プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

アクセサリー

2008-11-26 00:00:01 | インポート
 というわけで無事帰ってきました。
 やはりシーカヤック一人旅はディープで面白いね。
 一人で、それもテント泊で、最低1週間は旅しなきゃ分からないシーカヤック独特の自然観、世界観ってやつがあるのを再確認した旅だった。自然の懐深く没入するってことは自分のハートの深い部分にダイブするってことと繋がってるし、自然の中の未知なる魅力を発見することは自分の感性の未知なる領域がパーと開かれるのと等しいように実感する。

 シーカヤック旅ってのがまた特別なんだよね。
 ぼくは「プラネット感覚」って言ってるけど、
 なんていうか宇宙遊泳して帰ってきたような気分がするんだよね、
 1週間以上のシーカヤック一人旅を終えると。
 
 それにしても通常、日常生活の中でいろんな便利なものに取り囲まれて暮らしているけれど、シーカヤック旅を続けていると本当に必要なものはすべてシーカヤックのハッチ(荷物入れ)の中に収まる程度で充分だしそれ以外のものはすべてアクセサリーにしか過ぎないぜ、という感覚になっているのも面白い。
 かっこつけていうと、大事なのは身体がシャキンシャキンと軽快に動くということと自分の脳みそに何が詰まっているのかということ。
 それ以外のことはほとんど些事にすぎない。
 リアルなむき出しの自然の中では、そういう意識にピントがだんだん合ってくる。
 そしてこの感覚を日常でも失わず生きていきたいと決意表明のように思うんだよね、毎回。
 
 帰ってきて一息つくのもつかの間、これからまた串本・潮岬周辺へツーリングしに行ってきますので(今度は数人で)、また帰ってきてから旅の話をさせていただきたいと思います。


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紀伊水道一周ツーリング

2008-11-17 22:38:41 | 紀伊水道カヤックトリップ
 先日から紀伊水道一周ツーリングに出ています。湯浅、加太、友が島、鳴門と漕ぎ進みそこから南下し、今はちょうど徳島・阿南海岸に上陸しテントを張った後歩いてネットカフェまで来てくつろいでいるところです。この後、阿南海岸からまた紀伊水道を横断し、日の岬を経て湯浅に帰る予定です。ですが、もっとゆっくり漕いでいろいろ探索したいところで、あんまり帰りたくない気分です。

 大海にたった一人、ほかから見ると吹けば飛ぶ木の葉のようなはかなげな存在だけれど、ひとつの意志とテーマを持って着実に進み続けるカヤック。シーカヤック一人旅はいいね、いろんなものと裸のサシで向き合っている強い実感がある。

 大昔の海人は人力でこの紀伊水道を日常的に行き来してたんだよね。
 和歌山のみかんも、海の道を通じた徳島との交流ではぐくまれた産業だしね。
 アイランドストリームの拠点である湯浅は、紀伊半島の「西側」だけれど、紀伊水道という視点で見れば「東側」なんだよね。きっと大昔の海人はそういう海からの視点を持ってただろう。だって大昔は陸にほとんど道はなく(日本は元来山だらけ、森だらけなのだ)、海路しかなかったわけだ。そんな人たちは海から発想するしか手立てがないだろう。。ちなみに日本という国は大陸的価値観からするとファーイーストだけれど、海的視点で太平洋を基準としてみるとファーウェストだ(ファーイーストなんて呼び方はモロに西洋中心主義で嫌いだね)。
 海を支点にものごとを捕らえると発想がまったく変わる。
 そして元来人間は海を支に生活し、移動し、発想してきた。
 そういうことを今一度考えさせてもらったね、この海の上で。

 また淡路島周辺の流れというのもインスピレーション深いものがあるね。
 日本神話も、この潮の流れと淡路島誕生をモチーフにした伝承からスタートするのも、非常に興味深い。
 海人の「体感」と「イマジネーション」を基にしているのがよくわかる。
 鳴門海峡の激しさは岡本太郎が絶賛した火炎式縄文土器の激しい文様にもよく似ている。
 アイランドストリームといううちの屋号にも似ている。
 まあ、このへんのことを話すと長くなるのでまた今度。
 
