プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

無数にある秘境を実体験スケジュール

2016-09-30 17:18:03 | 紀伊半島

秋のツアー・イベントスケジュール第一弾
※通常開催の「湯浅湾ワンデイツアー」は下記日程中以外で催行!

☆【10月2日(日)産湯海岸ツアー】
 南国の香りも漂う中紀の穴場を周遊します。
 http://islandstream.la.coocan.jp/ubuyutour.htm

☆【10月10日(月・祝)すさみ海岸ツアー】
 枯木灘の荒海が作り出した造形美の中をゆくワイルドツアー。
 http://islandstream.la.coocan.jp/susami.html

☆【10月27日(木)~28日(金) 日置川キャンプツアー 】
 野性味とのどかさが共存する美しい川を下り、海の世界へとワープ。
 http://islandstream.la.coocan.jp/hikigawa.html

☆【11月3日(木・祝)友が島ツアー】
 フレッシュに変化する潮流の中、点在する気品ある島々を巡ります
 http://islandstream.la.coocan.jp/suidou.html

☆【11月5日(土)~6日(日) 湯浅湾キャンプツアー 】
 シーカヤックキャンプの醍醐味を手軽に、本格的に味わえるツアー
 http://islandstream.la.coocan.jp/yabitsucamp.html

☆【11月9日(水) 南紀・田辺湾ツアー 】
 黒潮の息吹を全身で感じながら、宝石のように散らばる島々をゆったりトリップ
 http://islandstream.la.coocan.jp/tanabewantour.htm

☆【11月13日(日) 黒島ツアー 】
 4億年かけて作られた洞窟だらけの無人島を丸一日楽しみます。
 http://islandstream.la.coocan.jp/kuroshimatour.html

☆【11月16日(水) 南白浜ツアー 】
 富田川河口のアシ原の風情と、一転、ダイナミックな太平洋へとワープ
 http://islandstream.la.coocan.jp/minamishirahamatour.html

☆【11月23日(水) 青蓮寺湖・紅葉ツアー 】
 マイナスイオンたっぷりの湖上を漂い、美しい紅葉を眺めるツアーです。
 http://islandstream.la.coocan.jp/shourennji.htm

☆【11月26日(土)~27日(日) みなべ海岸キャンプツアー 】
 ウミガメも寄りくる海岸から神の住む無人島をトリップ。
 夜は超秘境・秘密の穴場でキャンプします。
 http://islandstream.la.coocan.jp/campminabe.html


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11月20日イベントの打ち合わせ

2016-09-29 22:03:14 | 紀伊半島

 今日は久しぶりに南紀田辺から白浜あたりに行きました。

 といっても漕ぎではなく、打ち合わせ。

 環境省とタイアップしての親子シーカヤック体験&自然学習会のイベントを、
 来たる11月20日(日)に開催することに決定。
 白浜の有名な円月島の周りをぐるっと巡ったあと、
 番所山の上まで登って自然観察します。

 特別イベントでかなりお安くしています。
 先着順、20名まで。
 詳細は後日アップしますので要チェック。 


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台湾からの風

2016-09-29 00:08:08 | 紀伊半島

 今日通りがかった友人がとってくれたツアー中の写真。
 これこれ、これが遠くからの台風のウネリの「沖は穏やかだけど波打ち際や岩礁でドカーンとくる」やつ。
 非常に水難事故の起こりやすい海況。
 太平洋岸で遊ぶ全ての人が知っておくべき海の知識。

 ウネリとは水が動いているのではなく、
 円運動するエネルギーが水面下で移動してるわけ。
 水深が深いと円運動はスムーズに動くので沖では穏やかなまま。
 一方、水深が浅いと動きが邪魔され海水をかき乱すので、
 沿岸でドーンとくる。

 もともとのルーツは台風の現場だ。
 そこではものすごい嵐が海をかき乱し、とんでもなくでかい波を作っている。
 それらのたくさんのでかい波が複合すると、
 やがて集団を形成するようにセットになって、
 ひとつの大きな円運動状のエネルギーを形成する。
 そいつが遙か遠く、数千キロを旅し、今ここに届けられるというわけ。 

