オバマ政権やアメリカの支配層が「小沢前幹事長-前原国交相」にシフトしてきている

2010年07月29日 14時10分20秒 | 政治
◆週刊文春が8月5日号のトップ記事に「現役閣僚が『閣内に裏切り者がいる』前原国交相に小沢が触手!菅政権は8月に死ぬ-憎しみ合う二人は手を結ぶのか。はしゃぐ鳩山と仙谷の怒り。『民主城』大炎上!」を掲げている。
 しかし、「前原国交相に小沢が触手」というのは、正確ではない。民主党・小沢一郎前幹事長は、前々から前原誠司国土交通相に目をつけて、将来の総理大臣候補として買ってきた。かたや前原国交相は、民主党最大勢力である小沢派をごっそり小沢前幹事長から譲り受けようと考えている。二人の間を取り持ってきたのが、京セラ創業者の稲盛和夫名誉会長(内閣特別顧問)であることは、だれでも知っていることである。そもそも菅直人首相と前原国交相は、いずれも元民主党代表であり、ライバル関係にあり続け、その関係は、現在でも変わりはない。9月の代表選挙に立候補してもおかしくないのであるから、「現役閣僚が『閣内に裏切り者がいる』」と言って前原国交相を名指しして「ユダ」扱いするのは、間違いである。
◆菅首相は、参院選挙前も選挙後も、小沢前幹事長に何回も面会を申し込んでも会ってもらえないでいる。これに対して前原国交相は、いつでも小沢前幹事長に会ってもらっている。小沢前幹事長は、前原国交相から時折反発されることはあっても、可愛がる気持ちに変化はない。前原国交相は、京都人特有の本音を表さないところがあり、自ら率いる「前原・枝野派(仙谷由人官房長官もメンバー)」や野田佳彦財務相ら友人と小沢前幹事長の間関に挟まれて、左右に揺れ動いてきた。その挙句、「だれが敵で味方かわかせにくなる」とぼやくこともあった。それは、前原国交相自身のどっちつかずの心の表れでもあった。しかし、前原国交相は、菅首相と仙谷官房長官が民主党のマニフェストの大きな柱の一つであった「国家戦略室(局)」をやすややと単なる提言機関に格下げしたことから、不信と不満を抱くようになったのは事実であろう。
◆菅政権は、鳩山由起夫政権を「居抜き」で引き継いだ選挙管理政権である。前原国交相の入閣は、建設利権を握る小沢前幹事長の推挙があったからである。また、これを受け入れた鳩山前首相にも恩義を感じている。その証拠に、鳩山前首相が4月17日に新宿御苑で催した「桜を見る会」にも参列していた。菅首相や仙谷官房長官らの姿はなかった。ちなみに、前原国交相大勢の招待客にもみくちゃにされて握手に応じていた。不肖私も握手してもらった。分厚いなかなか力のこもった握手だった。
◆前原国交相は、アメリカ・ロックフェラー財閥の第三世代末子であるディビッド・ロックフェラーから目をかけられてきた。これは、小泉純一郎元首相と同様である。また、いくつかいの縦系列に分かれているいわゆるフリーメーソンのなかでは、フランスの「ブラック・フリーメーソン」系列に属しているといわれている。この点では、小沢前幹事長がロックフェラー財閥の第三世代嫡流であるジョン・D・ロックフェラー四世(ゴールドマンサックス社オーナー)や英国ロンドン・フリーメーソンと親密であるのとは違いはあるものの、いまやオバマ政権を支えているロックフェラー四世が優勢になっていることを思えば、前原国交相が小沢前幹事長に傾斜していくのは、自然の流れである。この意味で週刊文春が8月5日号のトップ記事は、駐日アメリカ大使館との結びつきが固いと言われている文藝春秋が、オバマ政権やアメリカの支配層の意向を受けて、「小沢前幹事長-前原国交相」にシフトしてきていることを物語る証拠かも知れない。

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2 コメント

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それほどすごいか前原氏 (高橋)
2010-07-30 18:14:28
前原氏
私としては、結婚式よりも、議員総会に出て頂きたい。議員の給料は国民の税金である。
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小沢氏と孫子の兵法 (熱烈な自民党支持者)
2010-07-30 21:09:42
ごく最近、米国(米英主義者達)は日本の頻繁な政権交代が米国の国益を損なうと考え、安定政権を確立するためには小沢氏の力が欠かせないと考えるようになったようだ。いままで米国の米英主義者や軍産複合体は、米国からの自立を画策する小沢氏を「政治資金問題」や「普天間基地問題」で散々痛めつけてきたが、一転、小沢氏と協調しようと態度を変えてきている。

その背景には、米英主義者の後ろ盾であったデビッド・ロックフェラー(95歳)が重篤に陥り、いよいよ小沢氏と仲の良いジェイ・ロックフェラー(73歳)の時代になろうとしていることが挙げられる。米英主義者は小沢氏を総理に据える代わりに、菅総理ではとても実現できそうにない普天間基地の辺野古移設や思いやり予算の増額を小沢氏に約束させたいようだ。

当然この要求は小沢氏にとって飲みがたい。しかし圧倒的な力を持つ米英主義者に対し小沢氏は「一時退却」を決断したようだ。だが戦略家の小沢氏が単に退却するだけではないだろう。恐らく小沢氏はオバマやジェイ・ロックフェラーが米国政治の主導権を握るようになれば、日本の米国からの自立は必ず実現できると考えているが、それまでにはまだ数年かかると見ているのではないか。

そこでその間、むしろ米英主義者の手先でもある前原氏を総理にすえたり自民党と連立するなど「呉越同舟」の戦略を考えているのではないだろうか。「呉越同舟」の戦略とは身内の敵対者同士を政権内に取り込み本当の敵(米英主義者)に対峙するという「孫子の兵法」の1つである。こうして米英主義者の目を幻惑している間に、彼らが崩れていくのを待つというのが小沢戦略である可能性は高い。
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