プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

マシーラ島3 マシーラ島写真集

2009-04-25 11:39:02 | オマーン&UAE編(南アジア&アラビア半

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 ※オマーン、UAE編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

 この冬に行いました南アジア&アラビア半島カヤックトリップのクライマックスであるマシーラ島。ここでの3,4日の滞在中、もちろん朝から晩までカヤックを漕ぎましたが、あんまり言葉はいらないでしょう。写真をバーっと羅列しておきます。ぜんぶこれ、雪じゃなくて、砂なんですよね。高画質ですのでぜひクリックして拡大してみてくださいね。

 また、マシーラ島に行きたいなあという人、カヤック漕いでみたいなという人、ぜひぜひ行ってみてください。で、その際アイランドストリームでフォールディングカヤックをご購入下されば、カヤックレクチャーと同時にさまざまなご情報を提供いたします。折り畳みカヤックというのは旅をするための道具です。ガンガン有効活用してください。

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マシーラ島2 未知感と既知感。

2009-04-25 08:14:12 | オマーン&UAE編(南アジア&アラビア半

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※オマーン、UAE編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

 海岸線にすぐ迫る雪のような白い砂漠が非常にやばいオマーンのマシーラ(masirah)島。色んな地図日本語表記ではマシラ島とかマシラー島とか書かれてるけれど、現地の人たちの発音では明らかに「マッシーラ」で、オヤジダジャレ的に言うならば「砂漠がまっしろだからマッシーラ」と覚えておくと忘れないでしょう。

 で、ロケーションは下のグーグルアース図を見ていきましょう。

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↑ まず南アジアから中東の位置関係を把握するために下段の地図をクリック拡大してアラビア半島のオマーンを見つけてもらって、その「オマーン」という表記の右横に小さく点のように存在するのがマシーラ島です。

 ここでいつか、アイランドストリームのカヤックトリップツアー、したいなあと思います。一人もなかなかよかったけれど、今度は誰か連れていきたいね。あの人連れていったらどういう感想を抱くだろうか、って考えてみただけで面白いです。あるいはみなさんの中で興味を覚えた方は「いいな~」と思うだけではなく、アイランドストリームでフォールディングカヤックを買って実際に行ってみてください。カヤックトリップのコツと合わせて情報もたっぷりお教えいたします。

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 この島に身を置いている感覚、カヤックで海上を漂っている時のフィーリングは、な~んか不思議だったなあ。ここはどこの惑星やねん、という未知感と同時にどこか懐かしいような既知感。その両方が交錯したなんともいえない感覚。

 もっともそれがカヤックトリップの醍醐味なんだけどね。

 いつも不思議に思うんだけど、カヤックで海に浮かぶとその瞬間、過去にカヤックトリップで訪れた色んな場所の感覚的記憶がバーっとフラッシュバックしたりします。なんて言うのか、まるでトリップ記憶貯蔵庫みたいなところにコンセントが繋がる感じ。

 マシーラ島最南端部の岩礁地帯は和歌山・潮岬(しおのみさき)灯台下の岩礁地帯(大倉島)あたりの表情とすごくよく似ていた。まあ、黒潮ぶち当たる潮岬のほうが遥かにスケールがでかいんだけど、潮岬の外海のゾーンってのもかなり異次元感濃ゆいわけだし、飛行機とレンタカーとフェリーを使ってはるばるやってきたというよりも、まるで潮岬の海の底からマシーラ島までポーンとワープしてきたような錯覚に陥った瞬間がありました。要は雰囲気というかオーラ感みたいなものがすごく似てるってことかな(オーラって言葉いやだけどね)。

 ま、説明は難しいけど、そういう似てる感じの場所ってのにもカヤックに乗ったらすっごく敏感になるようだ。以前行ったことのある場所の感覚と、今ここに身を置いている体感。時空を隔ててその両者が自分の身体の奥で響きあうような不思議な体験。たとえて言うならウリ二つの生き別れた兄弟が自分の身体の中でものすごく久しぶりに「こんにちは」と再会した感覚・・・、ん~、なかなか変な表現だなあ。まあ、カヤックってすごく五感を敏感にさせる乗り物だからそんな感覚になるんだけど、そんなのもカヤックトリップの醍醐味ですね。

 というわけで、そんな感じで生きている間に世界中あちこちカヤックトリップし、自分の「感性の世界地図」を描いていきたいと思います。

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↑ 写真上2枚がマシーラ島最南端の岩礁地帯から見る南海上。一方、↓写真下2枚が本州最南端、和歌山・潮岬大倉島近辺から見る南海上。もちろん両方の海でカヤックを漕いだけれど、なんか雰囲気がめっちゃ似ているなとフラッシュバックしました。

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マシーラ島1・デジャヴへの道

2009-04-25 00:51:54 | オマーン&UAE編(南アジア&アラビア半

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※オマーン、UAE編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

