東京地検特捜部が「不起訴見通し」、小沢一郎は民主党代表選、政界再編、大連立に向けて動きやすくなる

2010年08月17日 05時07分01秒 | 政治
◆「小沢氏、4回目聴取は代表選・・・不起訴見通し」(読売新聞8月16日配信)、「<陸山会事件>小沢氏聴取は民主代表選後 特捜部が意向尊重」(毎日新聞8月16日配信)などとマスメディアが一斉に報道した。東京第一検察審査会が7月8日、小沢一郎前幹事長に対して「不起訴不当」と議決したのを受けて、東京地検特捜部が4回目の事情聴取を9月14日の代表選後に行う方向で日程調整しているという内容である。東京地検司法記者クラブ担当記者は、定期的に次席検事と懇談しており、「不起訴見通し」の感触を得ているのであろう。これが記事に表れている。「起訴相当」を議決している東京第五検察審査会の2回目の議決にも影響を与えそうである。申立人に政治的な目的があったのではないかとの疑惑が持たれているうえに、関係団体が京都府警から摘発も受けている最中だけに、検察権力と検察審査会に対する国民からの信頼が揺らぎかねない状況にある。同時に、マスメディアも、深く検討することなく安易に政治利用に乗ってしまった罪は、極めて重い。
◆小沢前幹事長と米国対日工作担当のマイケル・ジョナサン・グリーンが7月18日、八丈島で極秘会談したのを境に、マスメディアの報道姿勢が、徐々に変化してきているのは、事実である。
 その一例が、産経新聞系列の夕刊フジである。小沢前幹事長の「政治とカネ」の問題を狂ったように報道し続けていたのが、ウソのように様変わりしている。8月17日付け紙面を見るとよい。「小沢 菅潰しマル秘三段戦略-自民など野党議員と接触も」と派手派手しい横凸版大見出しをつけて、「9・14民主党代表選の最大の関心は、剛腕・小沢一郎前幹事長(68)が、菅直人首相(63)を引きずり降ろすかどうかに集約されている」などと報じている。
 三段戦略とは、①サポーター固め②独自候補を乱立③離党も視野に政界再編という筋書きである。「③離党も視野に政界再編」について、こう述べている。「民主党有力筋の1人は『最近の小沢氏は、かつての自自公連立時の各党の動きをつぶさに検証し直しているようだ』と話し、『連立の算段を付けて民主党を飛び出せば、民主党から100人規模が同行し、自民党も割れる。そうした政界再編も視野に入れているはず』と続ける」
◆私は3月30日付けのブログに「『数は力』の小沢一郎が『政界再編』を睨み、『敵味方』の票読みを進めているという」と題する短文を書いた。また、5月4日付けで上梓した拙著「民主党政変 政界大再編-小沢一郎が企てる『民主党分裂』と『大連立』」(ごま書房新社刊)第1章の冒頭、「小沢一郎が『敵味方』を票読み」との小見出しをつけて、以下のように政界再編の準備を始めている様子を示した。
 「小沢一郎が票読みを進めているという。平成22(2010)年7月の参議院議員選挙の票読みかと思えば、さにあらず、民主党内の『親小沢・反小沢』、すなわち、『敵味方』の票読みである。
 小沢一郎は、参議院議員選挙の後、『民主党の分裂』を想定し、早くも準備しているというのである。衆議院の小沢チルドレンに続き、参議院でも親小沢の多数を押さえて、民主党内の『反小沢グループ』に対して、『出て行け』と宣告するのか、あるいは、『親小沢グループ』を率いて離党して、新党を結成するのか。道は、二つに分かれるが、『反小沢グループ』が抵抗して、民主党を出ていかなければ、新党結成の道を選ぶことになる。いずれにしても、民主党は、『分裂』する。要するに、小沢一郎は、かねてからの持論である『健全な二大政党政治』を日本に築くための最後の勝負に着手しているのである」
 小沢前幹事長が予定していた通り、民主党は分裂の様相を色濃く示している。それも小沢前幹事長が4月半ば、「ポスト鳩山」として推挙していた当時の菅直人財務相が、代表に選ばれた途端、「小沢さんにはしばらく静かにしておいてもらいたい」と事実上の「小沢切り」、言うなれば「決別宣言」をしてくれたのは、民主党分裂を画策していた小沢前幹事長にとっては、実に好都合であった。どんなことが起きようとも、「反小沢」の立場を旗幟鮮明にした菅首相と会う必要性がなくなったからである。菅首相、仙谷由人官房長官、枝野幸男幹事長ら「反小沢の一味」は、まんまと罠に嵌ったのである。
◆そのうえ、小沢前幹事長に幸運を運んできてくれた人物がいた。マイケル・グリーンである。何と神奈川県横須賀から原子力潜水艦で八丈島まで隠密にやってきた。アメリカ要人は、それこそ、国務長官や国防長官クラスの要人が、ワシントン近郊の空軍基地から軍用機で日本国内の横田基地などの米軍基地に飛来して、日本政府の要人たちと密会していることは、よくあることだと言われている。原子力潜水艦を使ったからと言って驚くには当たらない。
 このマイケル・グリーンは、これまで小沢前幹事長とは、宿敵の間柄だった。というのは、マイケル・グリーンは、若いとき、中選挙区時代の衆院岩手2区のライバルであった知米派の椎名素夫元衆院議員(椎名悦三郎元副総裁、元外相の二男)の秘書を務めていたからである。また岩手日報の記者もしていた。人間の出会いは、相手によって大きく変わる。小沢前幹事長と最初に出会っていれば、敵対関係になっていなかったかも知れない。詳しくは後日述べることにしよう。
 ともかく、宿敵と思っていたマイケル・グリーンが、自民党との大連立話を持ってきたばかりでなく、「総理大臣になれるよう支援する」と約束したのであった。小沢前幹事長には、文字通り渡りに船であった。第一東京検察審査会が下した「不起訴不当」の議決に対し、マスメディアがこぞって「東京地検特捜部が不起訴の見通し」と報じたことから、小沢前幹事長の眼前から暗雲の一つが晴れそうで、幸先のよさを感じさせている。小沢前幹事長の行動を制約していたタガが外れ、動きやすくなる。

