プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

南の島

2009-04-06 18:18:44 | アンダマン・ニコバル諸島編(南アジア&ア

※アンダマン・ニコバル諸島編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事

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↑ 大洋のど真ん中に浮かぶ島々のフィールド。基本的にアンダマン海の海はブルーというより、エメラルドグリーン系の海域が多いが、ここもそういう傾向にある。

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↑ 3~5キロ沖ごとに島が連なっている。途中の水路で急に深くなるところもあれば、海のど真ん中で足が立つくらい浅くなる場所もある。そういうところのサンゴ礁は手つかずですごいことが多い。

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↑ マングローブの水路も多い。この水面下のブツブツ模様になってるのはコーラル。マングローブ水路の中では波が立たないので、シュノーケリングしなくても手に取るように海面下の様子がわかったりする。

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↑ ぼくの泊まったハブロックNO.5ビーチの朝日。ウォータープラネットの丸みとかおごそかさを感じさせてくれてすごかったですね。

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↑ これはキングフィッシャー(カワセミ)。ブルーの羽が高貴で美しいが、一転鳴き声は下世話で、そのギャップが面白い。

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↑ こういう砂浜はカヤックでいくらでもいける。疲れたら適当に上陸して休憩する。

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↑ ほんのひととき神秘的なたたずまいを見せてくれる、朝の静かなる海面。

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↑ まあ日本でもカヤックを漕いでいるとこういう光景はよく見かける。

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↑ カヤックのバウデッキに水しぶきがかかっているけれど、それと同じようにぼくも汗をかいている。だから適当な浜に上陸して休憩。

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↑ 1月2月のこの時期はタイなどと同じく乾期であり、ほとんど雨が降らない。また最高気温が30度くらいで、しかも海風があるのでそんなに暑さは感じない。まあずーっと休みなしで漕いでたらさすがに暑いので休憩。この時期は滞在するのにちょうど理想的な気温だと思う。ただ毎日毎日ずーっと同じ気候というか天候が続き、日本のような味わい深い変化に欠けるので、長くいたら飽きてくる。非常に贅沢な話だが、美しい南の島でのカヤッキングは飽きる前にサッと引き上げることも肝心である。「ああもうちょっといたかったな、また今度絶対こよう」と思うくらいで帰るのがいい。1週間くらいとかが目安か。

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↑ 暑くなってきたら海に入ってシュノーケリングするのが一番。

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↑ ぼくが泊まっていたコテージの目の前の浜。こういうところはすぐカヤックを出せるので便利だ。なおここはハヴロックNO.5というビーチに当たり、浜に沿ってたくさんのガイジン向けのコテージが並んでいるエリアだ。で、泊まり客の半数以上はイスラエル人だった。どこにいってもイスラエリーが多い。で、最近のイスラエル人はアラブ系の人が増えているらしく、それ系の顔立ちの人が目立った(そういうことも旅しないとなかなかわからない)。彼らは兵役を終えると数カ月単位の長い休暇をもらえるので、物価の安いアジアを長期滞在するバックパッカーが多い。で、情報交換しているからか、特にこういう穴場のようないい場所をよく知っているのだ。話するといい奴らが多いのだが、パレスチナの話題などはご法度。

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↑ ヤシの木の下で本とか読んでたらたまにどこかでドッスーンとヤシの実が落ちる音がすることがある。それが自分の頭の上に落ちたら、冗談ではなく、ほんとに死ぬ。20mくらい上から鉄アレイが落ちてくるのと同じ感じだと思ってもらえればいい。だから実の密集している所の真下は避けなければならない。しかしもしヤシの実が頭に落ちてきて死んだら笑うだろうな。阿鼻叫喚の愁嘆場などクソである。葬式では悲しまないで、腹をかかえて大笑いしてもらいたい。