 オマーン東部の離島・マシーラ(masirah)島はかなり異次元な感じの場所だったなぁ。雪のような真っ白な砂漠もブッ飛んでたし、だいいちこの島に身を置いている時の感覚、カヤックで海上を漂っている時のフィーリングが、な~んか違った。「いったいここはどこのプラネットやねん」って感じ。やはり地球はでかいなと思いましたね。

 で、まずはそこに至るまでの道筋の話。

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↑ アラビア半島最東端・スール地方からレンタカーをぶっ飛ばして砂漠のハイウェイをひた走った。窓を開け放って走るのが気持ちよかったです。ちなみにオマーンは夏は気温50℃までも上がったりするのですがぼくが行った1、2月は最高気温25度、最低気温20度って感じ、日本で言うと10月の初めくらいの感じで、すっごく過ごしやすかったです。50℃はすごいよね。大地が歪みそう。

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↑ 太陽光線による逃げ水現象がすごかったですね。下の砂漠の写真なんかは潮が満ちこんできた干潟のように見えますが、ある程度近くまでいくとまるで幻のようにというか、生意気な悪魔におちょくられているかのようにサーっと消えていきます。子供の頃アラビアンナイトのお話の中なんかで、ジン(精霊)の妖術でカラカラに乾いた砂漠に幻のオアシスが出現したりする場面があったのを思い出します。で、旅の一行が喜んで近づくんだけど、ある地点まで寄るとパッとオアシスが消え、そこにひたすら広がるのはひび割れてカラカラに干からびた大地のみ・・・、といったシーンをよく見たものです。それを見て子供ながら「なんて子供だましな話やねん~」と思ったものですが、やはりガキのオレは青かったな。実際、パッと消えるんですよ、急に、パっと。まるで意思をもったようにね。

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↑ いつのまにか風が強くなってきて、あたり一面砂だらけに。内陸の砂漠から吹く風。車の窓を開けているといたるところに砂が侵入するし、目もあけられなくなる。

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↑ 「shanaa」という、マシーラ島へ渡るカーフェリーの出ている村の近くにある塩田。水平線というか地平線の彼方まで塩。最初地図を見ただけでは、このshanaaのあたりは入り組んだ海岸地形になっていてカヤッキングにも面白いかもなと思ったけれど、さすがにこれでは漕げないね。太陽光線に照らし出された塩の結晶が美しい。

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↑ shanaaの船着場。ここからマシーラ島へのカーフェリーが出ている。

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↑ けっこう釣りしてる人が多かった。アラブ民族衣装に釣り竿というナイス・マッチング。

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↑ マシーラ島へのカーフェリーのデッキにて。シンドバッドの末裔って感じの高校生くらいのアニキたち。

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↑ マシーラ島の玄関口に到着。島の町エリアはここだけである。

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↑ しばらく車を走らせると出てくる、マシーラ島特有のスノーウィな砂漠。マシーラ島は車で約半日で一周できる。

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ムサンダム半島4 プラネット感覚

2009-04-21 12:21:18 | オマーン&UAE編(南アジア&アラビア半

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※オマーン、UAE編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

 ペルシャ湾というとまず湾岸戦争を思い出すが、当時テレビのニュースなんかでロケット弾が花火のように行きかう夜空の映像が頻繁に映し出されたりすればするほど、まるで現実感がなかったことを覚えている。またここホルムズ海峡も、きなくさい国際情勢と絡めて知識として知ることはできるが、リアルにイメージすることなど困難だ。

 ペルシャ湾とアラビア海とを結ぶ海域の中でも、最も海が狭くなるここホルムズ海峡。マス・メディアで触れる知識とは裏腹に、というかそんな世界情勢などどこか別の惑星での出来事にすら思えるような、この沿岸べりに生活する庶民の、の~んびりゆったり流れる平和な日常。その、たぶん1000年ほど大昔からさほど変わらぬ、悠久の時間を垣間見ることができて面白かった(詳しくは前記事参照)。そしてむき出しの身ひとつでカヤックに乗り海上に出るとさらに、万年とか億年単位もの悠久の時間を生きるイルカ、ウミガメ、サメ、マグロなどさまざまなダイナミックな海洋生物に出会い、その生々しい躍動感に肉薄することができて、ワンダフルだった。

 カヤックに乗ってトリップしてると自分もだんだん海洋生物になったみたいな感覚になってくるけれど、そんな中で彼らのような野生の海洋生物に出会うと不思議な親近感が湧く。といってもこっちが勝手にそう思い込んでいるだけなんだろうけどね。でも、連中の生命の躍動感というのか、そのエネルギッシュなビート、鼓動とこちらのハートとがシンクロするようなリアルな瞬間ってものがやはり、ある。で、ぼくはそんな感覚に浸りつつ、同時に湾岸戦争のロケット映像のような非現実感のことに想いを巡らせたりもした。

