プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

 黒潮シンボルツリーの北限集落

2019-11-02 21:02:00 | 黒潮













 湯浅湾北岸やびつ海岸先端付近にあるやびつ集落あたりが、亜熱帯植物アコウの木の北限。

 南は台湾やフィリピンあたりにまで分布する黒潮流域のシンボルツリー。それがここで途切れるというのは、すなわち少なくともここまでは黒潮のかすかな吐息が届いているということの証拠でもあり、なかなか感慨深いものがある。

 このすぐ北の有田川河口で黒潮エッセンスがかなりの部分遮断される(すべてが消えてなくなるわけではない)

 幹がうねうねとうねっていたとしても、爽やかな印象があるアコウの木。これを道標として南ヘの旅に出たくなってくる。

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田辺湾・神島についての新聞記事

2019-04-29 20:12:13 | 黒潮

 来たる5月16日に、南紀田辺湾・神島にて海ゴミ調査&クリーンアップイベントを開催しますが、そのことにもちなんだ内容を織り込んだ記事を、毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」にて書きました。よろしければどうぞお読み下さいませ。


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錦江湾カヤックトリップ

2019-04-04 12:41:51 | 黒潮

 

 先日まで鹿児島・錦江湾にカヤックトリップに行っていました。

 湾の南端にあたる指宿の海そばにある安いライダーズハウスにあらかじめフォールディングカヤックを送り、ピーチ航空で身一つ移動。現地でカヤックを受け取ってそこで組み立て。食料、キャンプ用品等を積み込み、出艇。そのまま北上し、桜島を経て錦江湾最奥部の国分海岸に上陸。次に陸路で縄文草創期から前期にかけての最大の集落・上野原遺跡まで移動。

 ちょうど錦江湾を縦断した格好。
 海から来た縄文人が何を感じてやってきたのかがテーマ。
 途中、桜島に数泊し、自転車を借りて桜島を一周したりした。

 タイミング良く桜島が噴火するところを海から見られました。
 風景もさることながら、においがすごかった。
 硫黄臭ともまた違う、香ばしいような、それでいて甘いような不思議な香り。
 そのにおいは日によって違うようだけど、生まれて初めて嗅ぐ不思議な香りだった。

 2万9千年前に大爆発し、マグマが放出された地中部分が空洞になって大陥没し、そこにドーッと海水が流れ込んできてできたカルデラ海が錦江湾。なので内湾なのに水深が深く、海岸から数十メートル沖に出ただけで水深100m以上になったりする。途中でカヤックフィッシングした際にも、沖小島という島からほんの20メートルくらいのところにジグを落とし込むやいなや、糸が限りなく出ていく出ていく、いったいどこまでいくと着底するのかといった有様でした。

 また鹿児島市がすごいのは、桜島という活火山からほんの数キロしか離れていないにもかかわらず、人口が60万人も住んでいる大都市であること。そんな場所は世界を探しても他にないのでは、と思います。
 桜島が大噴火したら甚大な被害が出ることは必至だし、姶良カルデラや若尊カルデラという海中火山が爆発したら水蒸気爆発、大津波が起って未曾有の大災害になる(川内原発もひとたまりもない)。だけど桜島の存在によって観光のシンボルとなっているし、桜島大根や小みかんなど他には生育しない農作物ができる。海はマダイやヒラマサ、ブリなどの宝庫だし、どこででも温泉が出る。なによりマグマパワーに満ちていて、実際に住んでいる人は「パワーをもらって生きている」と普通に口にしている。
 大自然の脅威と共に暮らしているわけですね。
 
 そこのところが面白い。

 またそれは、縄文時代とかとそう変わらないのではと思う。
 身近な脅威と恩恵という、基本的な自然へのスタンスは、太古から変わらない。
 それも世界を探しても、なかなかないのではと思います。
  
 だからこそ川内原発は一刻も早くやめた方がいい。

 約6700年前に、錦江湾から少し南に下った「喜界カルデラ」が大爆発したとき、火砕流が薩摩半島から錦江湾あたりまで襲って、上記した「上野原遺跡」など、周辺に点在する縄文集落も焼き尽くされ、いったん壊滅しました。で、そこから逃げのびた一派が黒潮沿岸を北上し、四国や紀伊半島や伊豆半島などに渡っていきました。
 たとえば湯浅湾の鷹島に住んでいたような縄文系海洋民もその一派と繋がっているかも知れない、などと考えると「黒潮カヌー文化圏」というテーマにも繋がってきて面白いわけですが、その辺の感覚的なインスピレーションが色々とわき起こってきた旅でした。
 その場に身を置かないと分からない事ってたくさんあるわけですね。

