
来月、本を出版します。
「森と黒潮と神話の旅」(彩流社)というタイトルで、6月26日発売予定です。と言ってもまだカバーデザインも上がってない上、2校ゲラもあがってないのでホンマに間に合うんかという感じですが、出版社の紹介ページにはすでに載っています。
https://www.sairyusha.co.jp/book/b10135405.html
内容は下記のようになります。
『歩くことと漕ぐこと──人間のもっとも根源的な身体行為を通じて、日本列島を環太平洋上の“響き合う島々(ヤポネシア)”としてとらえなおす旅路。吉野・熊野・伊勢の森を抜け、黒潮の沿岸を進む中で、目には見えないけれど確かに感じられる“道”をたどっていく。
それは地図には載らず、標識もない道。
だが、風の流れや潮のリズム、山の沈黙と共鳴しながら進むその旅には、美しく調和した一本のラインが確かに浮かび上がる。
旅に通底するのは、オーストラリアの先住民が語る「ソングライン=歌の道」という感覚。歌われることで立ち上がる場所の気配、空気の密度、地形のリズム──それを著者は紀伊半島の山と海に重ね、風や波の調和点に身体を合わせる。
その旅路はやがて、土地に沈む記憶を呼び覚まし、千年、万年の時間の奥行きを、身体を通して遡る行為に変えてゆく。そして、過去を踏みしめるその足取りの反転のなかから、未来に通じる道筋が少しずつ姿を現しはじめる。
描かれているのは、旅の記録ではなく、思索の構造でもない。
風と波、生き物と沈黙──そのすべてと交感しながら、場所と言葉が共鳴して立ち上がってくる感覚のプロセスが、緻密で透明な文体によって編み上げられていく。
感動的な文章で綴られたこの書は、
人と自然のあいだに新たな関係を築こうとする、最古にして最新のビジョンそのものである。
次の世代に伝えるべき、「感じる知」としての一冊。』
よろしくお願いします。