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↑ ホルムズ海峡にはイルカが多い。徐々に観光に門戸を開き始めているここムサンダム半島では、ドルフィンウォッチングがひとつの観光の売りともなっている。背後から突然現れ、カヤックの周りを飛んだり跳ねたりして遊んでしばらくすると、またどこかに消えてゆく気ままな連中。なお彼らはカメラを向けると姿を消すという性質も持っているようだ。

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↑ クムザール沖で見かけた鳥山。でっかいキハダマグロに追われて逃げまとうイワシの群れがこの下にいる。また何度も何度もカヤックの周りでキハダマグロがジャンプするエネルギッシュな姿を見ることができて興奮した。こういう水面の状態を「ボイル」というが、ぼくの心の中でもその躍動感が吹きこぼれるようだった。この写真、クリックしてよく見るとマグロが身体を翻してる姿映っているので見てみてください。

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↑ 特にオマーンの軍事基地近くには 物凄い浅瀬までサンゴが展開されている場所が続いていた。

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↑ ウミガメにもしょっちゅう出くわした。目があったりもするけれどたいてい「なんなんだこいつ」みたいな顔してノッソリ海の中に帰っていく。

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↑ こいつはサメ。と言っても人食いではなく、小魚などを食べて生きているスポテッド・シャーク。海岸ギリギリのきわで、エサをあさっていた。こんなところにサメがいるなんて・・・、「気に入った!!! 」ということでこの浜に上陸し、テントを張って一夜を過ごすことにした。

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↑ いろんな荷物が微妙に濡れていたので乾かす。

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↑ 砂漠の砂嵐から3,4日たってもまだモヤが消えない。たぶんアラビア海からの海風が入らないとしばらく消えないのだろう。

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↑ 広い空間にたったひとり。よく「さみしくないの?」と聞かれるけれど、自然の中にいると、孤独感はあるけれど寂しさ感はほとんどない。それより夜空は凄いし、潮騒はじぶんを包み込んでくれるように気持ちいいし、ウミガメやサメもいるし、うれしいような心地よいような高揚した気分がずっと続く。また夜になるとテントの周りにキツネが寄ってくるのだが、ヘッドライトを照らすと暗闇の中に赤い小さな目が二つ光り、こちらをじーっと見つめる。 そいつを見ているとなんともいえない感情が交錯して、胸がキューンとしてくるのだった。

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↑ カヤックで4日も5日も連続して海を旅し、大地で眠っているとやがて、無生物である岩山も生きたもののような存在感を持って感じられ始める。いわゆるひとつのプラネット感覚。


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ムサンダム半島3 クムザール

2009-04-21 08:46:04 | オマーン&UAE編(南アジア&アラビア半

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 ※オマーン、UAE編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

 ペルシャ湾からアラビア海に抜ける際に最もせまくなるホルムズ海峡に面したムサンダム半島。岩山の断崖絶壁がひたすら続いていく海岸線だけに一度荒れるとえぐいクラポチス(返し波)がガンガンに発生しドエライことになるのでいつまた強風が吹きだすか常に恐れながらも、入り組んだ深い湾にはいり込んだり途中でシュノーケリングしたり色々遊びつつ、3日がかりでようやく最果ての村・クムザールにたどり着いた。ちなみにこの海岸線は近くにオマーンの軍事基地がありまた潮の流れが速い場所で、それゆえ手つかずのシュノーケリングスポットが多く、特に半島の最先端周辺は浅い場所まで生き生きしたサンゴ礁が展開されていて凄いことになっていた。

 さらにホルムズ海峡を40キロほど漕いで渡るとイランに行きつく。ちょうど紀伊水道を和歌山から徳島まで渡るよりも短い距離なのでカヤックでも渡ろうと思えば全然渡れる。もちろんそんなことするとさすがにヤバいので渡らないけれど地元の商売人たちは毎日のようにパスポートなしでイランとこのムサンダム半島とを往復して取引している。一応密貿易にあたるけれど誰もそんなこと気にしない、もちろんオマーン軍も警察も知っているけれど全く意に介さない。おそらく1000年以上前から続く、まるで日本人が毎朝味噌汁を吸うようなのと同じノリの、平々凡々たる日常の風景なのである。そういう連中はハッサブの港でも見たし、海上でも頻繁にすれ違った。ここですれ違う連中はイラン人だろうとオマーン人だろうと漁師だろうと商売人だろうとみんなフレンドリーで、こちらを見ると必ず手を振ってくる。近寄ってきて魚をくれた人もいたし、イランまで乗せってってやるからカヤックごと乗って行け、なんて普通に言ってくるおっさんもいた。非常に面白いなと思った。