 たとえば最大の縄文集落である上野原遺跡がなぜ湾の一番奥にあったかというその理由。それは多分、志布志湾の方にささっと移動してそこからカヌーで出艇し、噴火や火砕流の影響のないところまで逃げるというルートが出来ていたからではないか、と直観したりしました。他にもその近辺にたくさんの縄文集落があるけれど、それはメディアとしてネットワークで繋がり、噴火や色んな情報を交換していた証拠ではないだろうか、などと思いを巡らせたりしました。

 黒潮文化圏の十字路である錦江湾、なかなか面白かったです。
 屋久島や種子島、トカラ列島や奄美方面へいく際のハブにもなるしね。
 あ、甑島も忘れずよろしく。


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紀伊半島を2本の腕で50キロ下ると

2016-06-11 22:46:35 | 黒潮

 先日は湯浅湾から南紀・みなべ海岸まで漕ぐ、50キロツアーを行いました。

 岬一つ超えるごと、
 川の河口付近を抜けるごと、
 巨大な岩や入り江を過ぎるごとに、
 空気感ががらっと変わり、
 海岸線の地形や植生や海の色や棲む生物が変わってゆく。

 紀伊半島の自然の変化を、
 我が身ひとつで体感しながら進んでゆくことは、
 まさにシーカヤックならではの醍醐味だと言えますね。

 そこを漕いだ者だけに語りかけてくれる自然のシークレット。 

 今回は御坊から印南に下り、
 切目崎エリアにさしかかったとき海の色が濃いブルーに変わり、
 トビウオがバンバン飛びまくりはじめ、
 たまにウミガメが現れたりして、
 黒潮の鼓動のようなものをひしひしと感じました。
 地球の回転により生まれ、
 北太平洋を大循環する、
 アマゾン川の500倍の流量を誇る世界最大級の海流、
 黒潮のVoice。
 回転する地球の歌。
 この感覚なんかは特にカヤックで移動してきた者にしか分からないもので、
 なんというか、
 リアル・ネイチャー・トリップという感じがしましたね。

 紀伊半島の海岸線のシーカヤック旅の感覚的な味わいは、
 黒潮の筆遣いの濃淡みたいなものに尽きるという気がしますが、
 毎回毎回いろんなパターンでの変化が感じられて面白いものです。 

 そしてゴール後、さらに、南へ南へと、
 旅を続けていきたい思いにかられました。 

 完漕された方、おめでとうございました。  
 確かにしんどかったとは思いますが、
 こうやって自分の2本の腕でがんばって漕ぐからこそ見えてくる、
 本物の味わい深い自然の姿。
 これこそが本当のリッチさだと思えますね。


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黒潮ストリートの道標、ゆりかごから墓場まで

2016-06-07 23:27:06 | 黒潮

 先日は中紀・産湯海岸でのツアーを催行しました。

 ここは中紀でありながら、南国風情の強い場所で、
 海水の透明度も高く、夏場には黒潮に乗ってやってきた熱帯魚が、
 多く観られる場所です。

 またなんと言っても海岸線にたくさん生えているアコウの木が、
 いっそう南国感をそそる。写真のやつがそうですが、
 こいつもまた、南方から黒潮により種子が運ばれてきて育った植物だ。
 沖縄から房総半島まで、特に、
 鹿児島・佐多岬や宮崎・都井岬、高知・足摺岬や室戸岬、
 和歌山・潮岬など、黒潮がぶち当たる温暖な岬周辺によく育つ木だ。

 そいつが、中紀でありながら、この産湯海岸周辺にはたくさん生えている。
 いわば黒潮の「ホットスポット」的エリアだと言えるだろう。

 ここを漕ぎ巡り、海上で黒潮の気をたっぷり浴びたあと、
 このアコウの木の木陰でまったりすること。
 それは極上のトリップ感が味わえるリッチなひととき。

 ちなみにこの木の下に、数年前までいつも、
 100歳くらいのばあさんが座っていた。
 そのばあさんに聞くと、
 「わしが子供の頃からこの木はこんなじゃった、変わっとらん」
 と言っていた。
 ここ数年、そのばあさんも、とんと見なくなった。

