アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

前回は、『どうすれば幸福になれるか 上・下』(W.B.ウルフ著、岩井俊憲監訳、一光社)から「優越コンプレックス」に関する言葉を紹介しました。

今回は、「スピリチュアル・ブームへの警鐘」の言葉ですが、その前に著者のウルフとはどんな人なのか、を前置きとしてお伝えします(次回はさらに、なぜ私が『どうすれば幸福になれるか』を再度世に出したかをお伝えします)。

ウルフは、アドラーのアメリカでの活躍に重要な貢献をした人で、アドラーの通訳、翻訳者、アドラーの本の編集者をも務めています。

彼が編集し、序文を書いた本に『アドラーのケース・セミナー』(原題は“The Pattern of Life”、私の翻訳で一光社から出版、写真)があります。



アドラーのイラスト付きの伝記『初めてのアドラー心理学』(アン・フーバー、ジェレミー・ホルフォード著、鈴木義也訳、一光社、写真)では、下の「伝記」の上にある文章には、「1926年から始まるアメリカでのアドラーの大成功に向かうのを彼は助けることになった」と書かれています。

  


さて、これからが本題です。 世は「スピリチュアル・ブーム」です。5年前ならば、言葉にしにくかったことが日常的な会話で出てきます。

ウルフが『どうすれば幸福になれるか』を書いた1931年(アメリカの大恐慌から2年後)の当時もそうであったようです。

「心霊主義者、神智論者、クリスチャン・サイエンスの信者、あるいはさまざまな宗教的狂信者は、まったく未知の、行ったこともない世界に自らの興味を投影することによって、彼らを悩ます劣等感の存在をはっきりと体現している」と、こっぴどく称し、次のように続けます。


人間社会にうまく適応し、それに貢献している人は、幽霊、幻想、心霊体、涅槃のような世界に《第2のチャンス》の慰めを求めたりしない。人生において、溢れんばかりの満足感を味わっているからである。流行の宗教に夢中になる人、哲学的虚無主義、厭世主義者、世界の終焉を語る運命論者などを心理学的に調べてみると、彼らの人生の根本的誤謬は、現実からの逃避にあることがはっきりする。


ウルフさん、「現実からの逃避」とはよくぞ言ってくれましたね。

○ヒューマン・ギルドのホームページご参考に

ヒューマン・ギルドのホームページ(http://www.hgld.co.jp/)の「トピックス」欄「岩井の『日記』など」(http://www.hgld.co.jp/event1/miximotope-zi.html)の「人生に対する基本的教育を養う教育」をご参照ください。

ウルフが 『どうすれば幸福になれるか』で発しているメッセージを『教育ジャーナル』(学習研究社)2004年9月号巻頭言に書いたものです。


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