 日本で「ホルムズ海峡」って聞くと、ほとんどきなくさい話しか耳にしない。反米のイラン政府あたりが怒って海峡封鎖するとペルシャ湾を行き来する原油タンカーが行き来することができなくなる。で色々状況が連鎖的に巡り巡ると、最悪第三次大戦の火種になるとか、核戦争がもし起こるとすれば突端はこのホルムズ海峡に端を発することになるだろうとかいろいろ恐ろしげな話もしばし耳にする。しかしそこに住む普通の庶民の日常はの~んびりゆったり流れていてなかなか他の場所では見ることのできない平和感が漂っていた。ソマリアやマラッカ海峡のように海賊も出ないしね。

 ムサンダム半島の再果て、陸の孤島・クムザールに無事たどり着くと、ガキどもが珍しそうにぞろぞろ集まってきた。次に若者、次に中年、つぎにジイサンと寄ってきた。確かに陸の孤島だけれど英語がある程度分かる人も多い。日本から来た、ハッサブからこのカヤックで漕いできたというと、「まあまあお疲れ様でした、こちらへどうぞ」という感じで浜の横の村人寄り合い所みたいなところに案内され、おまけにご飯まで出してくれた。カレー味に焼いたアジのような魚が乗ったビリヤニ(焼き飯)にサラダ、腹が減っていたのでものすごくうれしかった。

 で、その一連のホスピタリティの流れがすごくナチュラルで、前々回の記事でも書いたようにやはりここは大昔の海のシルクロードにおける道の駅のようなところでかつ陸の孤島なだけに、その時代のエッセンスの断片みたいなものが未だにどこか残っているのかなあと思ったりした。もっとも、これがカヤックのような個人的な手漕ぎ舟だからそうなるのである。観光船やクルーザーで行ってもよそよそしいだけなのにカヤックならば不思議な親近感を生みだすことができたりする、というのは日本の海岸線で数々経験づみだ。カヤックという古くて新しい舟が生みだすマジックフィーリング、おおげさに言うとその土地の精霊を呼び覚ますフィーリングだ。ぼくの心の中で1000年前のこの「海の道の駅」を行きかう人々の活況がパンパンパ~ンとフラッシュバックした。ああ、カヤックトリップほど面白いものはない。

 さて、さまざまな出自の人たちが往来した名残が真空パックされたクムザール語・・・、英語、ヒンドゥー語、スワヒリ語、アラビア語、ペルシャ語、ウルドゥー語など多言語のミックスしたこの地独自の言語というのは、そもそもぼくがアラビア語が全く分からないので比較しようがないけれど、確かにニュアンスが違う不思議な響きのする言葉だった。一瞬英語に聞こえる単語、フレーズなども耳についた。なお、顔つきも普通のオマーン人やアラブ人とちょっと違うというか、南アジア系が入っている面構えの人が目についた。日本人みたいな顔したガキもいたし、「ドラゴンボール、スーパーサイヤ人」と日本語で書かれたTシャツを着たガキもいた。それらガキどもと仲良くなり、指を組み合わせて作る猿とかサメの形を教えたり、日本の名曲「カエルの歌」を教えたり、カヤック遊びしたりしながら2時間ほど遊んだあと、再びクムザールを後にした。あんまり長居せずそれゆえ自分の胸に刻んだイメージをそのまま真空パックして持って帰ることができたのだった。

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ムサンダム半島2 砂漠の嵐あと

2009-04-21 01:30:14 | オマーン&UAE編(南アジア&アラビア半

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※オマーン、UAE編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

 丸一日中、陸風つまり砂漠からの強風が吹き続けたあと翌日は一転、ほとんど風のない穏やかな日になった。大気中に砂の粒子が溜まり、モヤがかったような景色の日がしばらく続いた。

 オマーンの飛び地、ムサンダム半島は複雑に入り組んだリアス式海岸になっていて岩山、断崖絶壁が次から次へと出現する。で、その出現の仕方がちょうどモヤの中からいきなりヌーっと現れ出てくる感じなので、なにか超巨大な恐竜とか巨人とかそんなようなとてつもない存在を連想させたのだった。写真では迫力や臨場感が出ないけれど、現場では実際すごかったぜ。

 岩山のような巨大無生物のみが放つ、生命感。

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 ↑ 砂塵という幻想的なベールをまとうことによって、岩だらけで無生物的な感じの山々が、まるで巨大な生き物のように見えたのだった。

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↑ 800m級の岩山のすぐふもとにある村。

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↑ そこに上陸して休憩。切り立った岩山の真下にある遠近感というか臨場感がぶっとんでいた。

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↑ ハッサブから出艇して複雑な湾になったシム・ガルフの中まで入っていきあちこち漕ぎまわったあと、最先端の村・クムザールを目指しつつ途中にあった広い浜に上陸し、テントをたてた。