 きっと天寿をまっとうされたのだろう。

 このアコウの老木はたくさんの人たちの人生も見てきた樹なのだろう。
 ゆりかごから墓場まで。


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和歌山の海岸線と黒潮感覚

2016-05-14 00:04:57 | 黒潮

 さて、ゴールデンウィークも過ぎ、
 新緑もますますその勢いが増してきた初夏ですが、
 風の中にも緑の香りが濃密に漂い、
 ひときわ生命力が感じられる今日この頃です。

 紀伊半島はどっちかというと、桜よりも、
 この新緑から梅雨にかけての若々しい緑の生命力の横溢に、
 「風物詩」的な、
 特筆するものがあると思いますね。

 陸を歩いていてももちろんそうなのですが、
 やはりシーカヤックという鋭敏な乗り物に乗ると、
 さらに微細な初夏の鼓動を、
 全身で味わうことができます。

 和歌山の海岸線は、岬一つ南に移動するごとに、
 黒潮の息吹が濃く感じられ始めるのですが、
 特にこの時期は、
 黒潮にはぐくまれた植物の生命力と相まって、
 よりその気配を肌身で実感させられる季節。

 「黒潮の息吹」ってやつは、
 ただ海辺をドライヴしただけではわからないし、
 陸を歩いているだけでもあまり実感が湧かない、
 海に出でて見てこそすごくよくわかるものなのですが、
 特にこの時期はそれが顕著になる。
 ってことは、シーカヤックという乗り物の実力がよりよく映える
 季節ともいえます。

 ぼくは国内外のあちこちの海を旅し
 ホームグラウンドの紀州の海に帰ってくるたびに、
 いつしか、
 「やはり黒潮独特の感覚ってあるなあ」という、
 実感を覚えるようになりました。
 そしてシーカヤックツアーなどで何千回と紀州の海を漕ぐうちに、
 「絶対音感」ならぬ、「絶対黒潮感」みたいなものが、
 自分の中に芽生えてきたような気すらしています。 

 同じ紀伊半島でも、
 場所ごとに存在する、独特の空気感があるのです。  

 ちなみに黒潮感覚って、スケール大きくて、おおらかで、
 広い世界とつながっていて、
 生命感にあふれてて、すごくいいもんなんだ。
 たぶんぼくだけじゃなく、
 古来紀州の海民はそういうことを意識していただろうと思う。
 たとえば熊野三山のひとつ、新宮の「速玉大社」って神社の、
 速玉とは=黒潮のスピリットのことだと言われるが、
 まあ、海のリズムと同化するように生きてた古来の人々は、
 ちゃんとわかってたんだろうな。

 ちなみにうちのオープンしたカフェ、
 「The 7th Sense Cafe」の7th sense とは、
 そういう感覚のことも指しています。 
 目に見えない、だけど第六感ではなく、
 五感で感じられるリッチな自然感覚。 

 黒潮フィーリング、
 その輪郭がくっきりした和歌山の海岸線ってやっぱりいいなあと思う。
 みんな、もっと、和歌山の海に出てみようぜ。 


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野性のvoiceを聴くキャンプツアー

2015-09-13 23:47:42 | 黒潮

 先日の串本キャンプツアーはなかなか面白いものとなりました。

 秋雨前線と南海上の台風とのちょうど合間にあった2日間。
 海をじっくり読みながら、慎重に、
 文字通り海と対話しながらツアーを進めました。

 もちろん冒険ではなく、お客様をお連れするツアー。
 常に余裕をもった試合運び、
 いやツアー運びができるかどうかが大事なのですが、
 常に先手先手で状況を読みながら、
 「余裕」のある状態をキープしなければならない。
 なんせキャンプ地は完全に「野生」ゾーンになるわけだから、
 エスケープルートや退くタイミングも考えながら動く必要もある。
 うねりの形、大きさの時間ごとの移り変わりや、
 空の雲の流れ、岩を洗う潮の音などに集中しながら、
 しかもピリピリすることなく、余裕をもって楽しむという試合運び。

