先日、大阪万博公園内の国立民族博物館でやってた「オセアニア大航海展」を見に行った。
今年はホクレア号もやってきたし、太平洋の航海カヌー文化への一般的関心も徐々に高まりつつあるようだ。
広い広い太平洋を航海して各地に移住していった太古の人々。航海機器を一切使用せず、五感を総動員した天体観測や自然観察によって進路を定めていくというその原始航海術の面白いところは、何千年にも渡って世代ごとに継承され少しずつ技術が高められていったところだ。もちろん最初は船の形すらあるはずもなく、きっとただただ水平線の向こうにいってみたいという狂おしいまでの願望だけがあったのだろう。そいつが太平洋の航海カヌー文化を貫くDNAだ。
ホクレア号もそうだし、今回の展示会のような形でその文化に向き合うと、彼らの先祖が最初に胸に抱いた「未知なる世界に対する夢のような熱情」が、時空を取っ払ってリアルに目の前に現出するかのようだ。そして同じような熱情めいた何かが自分の胸の奥にも潜んでいるということに気づく。