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↑ モヤの中の夕陽。

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↑ 貴重な流木でたき火をする。

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中東のノルウェー・ムサンダム半島1

2009-04-18 00:23:25 | オマーン&UAE編(南アジア&アラビア半

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 ※オマーン、UAE編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

 アラビア半島最東端スール地方をカヤッキング、ドライヴィング&タートルウォッチングしたあと砂漠のハイウェイを500キロほど飛ばしフェリーを乗り継いでマシーラ島(masirah)という所にカヤッキングに行ったんだけど、そこの景色すっごいヤバくてあとあと写真をズラーっと並べたいので先に、その後に行ったオマーンの飛び地「ムサンダム地方」の話をこれから何回かに渡って綴っていきたいと思います。

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↑ さてこのグーグルアース地図をクリックしてもらって右にオマーン、左にアラブ首長国連邦がありますが、そのアラブ首長国連邦の上の方に「ラス・アル・ハイマ(首長国のひとつ)」と書いてあるところがあるかと思いますが、さらにその上の岬的な部分がオマーンの飛び地であるムサンダム地方になります。さらに下の拡大図を見ると・・・、

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↑ 中東のノルウェーと呼ばれる、入り組みまくったフィヨルドが続いています。左の方にポーンとひとつ突き出た岬があるかと思いますが、そのすぐ右の付け根のところにKhasab(ハッサブと日本語では表記されているがどう聞いてもカッサブと聞こえた)という町があって、そこまではドバイから道が続いていますが、その先に道はまったくありません。ほとんどひたすら無人の岩山と断崖絶壁が続くんだけれど、ところどころに船でしか行き来できない小さな村落があったりもします。時折無人の砂浜なんかも出てきます。ま、見るからにカヤックで漕ぎたくなってくる場所ですね。 で、このムサンダム半島の一番先端に「クムザール」という変わった村があります。

 ぼくはこのたびハッサブからクムザールまで漕いで帰ってくる4,5泊のカヤックトリップを企てました(片道で40~50キロほど、途中で入り組んだう湾の中に入って遊んだりする。テント泊)。

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↑ この図の右の方の入江の奥のちょうど青白いポイントがポツポツ並んでいるところがクムザールとなります。全く陸の孤島で、「なんでこんなところに3000人ほどの人が住んではりますねんオッサンよ」、と普通思いますがそれはこの陸上に道路網が発達した今の時代だからそう思うわけであって、よくよく考えてみると逆に数百年、千数百年前という単位の昔になると陸上に道などなく船で行き来する海のみが国境をまたいだハイウェイだったことに着目すると、この場所は地形的に「道の駅」のように賑わう存在だったことが容易に想像できます。今は閉ざされた僻地であるけれど昔はヒト、モノ、カネ、フネが行きかうハイブリッドな場所だったということです。今は僻地、昔はターミナル駅・・・、ということでここの住人はたぶん当時の人たちが定着させたのであろうあらゆる出自の言葉がミックスしたごちゃまぜ言語・・・、英語、ヒンドゥー語、スワヒリ語、ペルシャ語、ウルドゥー語などが入り混じった独特の言語を数百年隔てた今も未だに日常で使っている、と色んな本などに書いてあります。そこに海洋交易時代のエッセンスが真空パックされているのかもしれません。シンドバッドの冒険とかそういう世界もね。

 そこのところ、ものすごく興味深いなと思いました。特にオマーンの人って異文化、他者にすごく寛容というか、親切だったりするところがあるんですが、その感じがすごくナチュラルなんですね。といって自文化を失くしちゃってるのかといえば全く逆で、自国に誇りを持っているというか、かなりのプライドの高さを色んな所作の端々に感じます。それは歴史的に交易で栄えた国だからかもしれないし、またその古いエッセンスがクムザールという僻地に残っててそれが垣間見られるかもしれない・・・、まあ分かんないけれどとにもかくにもカヤックフィールドとしても興味あるしな、ということで、ちょっくらカヤック漕いで行ってみることにしました~。

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↑ ドバイから車ぶっ飛ばして3時間ほどでハッサブに行けますが、海ぎわの断崖絶壁を無理やり通した道なので、たまに落石、落盤などがあったりする。

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  ↑ ハッサブあたりには平地があるけれどそれを過ぎると岩山、断崖絶壁が続く。そして道がなくなり、船でしか往来できないエリアに入る。

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↑ 着いた日はすごくいい天気でさあ明日出艇だ、と思いきや、

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↑ 次の日、全く同じ場所がこんな感じで荒れまくっていました。断崖絶壁の際ではぶち当たって沖に戻っていく返し波とさらに沖からの波が合わさって、とんでもない三角波が起こります。それを「クラポチス」と言いますが、さらに強力なやつは「ハイスピード・ジッパー・クラポチス」と呼ばれ、カヤックなど簡単に吹っ飛ばされることがあります。ずーっとひたすら断崖絶壁の海岸線、実はこの日、朝わりと穏やかで行こか行くまいか迷ってたんだけど仮にこの日出艇してたらもう今ここでこうしてブログを書いてるなんてこともないだろうね。ムサンダム半島のカヤックトリップ、さて、どうなることやら(つづく)。


