プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

愛しの黒潮

2011-11-14 13:35:26 | インポート
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 夏の終わりくらいから黒潮が紀伊半島に接岸してきていて、
 その影響で満潮時にかなり高潮気味になる状態が続いています。

 黒潮本流って周囲の海面から1mほど高くなってるんですよね。
 なぜか?
 黒潮って暖流だけど、
 暖かい空気や水は膨張する性質を持っていて、結果、
 水位が高くなるわけですね。

 通常の黒潮本流は潮岬の南のかなり沖合を流れるのですが、
 今年の秋は相当北に上がってきていて、その影響を受けています。
 アマゾン川の500倍の流量を誇る大洋の大河が迫っているわけです。
 港の船着き場なんかでは、満潮時になると、
 コンクリぎりぎりくらいまで、水際が迫ります。

 またそのおかげで、今年はまだまだ水温高く、
 カヤックから海に手を入れると、 
 ぬるーくお湯みたいになってる所もあります。
 
 黒潮の影響で紀伊半島の海岸線は紅葉にならないのですが、
 この独特の温暖な空気感はいいもので、
 紅葉とはまた別の、晩秋~初冬の味わい深い風情を醸し出します。


簡単に手に入るものに価値はない

2011-11-11 21:19:35 | インポート
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 ここ一週間ほど、ほぼ毎日カヤッキングしています。
 琵琶湖の沖の島に一日行った以外、全部、
 和歌山・加太と淡路島の間にある「友ケ島水道」を漕いでいます。
 
 ツアー、プライベート、わけあっての野暮用、
 様々な理由で何回もシーカヤックで往復しているのですが、
 実にいいフィールドです。

 場所によっては潮の流れが速く、
 うまくナヴィゲーションしないと危ない海域でもあるんですが、
 淀むことなく溌剌と流れる潮を海上で体感していると、
 「動的瞑想」とでも言いますか、
 感性や脳みそまでもがフレッシュになっていくような
 すがすがしさがあります。

 閉塞感、淀んだ感じ。
 この現代日本の高齢化した田舎に住んでいると、
 独特のやりきれなさに息がつまりそうになることも多いですが、
 心にたまったアカ、淀んだ沼のようなそんなのを、
 カーンと蹴散らしてくれるような躍動感がありますね。
 
 海全体が流れるというか、
 フライングカーペットのようにスーッと移動していく感覚。
 「龍の背中に乗っているような」とぼくはよく形容しますが、
 この、「シーカヤック」という、
 何のフィルターもかけずに自然の持つエッセンスが心に届く乗り物に乗って、
 そいつを感じていると、
 魂が深く揺さぶられます。

 多少のリスクはありますが、
 しっかり判断力を稼働すると、無謀というわけでもない。
 トライしてみれば、案外行ける。
 やばいな、とマジに思ったなら戻ればいい。
 あるいは出艇を見合わせればいいだけの話だ。
 次のチャンスはいくらでもある。
 力量に不安を感じるならそれまでに練習すればいい。

 「よし、渡ってみるぜ」と、
 チャレンジ心を稼働させるからこそ、
 色々見えてくるものがあり、そこに
 本当のシーカヤッキングの面白さ、
 アウトドアスポーツの奥深さが隠されている。

 簡単に手に入るものに価値はない。
 ゼニで手に入るほどイージーなブツで、絶対にソウルは揺れない。
 魂は、正直だからね。

 ソウルを揺さぶってこそ本当の遊びであり、
 人生だと思います。
 
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ワイルドな触感

2011-11-11 20:30:30 | インポート
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 秋もすっかり深まって冬の足音も聞こえてきたけれど、
 まだまだ頻繁に海に出ています。

 なかなかこのブログもご無沙汰になってしまっていますが、
 それはシーカヤックがオフシーズンになったから、
 ということではなく、むしろ逆で、
 漕ぐのにいい季節なんであちこちに行き、
 アップする時間がなかなか取れないからです。
 すいませんねえ。 

 不思議と感性も夏より鋭く、豊かになってくる季節。
 ツアー、プライベート、両方であちこちに行っています。

 先日の日の岬ツアーもなかなかよかったです。
 かなり遠くからのうねりが入ってきていたのですが、
 特に、長く4キロも続く煙樹ケ浜の玉砂利をザーッと巻き上げ、
 そして引いてゆくときのサウンド。

 太平洋はるか遠くからやってきたうねりが、
 波打ち際にドーンと張り手を食らわし、引いていく際に
 何千、何万いや何億という丸い小石が互いにぶつかり転がる音。
 そいつを海の上からじっくり聞いてると、
 「なんてぶっ飛んだサウンドスケープなんだろう?」と、
 感動してしまいました。
 あらゆる音響システムでも、音楽ライヴでも、絶対にあの音は出せないからね。
 耳で聞くのではなく、全身の細胞一個一個が、
 小石と同調して「鳴る」感じ。
 ま、これもシーカヤック特有のボディソニック感覚ですね。

 うねりと、水平線。
 岬と断崖絶壁。
 遠くに見える四国の山並み。
 波打ち際の音に酔いしれながら眺める景観も、
 より一層ワイルドな触感を帯びたような感じがして、
 とてもとても、よかった。
 
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