 この原理は絶対覚えておいた方がいい。

 台湾から大陸に抜けた台風は熱低に変わったけれど、
 その余波がここまで来ている。
 円運動のほうが寿命が長いわけですね。
 つくづく水って不思議よのう。
 台湾で吹く風が和歌山まで届くわけはないけれど、水という伝導体を通すと来るんよ。
 ただのH2Oにすぎないのにすごいのう。


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ギター名演の夜

2016-09-28 00:11:15 | アート・文化

 先日25日にうち(アイランドストリーム/The Seventh Sense cafe)で開催した、
 濱口祐自ギターライヴ
 素晴らしい夜になりました。

 ゆうじさん、すごく気持ちがこもった演奏で、
 特に後半のステージ、 ちょっと神がかってるような瞬間すらありました。

 それを支えるものすごい技術、
 年期、
 音の響きへのこだわり、
 音楽への愛、
 人間味の奥深さ。
 心優しいお人柄。
 すべてが音に現れている。

 本当に素晴らしい名演の現場に立ち会えて幸福でした。

 去年、今年とこの同じ時期に野外ステージで開催しましたが、
 次回は新しく建てた店内でもやりましょうという話になりました(ハコ内の音の響きが結構いいようだ)。
 寒い冬の時期、あるいは雨降ったら室内、
 気候、天気のいい日は屋外、
 年二回くらいやろかいな、と。
  
 ライヴ後、色んな話をして、
 ゆうじさんから「海文化」という言葉が出てきたとき、
 嬉しかったですね。

 特に和歌山は海文化が大事なんよ。 
 縄文系海洋民に始まって戦前くらいまでずっと続いてきた紀州の海洋文化ってものがある。古式捕鯨ほかたくさんの新しい漁法を編み出して全国に広めたり、ハワイ、オーストラリア、中南米、カナダなど世界の海に繰り出していった海の民をたくさん輩出しているのが紀州だ。北海道やサハリンまで海路を開いた豪商も輩出している。チマチマ、セコセコしとらん、スケールのでかさがあるってことだよな。
 おおらかで豊かな、海文化のノリを取り戻さないと。 
 今の時代、やはり海の「遊び」の世界が大事になってくるやろな。 
 シーカヤックとかそうやし、音楽なんかもそう。 

 まあ、那智勝浦の海で生まれ育ちマグロ漁船まで乗ってる濱口ゆうじさんはシーカヤッカーみたいなもの。 
 実際、パドル握ると指の感覚が変わるからカヤックはせんと言ってらっしゃるけれど、ものの見方とか感覚とかまあ色々、ほぼほぼシーカヤッカーなのよ。名誉シーカヤッカーみたいなもの。

 ぼくもまあ、長年音楽を聴きまくって育った人間だから耳は肥えている自信ある。でも肥えてようといまいと、ミュージシャンから田舎のおっちゃんおばちゃんまで、どんな耳の人が聴いても超一流のギタリストですね。こんな人が同時代に、和歌山県にいるなんて、奇跡的だと思いますね。大げさではなく。


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うねりと波

2016-09-27 23:52:29 | 湯浅湾ツアー

  昨日今日と台湾~フィリピン間あたりにある台風からのウネリが入ってきてて、沖は超穏やかだけど波打ち際でズドーンと野太いやつが打ち寄せてた。
 こういう時が一番やっかい。見た
目、めちゃ穏やかに見えてその実、かなり破壊的だから。
 沖ではスイスイ漕げるけれど、洞窟や岩礁に近づいたらぶっ飛ばされるし、上陸、出艇の時には下手なことすると大けがする(ここらへんはガイドの状況判断で決まる)。

 波とウネリは違う。昨日のお客さんにも海に出る前にそのことを口酸っぱく説明したけれど、言葉では全く理解できないようだった。だけどそのパワーを体感してみたら一発でヤバさが分かったようだった。

 ちなみに昨日のお客さんは大学一回生で、なんと中学3年の時にうちのホームページを見てツアー参加したいと思ったけれど親に止められ、高校になってまた参加しようと思ったけれどまた親に止められ、大学生になってようやく許可が出ての念願の参加だったらしい。それなのに洞窟もくぐれず、巨岩の間も行けず、無人島にも上陸できず、シュノーケリングしても海底がかき乱されて濁りまくり、しかし沖を漕ぐのだけはスイスイ楽勝という、なんとも妙なコンディション。ちょっと気の毒にも思えた。