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スール地方・2 グリーンタートルの夢

2009-04-14 16:50:17 | オマーン&UAE編(南アジア&アラビア半

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※オマーン、UAE編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

 アラビア半島最東端に位置しウミガメ(グリーンタートル)の産卵で有名なRas Al Jinzの近くの、Ras Al Hadd周辺でカヤッキングした。もちろん産卵保護区は外している。

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↑ 道端に車を止め、フォールディングカヤックを組み立てて出艇。

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↑ 何度か海上でウミガメに出くわした。 

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↑ なかなか絵になる砂浜が次々出てくる。マスカット周辺の海もなかなかだが、遠く離れると海水の質もさらに素晴らしくなる。

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↑ 荒涼とした大地と青い海。この子犬は上陸して散歩しているとずっとついてきたやつ。かわいいけれど狂犬病を持っている可能性があり、海外ではむやみに動物に手を出さない方がよい。

 心地よいワンデイ・カヤッキングを終えた後、夜のウミガメの産卵観察ツアーに参加するためにRas Al Jinzのサンクチュアリに向かった。途中で道が分からなくなったので大衆レストランに入り従業員のニイチャンに行き方を教えてもらう。ついでにビリヤニという焼き飯を注文して色々話をしているとどうやら彼はインド、パキスタン、中国の国境をまたぐカシミール地方からの亡命者であることがわかった。UAE(アラブ首長国連邦)やオマーンにはインド、パキスタン、バングラデッシュ系の移民や出稼ぎ人がたくさんいるけれど、カシミール地方出身者に出会ったのは初めてだった。ジェントルな物腰で、やさしげな笑みをたたえた感じのいいアニキだったが、それゆえにカシミール紛争で親・兄弟を殺された話をする時にも絶やさないその達観したような微笑みが一層悲しく映り、ぼくはとても胸が痛んだ。さっきまで道が分からないくらいで少々いらついていたぼくの、その下らなさを恥じた。そして気ままにどこへでも旅することのできる恵まれた日本人であることにかたじけなさを覚えた。しかしだからといってカヤックトリップのモチベーションは揺らぐことなく、一瞬一瞬をもっと大事にしながら、さらによりよいカヤックトリップをこれからも続けていこうと思った。そしてアイランドストリームのカヤックツアーをもっといいものにしようと思ったのだった。

 Ras Al Jinzのウミガメ産卵観察ツアーは夜9時半から始まる。年間二万頭ものグリーン・タートルが産卵しにくる浜で、環境意識の高いオマーン政府が守っているサンクチュアリである。日中は立ち入り可能だが、産卵が行われる夜間はガイド同行でなければ入ることができない。産卵時のウミガメは神経質なのである。ぼくのほかにオランダ人、ベルギー人、カナダ人、ドイツ人、スウェーデン人計9名の参加者を、サイードさんという巻き舌英語が耳に残る35歳くらいのごついアンチャンのガイドさんが案内してくれた。満天の美しい星空の下、潮風を浴び波の音を聞きながら、甲長1mちょっとあるグリーンタートルの産卵を観察した。気付かれないように背後にまわり、産み落とされた十数個の卵に赤外線ライトを当て、サイードさんのひそひそ声の解説を聞き、ぼくらはひそひそ声の質問をした。潮騒の間から立ち上がってくるようなみんなのひそひそ声が不思議にチームワークというのか、バラバラの国籍の者同士の一体感のようなものを作り出していた。和やかで、なかなかいい夜だった。

 ここのグリーン・タートルはアラビア海からインド洋、アフリカ、南極・・・、全世界のウォータープラネットを旅し、数十年後再びこの浜に戻ってくる。人間が生まれるはるか昔、アンモナイトや三葉虫が海底を這いまわっていた二億年も前から、このプラネットアースを旅し続けているわけだ。昔、スティングに「ブルー・タートルの夢」という、凄腕ジャズマンが多数参加したなかなかの傑作アルバムがあって、ぼくはよく聴いたものだった。で、それを意識してかせずしてかぼくはカヤックを漕ぎながら海上でウミガメに出会うと、その生々しさと非現実な感じとののギャップを覚えつつ、「いったいウミガメってどんな夢を見るのだろうか」とよく連想したりするようになった。トリップフィールドであるプラネットアースのとてつもない空間的広がりと、先祖代々生き続けてきた長い長い時間軸、その思い出が見させる夢。ウミガメの身体そのものがいつも何か夢見てるようなドリーミーなシェイプをしているともいえるわけだし、シーラカンスや首長竜、ブロントザウルスとかネッシー、ゴンドワナ大陸とか超パンゲア大陸、人をおちょくったように発光するイカやファンキーな色彩を放つエビ、満月の夜に妖しく光る穏やかな海面とかクジラが奏でる音楽など、いろいろカラフルな夢を見るんだろうなと思う。

