てのほどよろしくお願います。


<お目休めコーナー> 社会人の息子撮影の海中写真 ⑧




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