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↑ わが相棒のフォールディングカヤックと小型のバックパック。折りたためばこうなるわけだ。飛行機でもバスでもタクシーでもオートリクシャー(柱の向こうに止まっているオート三輪)でも歩きでも、世界中どこにでも行くことができる。カヤックトリップというスタイルが流行りじゃないのがおかしいくらいだ。だって、サーフィンでもウィンドサーフィンでもヨットでも、こんな簡単に携行してあちこち行ける便利なマリンスポーツグッズがあるわけないのだから。ま、50年とか100年とかしたら余裕で流行ってると思うけどね。

 ただのバックパッカー旅行ではどこまでいってもやや間抜けな観光客にすぎないけれど、カヤックでフィールドにでると、大げさかもしれないが長年そこの場所で生きてきた人すら知らないようなその場所特有の自然のシークレットめいたものに触れる瞬間を、実感するときがある(もちろん部族民とかそういう人になると話は別)。別に否定してもらっても結構だけど、カヤックで旅する人にしか微笑まないその土地の自然の女神みたいな存在ってのがいるのかもしれないな、とぼくは時々思うことがある。

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↑ ここはハヴロックNO.7といって夕陽が美しいビーチ。どちらかというとNO.5のビーチはプライベート、NO.7のビーチはパブリックという感じがある。なお、2010年の3月にこの浜でジョニー・デップ主演の「santaram」(シャンタラム)という映画のロケが行われるらしいので、大ファンの人は行ってみたら会えるかもしれません。


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自然のリズムで生きる人たち

2009-04-06 15:42:23 | アンダマン・ニコバル諸島編(南アジア&ア
※アンダマン・ニコバル諸島編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事

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 アンダマン諸島のハヴロック島を拠点にしてその周辺の島々をあちこち漕ぎまわりましたが、
 まあこういうところは一人でストイックに漕ぐよりも、
 誰かお客さんとかと一緒に漕ぎたくなるフィールドですね。

 あの人ならどう感じるかなあとか、あいつなら喜ぶだろうかとかいろんな人のことを思い浮かべ、必然的に「アイランドストリームのツアーをするならばどういうコースをとって進むだろうか」とか考えながら漕いでいました。
 仕事柄、そういうのはやはり面白いです。

 ところでこのアンダマン・ニコバル諸島には大昔からの原住民が住んでおり、しかも島ごとに違った民族、文化形態を持っていて、なかなか興味深いものがあります(もっともインド人入植以来、各部族とも人口が激減していて絶滅の危機に瀕していますが・・・)。インドネシアとかマレー半島とかミャンマー沿岸からやってきたであろう海洋漂泊民系(モーケン人系)もいるし、アボリジニーやアフリカ人のようなブラックの部族もいる。で、そういう彼らは今でも原始さながらの自然のリズムのなかで暮らしていて、たとえば2004年の津波の時でも自然の変化の兆候をいち早く読み、さっさと高台に逃げたのであまり大きな被害がなかったと言われています。ちなみに割と近くに位置するミャンマー沿岸メルギー諸島の海洋民なんかの間でも同じようにあまり被害がなかったらしいですが、そういう連中の自然の知恵みたいなものが何年か前のナショナル・ジオグラフィック誌に特集されていました。興味ある人はどうぞ。http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/feature/0507/index4.shtml

 ぼくは昼はカヤックを漕いで夜は現地で買った土地に関する本を読む日々でしたが、なかなか興味深かったです。
 基本的にアンダマン・ニコバル諸島の部族民は
 オンゲ族、
 ジャラワ族、
 ションペン族 
 アンダマン諸島民、
 センティネル族
 ニコバル諸島民
 と分かれていますが、インド人入植者と接触することによってはしか、梅毒、インフルエンザなどで一気に減少してしまった部族(アンダマン諸島民、オンゲ族)、入植者を拒否し、川沿いで半遊牧民的に狩猟生活している部族(ジャラワ族、ションペン族)、あるいはキリスト教に改宗し現代インド文化にかなり同化した部族(ニコバル諸島民)、とその運命もそれぞれに分かれています。中には一貫して外界との接触を拒む「センティネル族」という連中もいて、「ロンリープラネット」というガイドブックによると「数年ごとに接触を試みる一団がココナッツやバナナ、豚、赤いプラスティックのバケツを手土産に、センティネル族最後の砦である北センティネル島のビーチにやってくるのだが、弓矢の嵐を浴びせられるばかりである」とのこと。
 これには思わず笑ってしまった。