 天気や空気という言葉があるように、
 海気という言葉もある。
 自然はたくさんの暗号を発している。
 で、天気や空気の暗号を読むように、ぼくらは海気を読むわけだ。
 現場にいるとわかる。現場にいないと絶対にわからない。そういうもの。
 そのうえで「余裕」を確保できない試合運びになりそうだと判断すれば、
 途中で引き返すか、初めからやめておく。
 基本は「こわがり」でいく。
 (その判断ができなくなったら、ぼくはガイドを辞めるだろう)
 
 それがうまくいくと、ビタっと決まったライヴ演奏のように、
 文字通り自然との深い対話ができたという満足感が生まれる。 

 滝、洞窟、さんごシュノーケリング、外洋のエネルギー、
 縄文の森の祠散策、焚火料理、お酒をくみかわし談笑などなど、
 このフィールドならではのキャンプツーリングを楽しみつつ、
 野性のvoice、地球の鼓動に耳を傾ける2日間でした。
 (ですがこの翌日に来た台風が茨城の鬼怒川の決壊を招くほどの
 大雨をもたらし、素直には「よかったー」といい難いものがあります。
 被災者の方には謹んでお見舞い申し上げます)

 ちなみに上記のような状況判断を学んだ上でカヤックをやりたい方は、
 ぜひ一度アイランドストリームのナヴィゲーション講習を受講してみてください。
 すごく面白いし、レベルも断然アップしますよ。 


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黒潮ドライヴ

2015-07-04 00:54:27 | 黒潮

 南紀から串本にかけての海は特別に好きだけれど、
 ここらは海岸線のドライヴもいいね。

 特に串本あたりを漕いだ帰り。
 
 黒潮の気配が全身に残っている中で、
 ちょっと黄昏の時間、車を転がすひと時の心地よさ。

 途中、一番上の写真の「沖の黒島「地の黒島」のあるあたりでいつも休憩。
 ここは海水ひときわ美しく、奥の黒島には見事な洞窟があるんですが、
 (湯浅湾の黒島とは違う)
 ここもアイランドストリームでツアーできる場所ですね。
 シュノーケリングなんかすると泳いでる魚種が、
 イシダイとかアオブダイのでかいやつとか多種の熱帯魚たちとかで、
 なかなかそそられます。
 (8月終わりあたりにツアーしよっかな)。

 そして白浜近くになるとまた景色もも空気感も変わってきますが、
 いきなり一番下の写真のような、
 「珍奇植物研究所」なる変な場所が出てきたりして、
 (実は喫茶店であり、名前が「ジャングル!!」)
 これまたそそられます。

 また、帰りの車の中での音楽の選曲も大事で、
 やっぱり夕暮れ、黄昏の時間に見合った音を味わいたい。 
 この瞬間、この音という調和が大事で、
 いい景観場所に差し掛かった時にたまたま似合わない音をかけてしまっていたりすると、
 ぼくは今一度引き返してもう一度いい音楽をかけなおしてその場所を通ったりする。
 串本・和深の入り江が続くあたりでは、西日が傾いてきたならば、
 たとえばボビーハッチャーソンのこんな、
 アバンギャルドかつ耳触りいいという相反した演奏を、
 デカい音で、しかもまったりと味わいたいものだ。
 Bobby Hutcherson - Manzanita


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回転する地球の歌

2015-06-30 21:17:08 | 黒潮

 先日の本州最南端・串本キャンプツアーは、海も穏やかで存分に楽しめました。
 外洋エリアも漕げましたしね。

 縫うように漕ぐのが面白い橋杭岩。
 断崖絶壁と海食洞のおごそかさが物凄い大島北岸。
 地形が複雑で海水が美しい大島南西岸。
 ところどころで流れ落ちる大小様々な滝。
 そしてラムサール条約に指定されたサンゴ群落でのシュノーケリング。
 野性味溢れる無人の浜キャンプ。
 いやあ、面白かったですね。

 南紀に来るたび、やはり紀伊半島はワールドクラスのアウトドアフィールドだなあ、
 と実感させられます。
 「大自然のスピリットに触れる旅」という副題を、
 当店アイランドストリームは付けていますが、
 それにふさわしいのがこの本州最南端周辺の海ですね。

 なんたって黒潮ダイレクトの海。 
 黒潮などの海流は地球が自転することにより生まれる海洋大循環ですが、
 なんというか、ほんとに惑星スケールを感じさせますね。
 ちなみに19世紀アメリカにウォルト・ホイットマンという詩人がいて、
 有名な「草の葉」という詩集の中に、
 「回転する地球の歌」という題の詩があるのですが、
 黒潮って海流はまさにそのタイトルが似合う、
 「回転する地球の歌」そのものです。

