プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

メルギー諸島・ミャンマー

2016-02-15 22:31:54 | 旅行

現在、ミャンマーのメルギー諸島に来ています。
八百以上島がある多島海だけど長く続いた軍事政権ゆえにほとんど開発されず、ホテルはまだ一軒もない。外国人訪問者に門戸が開かれたのもここ1、2年の話。ぼくは10年くらい前からずっと、いつかここの島々をカヤック&キャンプしながら渡り歩きたいと思っていた。

結論から言うとまだ自由な旅は時期尚早。
スピードボートで島を巡りシュノーケリングするような「デイツアー」でのみ、訪れることができる。まだ軍事政権の色は残っていて、自由に漕ぎ回ったりキャンプなどして見つかったら即、捕まる。ここの国の軍人は、底知れぬ不気味さをもっている。

昨日おとといと、実はローカルのツアー会社主催で1泊2日で島々を巡ってシュノーケリングし、島に住んでいる「モーケン人」というシージプシーの集落で一泊できるというツアーがあり、即申し込んた。フォールディングカヤックを持ち込み、休憩時間にちょびっとだけカヤッキングしたりした。で、モーケン人の集落で宿泊する段になって急に、観光省の役人から連絡が入り、外国人は宿泊不可能という話になった。で、ぼくら外国人9人は出航した港に戻って村に泊まることになった。しかし村に戻ったら今度は、その村には外国人を泊めるライセンスがないので、さらに車で三時間程移動してコータウンという町のホテルで泊まれということになった。疲れていたぼくらはしだいに腹が立ってきて「やなこった、この村で寝る」と突っぱねた。ドイツ人、イギリス人、オーストリア人、デンマーク人に日本人のぼく。特に白人連中は言いだしたら聞かない。何時間か問答しているうちにやがてツアー会社のニイちゃんが泣き出して、土下座みたいなカッコして「頼むから町のホテルまで来てくれ」と懇願し始めた。

まあぼくらはしばらくしたら各自の国に帰りやがて過去のことになるけれど、ローカルのツアー会社の彼らはここの役人とずっとつき合って行かなきゃ商売を続けられない。すごく申し訳なく思えてきて彼らに従ったのだったが、この国の軍人とか役人とか、やはりまだまだ相当恐ろしいのだろうという臨場感が、このツアー会社のニイちゃんの泣き崩れ方から伝わってきた。そして、政府や軍の利権がらみの腐敗臭もぷんぷんした。

だけど少しずつ変わって行くだろう。数年後地元のツアー会社とコラボして船チャーターしてアイランドストリームとしてカヤック、シュノーケリング、釣り、キャンプを組み合わせたツアーを開催しようと思ったのだった。
やばいほど美しい島々が隠されている。


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