ライブドアの堀江貴文社長の戦術を宮本武蔵の「五輪書」に照らし合わせてみると面白い

2005年03月31日 18時31分58秒 | 経済
フジとの資本提携が必要 堀江社長、休戦協定求める (共同通信) - goo ニュース

 さすがに福岡県出身である。ライブドアの堀江貴文社長は、若いのに戦い上手である。
 フジテレビの用心棒、ことソフトバンクの北尾吉孝CEOが現れ、「もはやこれまで」と勝負あったかと思えた瞬間、ヒラリと身を交わして、「6月の株主総会後に会う」と上手に逃げたのには、感心させられた。「海千山千」の北尾CEOの術中にはまるのを嫌った戦術は、お見事。そのうえ、フジテレビとの交渉を「一時休戦」に持ち込んでいる。
 福岡県ばかりではなく、九州は宮本武蔵にゆかりの土地である。堀江社長が、小倉の沖に浮かぶ「巌流島の決闘」と無縁であるわけがない。土地柄や伝統というのは、一種のDNAに刷り込まれている。
 さて、能書きはこのくらいにして、宮本武蔵の名著「五輪書」に照らし合わせて、堀江社長の戦いぶりを分析してみると、なんと、武蔵が教訓として遺していた戦法にピッタリ当てはまっているではないか!
 五輪書は、「地水火風空」の5巻にまとめられている。戦い方の極意である。「火の巻」で武蔵は、「火は大きくも小さくもなり、変化が激しく際立ったものである」として、「変化が激しく一瞬を争う戦闘、勝負」について実戦に臨んで敵に勝つための「要諦」を「27」に集約して書き著している。
 北尾CEOが、「13番目の要諦」である「むかつかせる」(相手の心の平衡を失わせる」戦術を露骨に見せ、堀江社長の勝算について「99・9999・・・%勝てない」と恫喝したのに対して、堀江社長は、まず、「その手にはのらないよ」とこれをサラリと交わし、機先を制したのである。
 そのうえで、「23番目の要諦」である「新たになる」(方針転換を思い切ってやれ)の戦術を打った。「もつれるような状態になって決着がつかない場合、それまでの自分の狙いを捨てて、物ごとを新しく始める心持ちで、その拍子に乗って勝つ道を選ぶ」ということである。孫子の兵法で言う「臨機応変」の術である。
 北尾CEOは、「暖簾に腕押し」に拍子抜けしたことだろう。武蔵は勝利の極意について、「五輪書」の「地の巻」のなかの「拍子の事」の項で、「いずれも巻にも拍子の事を書き記すなり」と述べて、「勝負に勝つには、一にも二にも、拍子が大事である」とわざわざ力説している。堀江社長は、とりあえず、北尾CEOの「拍子」を狂わせるのに成功した。北尾CEOの次の一手が、楽しみである。


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1 コメント

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トラバありがとうございます (マキト)
2005-04-01 23:45:53
なるほど、孫社長が孫子を愛読しているのは有名ですけど、五輪の書に照らしても、ホリエモンの戦法は理に適っているわけですね! こういう視点からの分析は初めてお聞きしました。勉強になります!



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