いたちゃんの『なるほど通信』

函館市議会議員・板倉一幸が市政とまちの「なるほど」をお伝えしていきます。

新幹線と物流。なるほど、これは重要。

2012-02-22 23:29:56 | Weblog
 今日は、北斗市で、NPO法人水産物トレーサビリティ研究会主催で、北海道新幹線開業による道南域の水産業・農業の活性化シンポジウムが開催されましたので参加してきました。
 平成27年度の北海道新幹線新函館駅開業を控えて、新幹線を活かした経済産業策やまちづくりなど、地元でも活発な議論や取り組みが始まっています。
 今年に入ってからも、1月18日の新幹線フォーラムに続いて2度目の開催です。今回は、北海商科大学の佐藤馨一教授の「北海道新幹線白鳥便(仮称)の可能性について」と北海道大学大学院水産科学研究院客員教授で(株)東京穀物商品取引所代表取締役の渡辺好明氏の「水産業・農業から北海道新幹線を考える」という基調講演があり、話題提供として公立はこだて未来大学の長野章名誉教授から「東京魚商業協同組合3店舗販売実験とアンケート結果からみる生鮮水産物輸送の可能性」についての講演がありました。
 ここで、全ての講演内容をお知らせすることはできませんが、大変示唆に富むシンポジウムだったと思います。佐藤氏は、物流の機能を詳しく解説し、その上で新幹線を活用した小ロット物流システム(白鳥便)の構築について述べられました。物流のもつ6つの機能の解説では、特に保管とピッキングが重要だとし(これは渡辺氏も同様の見解を述べていた)、大震災の時の救援物資の保管方法を例にとって、行政は物流の総合的機能を理解していないから、救援物資を倉庫の中に闇雲にしまってしまい、取り出す際にどこにあるか分からず取り出せないため、専門業者によって再度入れ直しをしたことなども紹介しました。これは、防災計画の議論でも盲点のようなもので、留意しなければならないと思います。
 また、青函トンネル内の新幹線と貨物列車の運行について、新幹線が1時間に1本なら問題ないが、もっと短い間隔で運行すると、トンネル内でスピードの遅い貨物列車を新幹線が追い越すことになるが、追い越し線路があるわけではないので、衝突してしまうことになると解説しました。つまりは、新幹線のスピードを落とさざるを得ないことになるのでしょう。
 さらに、札幌延伸になった際の並行在来線の扱いがどうなるのか。バス転換の可能性が高いので、室蘭線方向の鉄路があっても、有珠山が噴火すると鉄路が寸断されてしまい、物流も途絶えてしまう可能性についてどう対処すべきなのか。
 渡辺氏からは、新幹線の強みと弱みをしっかり把握すべきとし、何を運ぶのか、江戸時代から続く東京人気質を紹介し、一番物、初物、新鮮な物に東京人は金を惜しまない、そこを押さえておくべきだと述べました。ただし、物流に関しては帰り荷をどうするのか、持ってくる物がなければ不可能だから、人でも荷でもいいから帰り荷をしっかり確保することの重要性を強調していました。
 また、札幌開通までの30年間は函館が終着駅なのだから、例えば新函館駅までの間は青森県側と連携し、函館・青森・弘前の三都物語を、道内では函館・小樽・釧路のフィッシャーマンズワーフの三都物語など、今のうちに函館の価値を高め、足場を固めることの重要性を説きました。
 写真は長野氏が話題提供しているところですが、長野氏は、平成21年から23年にかけての、(初年度は弁当でしたが)水産物の小口輸送および販売の実証実験について報告があり、上記の2氏のお話とも関連しますが、その可能性を実感させるものでした。びっくりするのは、生け簀イカの値段が、(出荷時も高かったのですが)東京の魚屋さんでの小売価格が1パイ760円から800円で売れることでした。
 貴重な講演会だったと思いますが、会場には、北斗市役所の職員も含めて、多くの関係者の皆さんが参加していましたが、函館市からの参加者が少なかったように思います。私たちもしっかり研究、議論していかなければならないことです。
 20日のブログにコメントを寄せてもらいました。ありがとうございます。気をつけます。
 
 
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