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↑ グリーン・タートルがやってくるRas Al Jinの海岸線。

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↑ このキャタピラのような模様は、産卵を終え海に帰っていく母ウミガメが手足をパタつかせてできた足跡。

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↑ この穴ぼこも産卵の際に作られたもの。卵はさらに2mほど地下に埋められているので日中は浜を歩いても大丈夫。

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↑ 長い長いぼくの足。

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↑ アラビア海は魚の宝庫であり、オマーンでは漁業が非常に大切にされている。早朝のフィッシュマーケットをのぞいたりするのもとても楽しい。けっこう日本でもよく見るような魚種が大半を占めている。


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ドライヴ・スール地方1

2009-04-14 10:32:21 | オマーン&UAE編(南アジア&アラビア半

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 ※オマーン、UAE編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事

 マスカット・マトラ地区には銀製品やアクセサリーを売る土産物屋や民族衣装やスカーフを売る店、お香や香炉、手芸品、日用雑貨まで売る店がひしめく「マトラ・スーク」という迷路のような市場があるが、そこをふらふらと迷いながら歩くのが非常に面白い。そこここで漂うインセンスのエキゾチックな香りと相まって、昔ながらのアラビアン・テイストを連想させる味わい深い空気感があった。買いたいものがいっぱいあったが、フォールディングカヤックというでかい荷物を持ってるので断念。船便で送ればいいんだけどそれもまた一日仕事になるので面倒だし、またの機会にいろいろ買い付けにいきたいなと思う。、

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↑ オールド・アラビアンの空気感もあれば、ルイ地区にはなんとダイソーもある。600バイサだから180円くらい。日本よりも高い。

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↑ オマーンは車社会で列車もなく、またバス網もあまり発達していないので、マスカット近郊ならばいいんだけど遠出するにはレンタカーを借りるのが一番だ。トヨタのYARISという車を借りてアラビア半島最東端のスール地方に行きカヤッキング&ウミガメウォッチング三昧することにした。

 なお余談だけどYarisというのは日本のVitzと同じ車種。日本で「ヤリス」というのはなんとなくやらしい響きで語呂がよくないということ、一方、海外で「ヴィッツ」というとこれもまた「小さい男性器」という意味になるということで、シモネタ性を回避するため日本では「ヴィッツ」、海外では「ヤリス」と分けて呼ばれることになったらしい。

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↑ マスカットからスールまで、新しく開通した海岸道路をひた走る。素晴らしく眺めがよい。

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↑ 海岸ハイウェイからちょっと脇道に逸れて沿岸にまで出てくると、渋~い昔ながらの村が出てくる。ゆっくり車で通りを流すと、なんというか旅情感が色濃く出てきて、胸がキューンとしてくる。

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↑ スーツまでの道中に出てくるワディ・シャーブというオアシス。オマーンにはこれといった河川がなく、こういうオアシスは非常に貴重で、庶民のいこいの場にもなっている。ワディ=泉のこと。

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↑ 海岸ハイウェイを時速140キロくらいでぶっ飛ばすと、スールの港町に出てくる。ちなみにオマーン人は普段は温和だがハンドルを握るとスピード狂に豹変する人が多く、120キロくらいで走ってると「遅いぞオラ」みたいな感じでケツを煽られる。

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 昔ながらのダウ船の造船所で有名なスールにはラグーンのような入江があって、その中では干満の差が激しい。この写真はちょうど潮が引いたところ。潮が満ちると出船できる状態になる。

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↑ 対岸のアイガ村へは小さな渡し船でわたる。ひなびた感じが風情ある漁村。時間が止まったようなのどかな船揚げ場。

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↑ 純白の建物やモスクの幾何学模様と青い空とがマッチして鮮やかだ。

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↑ スールの町を過ぎ、さらに海岸道路を走っていくと、砂漠と岩山の無人の荒野が出てくる。ひたすら続く砂漠の一本道を走り続けるのは爽快だ。時々ラクダにも出くわす。

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↑ ところどころに侘びた感じの漁村が出てくる。造船の進み具合をチェックしている漁民。 

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↑ 砂漠と海が密接した海岸線が続く。

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↑ このあたりは広大なワヒーバ砂漠の端っこになるので、場所によって見事な砂漠が展開される。

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↑ 砂山のふもとでテントを張って眠る。テントから顔だけだし、星空を眺めながらすごいなあすごいなあと思っているうちにいつのまにか眠ってしまった。