 えー、海上と同様、陸に上がっても歩きまくります。3キロでも5キロでも歩いて渋い銭湯やおもろそうな店などを探します。しかし、鳴門にしろ阿南にしろ、閑古鳥鳴きまくるシャッター街の駅前、このうらぶれたわびしさはなんなんだろう。歩きつかれて場末のワビサビ感が極まったような焼き鳥屋ののれんをくぐり、まったくやる気のなさそうな店主のおっさんとカウンター越しに話しながらビールを飲んでいるとなんだか胸がキューンとしてきました。
 しかしこの胸のキューンとした感じもまた旅情そのもので悪くないです。

 さて、このネットカフェでもうちょいゆっくりしたいところですが、隣のブースでネットしているおっさんの独り言と咳払いがやたらとやかましいのでテントに戻ろうと思います。
 また明日からオーシャントリップ、満喫したいと思います。


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グレイト

2008-11-12 06:55:15 | インポート

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 上の写真は串本、潮岬沿岸フィールド。下の写真は串本大島の外海フィールド。

 黒潮がダイレクトにぶち当たってるゾーンで、外洋のエネルギーが圧倒的だ。

 夏場、自分自身のことはどこかに置いておいてツアー業務に徹していますが、どこに置いているのかと言いますと、こういうところに置いています。で、喧噪の夏が終わると再び取りに出かけます。

 こういう海を漕ぐとやはり次元が違うという感じがすると同時にエネルギーがチャージされたような充実感を味わうjことができる。

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ナヴィゲーター

2008-11-08 01:06:56 | インポート

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 先日、内田正洋氏がうちにやって来られ、アイランドストリーム唐尾のクラブハウスにて飲みながらいろいろ激励していただきました。ちょうどバイク雑誌の取材で南紀に訪問した足で立ち寄られたとのことで、カメラマンの方と一緒にそのまま泊まっていかれました。

 もともとぼくがシーカヤックを始めたのは内田氏の本を読んだのが引き金になったんですよね。時はデフレスパイラル渦巻く90年代後半、バブルのつけで破綻した銀行やゼネコンに一般人の血税をつぎ込んだり、国債を乱発し無駄な公共事業に何百兆円も投入して環境破壊しつつ大事な問題から目をそらし先送りにする一方、一家を支えるオッチャンを大量リストラしたり未来ある若年層の雇用を大幅にカットするなど、徹底的に既得権益層擁護路線をひた走る世の中に対して心底ムカつき、怒り、閉塞感を覚えまくっていたぼくでしたが、ちょうどその頃色々思うところあって図書館で本を借りまくって読みまくっていた時期でもありました。ジャンル関係なくめちゃくちゃ節操無く手当たり次第読みまくりましたが、その中でなにげにアウトドア系のキャンプ道具とかの本を物色している時に、たまたま内田氏のシーカヤックの本に巡り合ったというわけです。宝を見つけました。

 「あ、これやな」と一瞬で思いましたね。

 内田氏の文章には一言で言うとポジティヴな未来への力強い予感があるんだよね。そんなのって世の中にありそうでいて、本当にリアリティのあるものはほとんどないと断言できる。

 だがシーカヤックにはそれがある。

 来年の6月あたり、このアイランドストリーム唐尾のクラブハウスで内田氏を招いて何かイベントをしようかなと考えています。


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イントゥ・ザ・グルーヴ

2008-11-07 22:40:06 | インポート

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 お久しぶりです。しばらくブログ更新していませんでしたが、相変わらず元気にやっています。ツアーの忙しさはひと段落つきましたが、カヤックシーズンとしてはベストの時期が続いていますので、これまでのバタついたスピード感を落としてより気ままにツアーやプライベートツーリングに興じています。そういうわけでなかなかブログに向かうことはできませんでした。

 秋のシーカヤッキングはいいですね。

 上の写真はこの前行った日本海の高浜でのツアーのもの。海がうねってるとき、ちょうどうねりの谷間に入った瞬間に隣りのカヤックが見えなくなるってことがあるんだけど、そんな感じのやつです。ちなみに下の写真もそういうやつ(こちらは湯浅湾でのツアー時)。よく見ると余裕で笑ってらっしゃいますね。

 波長がゆったりしたうねりの場合、相当大きな高低差があっても実際漕ぐのに大した支障のないことが多いです。むしろ大きなうねりに身をまかせるのがすごく気持ちいいです。音楽的グルーヴが身体の奥底に眠った細胞を踊らせる、って感じ。心を酔わせてくれるダンス。

 シーカヤックって音楽的な乗り物なんだよね。

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