 それはシーカヤックを漕ぐとわかるフィーリング。 

 串本キャンプツアー、
 次回は9月7日(月)~8日(火)に開催します。
 台風きませんように。
 詳細は下記のとおりです。
 http://homepage3.nifty.com/creole/kusimototour.htm 
 予約受付中。 


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濱口祐自ライブ

2015-05-22 00:16:32 | 黒潮

 だいぶ先の話ですが9月19日(土)、那智勝浦のリアル・ブルースマン、
 濱口祐自さんのギターライブを当店アイランドストリームで開催します。
 海辺の広いオープン空間での、野外ライブになります。

 ブルースやジャズ、クラシックなど幅広い音楽性のみならず、
 熊野の海、山、川、巨石、滝、風、生物などからもインスピレーションを受け、
 耳を澄ませばようやく聴こえる、
 かすかなチューニングや倍音の響きにまでこだわったギタープレイ。
「竹林パワーの夢」というアルバムを最近よく聴いているのですが、
  確かに自然のスピリット、感じますね。

 目をつむって聴いていると、満月の下で転がる黒潮とか、
 夕日の海面の色とか、山肌で新緑が芽吹くエナジーとか、
 熊野川のウスバカゲロウのハッチとか、いろんな詩的イメージが湧いてくる。
 シーカヤッカー的にもビビビンとくるところがある。
 シーカヤックこそ、
 「自然のリズムに対してよく調弦された、楽器のように敏感な乗り物」だから。

 音楽というジャンルの枠のみならず、世の中にはこういう、
 目に見えない自然の息吹みたいなものにもインスピレーションを受け、
 それを表現として反映させている人もいるんだと思うと、
 しかもそれがブルースマンだと思うと、
 ヤバいくらい嬉しくなってきますね。
 同じ和歌山・黒潮圏やしね。

 なお当日、アイランドストリームのシーカヤックツアーに参加された方はライブチケット無料となります。
 まずは天才ギタリスト・濱口さんの演奏知らない方は、このユーチューブの動画をどうぞ。
 
 
 那智勝浦の奇跡のブルースギタリスト濱口祐自Yuji Hamaguchi 、初PV公開!


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極上の黒潮感覚

2015-05-20 17:04:01 | 黒潮

 先週末16日(土)の黒島ツアー
 17日(日)の産湯海岸ツアー
 いずれも無事終了しました。

 はるかかなた、小笠原諸島あたりにある台風からやってくる
 うねりの影響も微妙に受けながらの催行でしたが、
 シーカヤックを漕ぐ分には別段なんてことなく、
 紀州特有の新緑の生命力を感じながら、
 海を楽しむことができました。

 黒島は洞窟もさることながら、
 南方系の植物「ハカマカズラ」の北限というだけのことはあって、
 アイランドストリームのベースあたりとはまた違った、
 独特の南国の気配が感じられます。
 この日は十九島(つるしま)周辺で、
 ソラスズメダイなどの熱帯魚が泳いでいるのが海上から見えました。
 黒潮、入ってきてるわけですね。 

 そしてさらに岬を一つ越え、湾も一つ越えたところにある産湯海岸は、
 まるで黒潮感覚のホットスポットのような場所で、
 さらに南国の空気が漂っています。

 ツアー後、町木であるアコウの木の横に座ってる
 89歳だというばあさんとアイスクリームを食べながら話しましたが、
 これまたなんとも、南の島に来たみたいな、空気の止まったひとときで、
 とてもよかったです。 

 シーカヤックを通して五感で捉える、紀州の海岸線の、場所ごとの変化。 
 岬ひとつ南に行けば、徐々に濃くなってくる黒潮の気配。 
 「遊び」を通して全身でそれを実感すること。
 まだ世の中にはそういうものを大事にする価値観はないですが、
 何世代も先をゆく、極上のリッチさだと思いますね。

 日本の自然って、黒潮によって育まれているわけだからね。
 地球規模の視野で見ると、日本と同緯度の他所は多く、
 砂漠地帯になっています。
 つまりこのみずみずしい国は、黒潮によって支えられているわけで、。
 こうやって黒潮を感じることによって、日本の自然っていいなあと改めて思いますね。 


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