 しかしまあぼくはこういう人たちの自然のリズムに呼応して生きる知恵みたいなものには結構興味を持っていて、そういうものがうまい具合に生かされて彼らがリスペクトされる新しいカルチャーとかが今後世の中に現われてきたらいいのになと思っています。彼らの生き方、文化が損なわれることなく、しかも現代文明ともうまくやっていく共生スタイルというか・・・。ま、シーカヤックってのはもろにそういうカルチャーツールなんだけどね。

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オンゲ族が作るカヌー

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ションペン族の渋いオッチャン。

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漁をするジャラワ族の子供たち。

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オンゲ族女性のフェイスペイント

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最もプリミティヴであるとされるセンティネル族のアニキたち。彼らは近年非常にナーバスで好戦的になっていると言われており、笑顔で右手を差し伸べるこのような写真は極めて稀少なようだ。1980年代に他所からの者による彼らへの虐殺事件があったらしいがそのことも影響するのか? これはそれ以前の写真。元来は温厚な人たちなのだろうと思うとより哀しみがわく。

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これはジャラワ族で、なんとなくプリミティヴな中にも不思議なおしゃれさを感じさせる。昔、ジミ・ヘンドリクスという人もこんな恰好をしてギターを弾いていたような気がする。

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アンダマン諸島民のダンス。

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ションペン族のヤングボーイたち。

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絶滅の危機に瀕するアンダマン諸島民。

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最も現代インド人と近い生活を送るニコバル諸島民の少女たち。


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アンダマン・ニコバル諸島

2009-04-06 13:43:45 | アンダマン・ニコバル諸島編(南アジア&ア
※アンダマン・ニコバル諸島編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の記事

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 えー、インドの話はまだまだ尽きないんですが主題のカヤックネタからだんだんかけ離れてきちゃいますのでそこはひとつ抑えてこのあたりでアンダマン・ニコバル諸島の話に移行したいと思います。と言っても、ここもインド国の領土になるわけですが、インド本土ではあまりカヤックを漕ぐ気になれなかったのでそのうっぷんを晴らすようにここでは漕ぎまくりました。

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 アンダマン・ニコバル諸島といっても名前すら聞いたことがない人がほとんどだと思いますが、2004年末のスマトラ島沖地震の際にはニュースなどで結構耳にしました。タイやインドネシアなどと違って、こことそれからミャンマー沿岸のメルギー諸島あたりでは情報網が発達してなくて、また、未だ文明化されていない原住民も居住している未開さも相まって、「どれくらい津波の被害が出てるのかわからない状態の地域だ」、ということでよく取りざたされていました。

 上のグーグルアース図の中で「アンダマン海」と表示された文字が見えるかと思いますがそのすぐ左にぽつぽつ並んでいるのがアンダマン&ニコバル諸島です。

 で、ぼくは以前から名前だけは知っていましたが、スマトラ島沖地震の件以来、「ああどんなところなのだろうか?」と意識の上の方にその存在が昇ってくるようになりました。またよくよく考えるとアイランドストリームの冬季ツアー拠点ができたタイ・クラビーも「アンダマン海」の海域です。うーむ、こいつは縁があるのかもしれないな、ということで今回インドに行く流れで訪問することになりました。

 手つかずの場所の多い美しいフィールドで、また何より大洋の真ん中にポツポツ並んでいる島々なので、地球そのものの上に浮かんでいるようななんともいえない実感がありました。

 アンダマン・ニコバル諸島へは南インドのチェンナイ(旧マドラス)から一日2便ほど飛行機が出ています。日本からの最短コースはシンガポール経由でチェンナイに入り、そこからキングフィッシャーエアかエアインディアに乗り換えて、アンダマン州の州都・ポートブレアまで飛ぶ、というコースになります。ちなみに民間のキングフィッシャーエアのほうが半国営でぞんざいなエアインディアより遥かに信頼できます。まあここまでで2日かかりますね。で、ポートブレアの空港で「入域許可証」を申請し(その場ですぐに2,3週間のパーミッションが発行される)、さらにポートブレアからフェリーやバスに乗って島々や沿岸地域に移動し、ある拠点を決めてそこからカヤッキングに繰り出す、というのが一般的なカヤックトリップスタイルになりますので、そこそこ時間の余裕が必要になってきます。ただ、インドなので行ってしまえば滞在費は安いです。