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マスカットの海・2

2009-04-14 07:31:34 | オマーン&UAE編(南アジア&アラビア半

※オマーン、UAE編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事

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マスカットからさらに車で30分ほど行くとQantab、Bandar khayranといった、カヤックにも最高の入り組んだ地形の場所が出てきます。下のグーグルアース図の右の方ですね。ここも大変気に入りました。

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↑ 岩山に登って海を眺めくつろぐオマーン人。

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↑ 無人の岩の島がところどころ出てくる。

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↑ トンネルの向こうに海面から背びれだけ出してるサメを数匹見つけた。サメと言っても人を襲わないやつ。

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↑ yitiというところの岩肌と砂浜。ここのこの眺めはなぜかよくガイドブックに出ている。

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↑ 広い砂浜でお昼休憩。

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↑ 岩山の断崖絶壁と民家。写真ではなく実際に見るとものすごく迫力のある景色。こういうのの臨場感って、写真がもっとも苦手とするものではなかろうか。

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↑ Bandar khayranという入り組んだ無人の湾の外側には魚が気持ち悪いほど湧いてバシャバシャとボイルしている場所があった。そのあたりの岩肌。

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オマーン・マスカットの海 1

2009-04-14 00:42:49 | オマーン&UAE編(南アジア&アラビア半

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 ※オマーン、UAE編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事

 アンダマン・ニコバル諸島からチェンナイに再度戻り、チェンナイからムンバイ、ムンバイからUAEのドバイ、そこまでは飛行機を乗継ぎ、そしてドバイから早朝発のオマーン・マスカット行きのバスに乗って砂漠の道をひた走り、ようやく首都マスカットは海岸線の街・マトラ地区にたどり着きました。翌日マトラ地区の海岸プロムナードから出艇、小一時間漕ぐと上の写真のような入江が出てきました。オマーンは海の美しさでも知る人ぞ知る国ですが、首都圏にしてこの透明度。

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↑ アラビアンナイトのシンドバットが船出した地であるオマーンは大昔は海洋国家として大いに栄えましたが、近代化に遅れ、1970年頃までの前国王時代、舗装道路が10キロで、学校が3校たらずという貧窮極まるありさまにまでなり下がりました。それが現在のカブース国王が即位してから一転、近代化に成功し、めざましい発展を遂げました。というわけで発展してそれほど時が経っていないこと、産油国なので工場が少なく、工業廃液などが流れ込まないこと、また国の戦略として環境に非常に気を遣っているなどの理由から、近代国家の首都の海とは考えられないほどきれいでした。

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↑ 植物のはえないごつごつとした岩山が、日本とは正反対で新鮮でした。

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↑ マスカット近くの海沿いの漁師の村。

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↑ さんごも多い。マスカット周辺はダイビングでも人気。

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↑ ごつごつした岩山のそばのモスク。海から見ると一層異国感がありました。

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↑ どこまで行ってもワイルドな岩山。

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↑ 漕ぎ疲れたら美しい入江で休憩。

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↑ 気ままに行けるところまで漕ぎ、テキトーな場所に上陸し、カヤックを折りたたんだあと、ヒッチハイクして再びマトラ地区へと戻りました。オマーンは治安が抜群によく(たぶん日本よりいい)、何の心配もなくヒッチハイクできるのがいいです。オマーン人は温和、フレンドリーで、そして何より異文化に対する寛容性と同時にオマーン人であることの誇り、その両方を持って生きている感じが空気感として伝わってきます。ぼくは初日からすぐにオマーンが気に入りました。そして、これまで訪れた中でも最も好きな国のひとつとなりました。

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↑ これはUFOではなくお香を炊く香炉を模したモニュメントです。オマーンは、かのクレオパトラをも魅了し、またキリスト生誕の時、東方の三博士が贈り物として捧げたものの一つでもある「乳香(frank insence)」の名産地でもあり、町を歩くとあちこちから何とも言えないエキゾチックなかぐわしい香りが漂ってきます。あんまり日本でかいだことのない、魅惑の香りです(ちなみに大昔には乳香は金銀より価値のあるものだったようです)。オマーン人は乳香その他いろんなお香をミックスして室内で炊き、それを民族衣装に染み込ませている人も多く、すれ違うゴツイオッサンなんかでも、えもいわれぬ魅惑の香りを発していたりします。

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↑ 夜にライトアップするとこうなります。UFOそっくり。

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↑ もともと砂漠の殺風景な景観なので、街路には色とりどりの花が植えられ、きちんと手入れ、管理されています。

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↑ モスク型モニュメントの上に出た星。

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↑ モスクの上のこの三日月が、いい。   

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↑ ライトアップされたオールド・マスカットからマトラ地区への通り。

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↑ マスカット・マトラ地区の夜景。

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↑ 海沿いのプロムナードでは夜まで市民がくつろいでいます。あくせく、ギスギスしたところが感じられない、温和な感じのする街です。


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