板垣英憲マスコミ事務所

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政治家アレルギー (タバック)
2010-08-17 17:33:01
初めてコメントします。私は今、遠距離介護をしている60歳の女性です。先生のグログを読ませていただいて、政治家アレルギーになってしまいました。こんなにも政治の世界は汚いものか、アメリカの指示で動かされている日本と政治家、国民が困っている事などお構いなし。
新聞、マスコミも一つの方向に洗脳していると感じるのは私だけでしょうか?
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軍産複合体の方針転換 (熱烈な自民党支持者)
2010-08-17 19:06:45
いままでマスコミや検察を使って対米従属を拒否する小沢氏を抹殺することに血道をあげていた軍産複合体は菅・枝野の左翼政権に危機感を抱き、ここにきて小沢を総理にするべく方針の大転換を図ったようだ。

しかし小沢氏を総理にする場合、自分達で画策した検察審査会による審査結果が代表選挙以降になるため、皮肉なことに小沢氏が立候補できないということが最大のネックになっている。

そこで軍産複合体は、検察審査会に「小沢氏起訴」を申し立てしていた市民団体(在特会)潰しに動き出したようだ。
産経新聞8月10日付けネット版によると『在特会』初摘発、4人を逮捕の見出しで「京都市南区の京都朝鮮第一初級学校の前で昨年12月、市民団体『在日特権を許さない市民の会(在特会)』(本部・東京)が、拡声器を使って抗議活動をした問題で、京都府警は10日、威力業務妨害容疑などで京都、神戸、大阪に住む在特会のメンバー4人を逮捕した。また、会長宅の家宅捜索を始めた。今後、参加したメンバー数人宅の捜索も行う。在特会の抗議活動をめぐり、警察当局が摘発に乗り出すのは全国初」

今後、どのような動きになるのかはっきりしないが、在特会が申し立てを取り下げるとか、マスコミが検察審査会の活動批判に転じる可能性が無いわけではない。なぜなら在特会は言うに及ばず、マスコミも検察も主人たる米国(軍産複合体ら)の意向には逆らえないだろうからだ。
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何とも 厳しい状況ですが... (tarou urashima )
2010-08-17 23:13:02
こんばんわ、 urashimaです。 板垣さまのニュースブログ, なりゆきに皆さんと同様 固唾を飲んでおります。以下 亀レスで大変に 申訳ありません。
<政治家アレルギー>との事ですが

今の日本国の諸実相は,信託統治と何ら変わりが有りません。 統治者 は無論アメリカです。
日本がちゃんと独立出来るまで面倒見るのが 本来の役目でしょうが、
それが,70年の安保闘争の頃,以降から=佐藤栄作 総理が辞めてから,どんどん おかしくなって来ました。

左翼、,半島人 中共が 割り込んで参りました。気が付くと日本の あらゆるセクターに‥そして2010年の現在に至りますが、

これでは,,アメリカは恐ろしくて,おいそれと日本を信託統治から外す訳 には参りませんね。 中共のスパイ活動を防止する意思 も力もなく、危なくてハイテク F22戦闘機など,日本に売りたくても売れない無いのが米 なんです。

結論 を言ってしまいますと ........
中国 と握手して,了いには領土と財産を奪われ、総人口の半分が漢人移住者に為るのと、 結構 安く無いみかじめ料を米に払って,米と共栄するか,,二者択一です。

米の半奴隷でしたが、米は繁栄の余地も与えてくれました,,
一方,中国はイナゴ の大軍の様に食いつくし奪いつくします。 ,対すると略 奪,殺 戮 で応酬をする犯罪国家 です。(アメリカも戦争犯罪国家 ですが..。)

選択は 2つに一つ、 中 か?米か?
(韓国が,敵 国の日本と日韓友好 を促進しましょうと,NHKで気持の悪い番組をやっています 。 中の手先でしょう。トンデモない話です!!)

何とも 厳しい状況ですが...
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Unknown (take)
2010-08-18 01:58:37
検察審査会への在特会の申し立ては、申立人の要件を満たさず却下されている様です。
審査を申し立てている市民団体?は多数あるとのこと。
あくまでネット上の情報ですが・・

媚中もほどほどにしてくれるならば、私も小沢さんを応援したいですね。

そもそも、占領憲法がそのまま続いていることから、日本が独立国でないのは当然のことです。
要は国民の認識と覚悟の問題です。
血(軍事)は汗(経済=お金)より濃いのですから。
血を流すことを厭えば、汗水垂らして、御武家様に貢ぐしかないのは、なにも戦後に始まった話ではありませんからね。
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