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↑ 細かくて申し訳ないんですがこのグーグルアース図をクリックして見ていただくと真ん中より下のほうにRoss Island というのがあるかと思います。そのすぐそばに州都のポートブレアがあり、さらにそこからフェリーに乗って本島よりちょっと右にあるHaverock Islandという島まで行きました。このハヴロックには西洋人バックパッカーが滞在するような安コテージなどが結構あって、そこを拠点としてさらにその上にならんでいる島々にカヤックで渡って漕ぎまくりました。下の図ではさらに細かく分かると思います。

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↑ ハヴロック島の上にあるヘンリー・ローレンス島、ジョン・ローレンス島、バタラン島、ピール島、アウトラム島などなどを連日カヤックで巡りました。しかしアンダマン・ニコバル諸島のほんの一部の島を撫でただけであり、この海域もかなり広大なフィールドであるということが改めで実感できました。

 上でちょこっと触れたようにこの諸島を旅するにはパーミッションが必要になってきて、またそのパーミッションがあったとしても自由にあちこち行けるわけではなく、特に原住民居住区などは厳しく入域制限があるのですが、いつの日かカヤックのようなローインパクトのトリップツールならば自由に行き来してよろしい、というような成熟した状況になってほしいなと願う。(なおアンダマン諸島より南のニコバル諸島は津波以来、外国人の入域は完全に禁止されている)。

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美しい南の島が次から次へと連なるフィールド。


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バックウォーター

2009-04-06 03:06:42 | インド編(南アジア&アラビア半島カヤック

※インド編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

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 南インド・ケーララ州ではまず何より、コーチンの南から南北約900キロもの距離にかけて(上のグーグルアース地図クリックして参照)、多くの川が海岸線に沿って走り、また無数の支流が内陸までくねくね入り乱れて伸びるバックウォーター(水郷地帯)が有名です。

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↑ ケーララってのはヤシの木という意味だけど、バックウォーターでは行けども行けどもヤシの木に出くわす。田園地帯を縫ってヘビのように水路が入り乱れている。

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↑ 道路のない大昔からこの水路網はケーララ州の交通網であった。だけどきちっとルートを把握してないと間違いなく迷う。ものすごく複雑な水の道だ。

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↑ ここでは今も交通手段として手漕ぎの船が活躍している。

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↑ こういう観光用ハウスボートも頻繁に行き来する。観光は最大の現金収入源となっている。

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↑ メジャーな水路沿いにコマーシャルの看板が並んでいたりもする。

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↑ 水路沿いでは庶民の生活くささも垣間見ることができる。じいさんがぼーっと水路を眺め、おばちゃんが洗濯し、ガキどもが濁った水に飛び込んでハローとかアイラブユーとか知っているすべての英語を叫びながらこちらに向かって泳いでくる姿などが頻繁に見られる。

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↑ チャイニーズ・フィッシング・ネットと呼ばれる4つ手網。これを水底に沈め、半日ほど待って引き揚げるという他では見ることのできないスローな漁法。大昔に中国から伝わったもので、中国のアモイでも同じものが残っているという。

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↑ ところどころ水路が海へ抜けている。開放的な気分になる瞬間。

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↑ 水路沿いでしばし見られる物凄い面積のゴミの山。燃やして立ち上る煙が殺ばつ感を演出している。