 だけど海ってこういうことも多々あるんだよな。彼らにとって本物の海の鼓動に触れるのはおそらく生まれての初めての体験で、何が何だか分からなかっただろうけど、のちのちきっと生きてくると思う。遊びからしか学べないことあるし、また学びの意識がなければ特にアウトドアの遊びなんて意味ないし危ないからな。

 ま、ぼくらはシーカヤックやるとき、だいたい北半球全体の天気図を常に意識、チェックしている。大変というより、そういう地球スケールの視野でやる遊びが、セコセコしてなくて楽しいんですよね。

 いわゆるひとつのプラネット感覚。


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パドリングスキル&レスキュー講習会

2016-09-22 19:25:14 | 紀伊半島

 急ですが9月24日(土)、パドリングスキル&レスキュー講習会を行います。
 無数に広がる魅力的なフィールドを漕ぐために基礎的なスキルをしっかり身につけましょう。
 これから上手くなっていきたい人には必須の講習です。
 転覆&再乗艇もやりますので水の温かいこの時期にこそぜひ。詳しくは、
 http://islandstream.la.coocan.jp/skillup.htm


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世界の多様性のために

2016-09-21 23:10:13 | アート・文化

 先日、15回目の9.11を迎えた。
 2001年9.11米同時多発テロの時、ぼくはシーカヤックの武者修行中で長い海旅をしていて下関付近にいたんだけれど、その後関門海峡を渡って九州西部を南下していくに従い世界情勢は悪化し、やがてアフガン空爆、イラク戦争となだれこんでいった。

 あのときジョージ・ブッシュが言ってた言葉を忘れることができない。
 「アメリカに従うか否か、従わないものはすべて敵、悪の枢軸、テロリストと見なす」
 あれほど腹が立ったことはない。
 海旅してると、めちゃ感覚鋭くなるからね。
 海ほどリアルな世界はない。そして海のリアルにずっーっと触れてると、世界のリアルへの感受性が高まるようだ。2000キロ向こうの台風からも波うねりは今ここに届けられこの身を揺らすように、水平線の向こうのリアルワールドから届けられた世界のうねりも我が心を揺さぶる。要するにあれは異文化に対する圧倒的な不寛容と強者の傲慢を押しつけた台詞だったが、本当に腹が立った。あの台詞は、ブッシュが、アメリカが、というより、ホモ・サピエンスがこの地球に登場して以来、強者が弱者に言い続けてきた文言、差別や圧政、略奪、蹂躙、戦争の際の慣用句に他ならない。どう転ぶか見当がつかなかった当時の不穏な世界情勢の下、「こいつ、なんてこと言うんだ」と思ったものだ。

 あれを聞いて、ぼくは全く違う道をいこうと思ったのだった。辺見庸という作家は当時「私はブッシュの敵である」という本を書いていたが、敵と言ってる時点で、ブッシュの文脈に乗ってしまっていることになる(本自体はいい本だったけどね)。
 敵も味方もあるかいな、どっちも関係ない、世界はもっと多様で多元的で豊かなもののはずだ、と思った。
 その後アイランドストリームを開いたのだったが、あのときひたすら考えまくったことが運営、活動の根本になっている。世界をあちこち旅する動機にもなっている。今も全然変わっていない。
 あそこが自分の初心、原点なんだよな。別にカヤックおたくなわけじゃない。一番鋭敏な乗り物だからカヤックを続けてやってるわけ。世界の多様性、多元性、豊かさに対して常に敏感でありたいからシーカヤックなんだよ。

 シーカヤックの神髄、奥義はそういうところにある。 

 その時読んで一番感銘を受けたのがこの本。「関係の詩学」エドゥアール・グリッサン著、 管 啓次郎訳。カリブの小国マルチニーク島の詩人・哲学者の本だけど、やっぱり奴隷制~植民地時代というとんでもない苦を経てるだけあって、徹底的に考え抜かれている。前世代の抵抗主義者たちの欠点も見据え、乗り越えて洗練されている。つまり反骨精神やルサンチマンが止揚されて、すべての人種が共有できる平和主義の高みに達しているってこと。まるでボブ・マーリーのpossitive vibrationの歌の世界だ。世界の多様性、多元性が主題だ。まあ8割方ちんぷんかんぷんだったが、なぜかビビビーんときた。今読み返すともっと分かるかもしれない。もう一度読んでみようっと。


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