 ていうか、インドではとにかくゴミをきちんと処理するシステムがない。みんなそこらへポイポイ捨て、掃除もしない(基本的に掃除するカースト以外の人は掃除しない)。11億もの人々が出すゴミ、大気汚染などは今後深刻な環境問題になっていくだろうと思われる。インドとそれから中国を合わせると、どえらい数になっちゃうからねえ。で、今後そのインド、中国が世界をリードしていく流れにあるわけだから、日本もそろそろきちんと「環境立国」とかそういうようなスタンスを表明してアジアの中でのうまい立ち位置を見い出す必要があるんじゃないだろうか、と旅の間結構考えさせられました。中東や北アフリカまで続く21世紀のアジア文化圏がドラスティックに動いている中でアメリカべったりの日本は孤立しているというか問題先送りばかりして止まってるというか鎖国的な感じになってきているけれど、やはりちゃんとアジアの中での立ち位置を決めなきゃとヤバイだろうと痛感する。でも日本は先進国なので泥臭いことはできない、なんというか「クール・ジャパン」で行った方がいい。クールさ、クレバーさでリードするってこと。そうすると「環境立国」っていうのが一番ふさわしいだろう、というのが旅の実感として考えたこと。彼らに安全な環境、衛生的な環境、美しい環境、快適な環境、クールなカルチャーを日常で楽しむ環境などを売るわけだ。今後両国に中産階級以上が増えるとビジネスとしても成り立ち、そうすると日本でももっと新しい産業が生まれ、若者の希望も育まれる・・・と考えるのは単純な発想なのだろうか?

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↑ 一見美しい夕焼け風景だが、ゴミを燃やしてくすぶった煙がその美を不気味に演出している。空にはカラスやトンビが徘徊していて、あたりには鼻が曲がりそうな異臭が漂っている。シュールでSFチックな風景。インドの環境問題、やばいっすよ、マジで。

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↑ というわけでこのバックウォーターも実はズルをしてカヤックは漕がず、観光ボートに乗って廻ったわけです。インドの本土は、全体的に汚いというかなんというか、あんまりカヤックを漕ぐ気にはなれないところでした。インド文化とか面白いし、これから高度成長期を迎えるこの大国がどう変わっていくのかてことにはすごく興味があるけれど、好きか嫌いかと聞かれると、うーんと唸ってしまいます。そういやこのケーララ州でブータン人の留学生と知り合っていろいろ話をしたけれど、やはり同じようなことを言っていました。非常に興味深いし面白いが好きではない、という複雑な感情。


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タルヴィン・シン

2009-04-06 01:29:22 | インド編(南アジア&アラビア半島カヤック

※インド編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

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 どんなジャンルでもルーツ、古典をきちっと踏まえつつそこから進化、革新を目指しているヤツが好きだけれど、たとえばインド音楽ではタブラ奏者(インドの太鼓)のタルヴィン・シンなんかが最高にかっこいい。

 タルヴィン・シンは生粋のインド生まれではなくイギリスのインド移民2世だけど、えてしてそういう人の方が自分のルーツやアイデンティティに自覚的であったりする。で、彼もインド古典音楽をマスターし深く理解した上で、テクノロジーを巧みに操り、また世界中の音楽家とセッションを繰り広げ、進化し続けている。

たとえばユーチューブで聴けるこの曲なんかはドラムンベースとタブラを合体させた傑作だ。
http://www.youtube.com/watch?v=OEWVykFcIIM

また、チュニジア出身のジャン・ピエール・スマジっていうウード奏者とセッションしたこの曲も非常にかっこいい。
http://www.youtube.com/watch?v=TQvoiRUl-eo

そして西アフリカ、ベニン出身の女性シンガー、アンジェリーク・キジョーとセッションしたこんなテレビ番組も興味深い。
http://www.youtube.com/watch?v=yfsGUvxrx48

それから、彼のこんなインタビューを読むと、なかなかの知性がうかがい知れる。
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/talvinsingh.htm

なおタルヴィン・シンのアルバムは何枚か持ってるので、興味ある人はツアー参加の際とかにぼくにタルヴィンシンタルヴィンシンと言ってもらえれば曲セレクトしたCD差し上げますのでよろしく。やはりインド、それからアフリカは世界のカルチャーの未来なのでカヤッカー、アウトドアマンもこういう音楽を聴いた方がいいと思います。


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