プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

本州一周中の若者

2017-12-13 09:59:28 | 日記



シーカヤック本州一周中の飯山君という青年が当店に立ち寄り中。

今年のゴールデンウィークに神奈川の小田原を出発し、太平洋を北上。福島原発周辺はパスして三陸から津軽・竜飛岬を回って日本海へ。そこからひたすら南下し、下関から関門海峡を抜けて瀬戸内海に入る。そのまま瀬戸内カヤック横断隊に7日間合流したあと、鳴門を抜け湯浅に。

シーカヤックの世界にポジティブな夢を描く若手のホープ。

先週金曜日からうちのベースで休養がてら凪待ち滞在。多分あさって金曜日に出艇して旅再開、小田原のゴールへと向かう。

というわけで、もし海辺で出会うことがありましたら、何か差し入れでもしてあげてください。面白い海旅の話を聞かせてくれるでしょう。


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滅び去った者達への挽歌

2017-12-11 13:18:26 | 新聞記事

 毎日新聞で月イチで連載中のシーカヤック記事ですが、湯浅湾編を5回終えたところで、次からは海外トリップを含む「どの場所の」「どんなことを書いても」OKということになりました。ということで今回はタスマニアの話になりましたが、次回からはその時の流れとノリで、インドの話になるかもしれないし、串本の話になるかもしれないし、タンザニアの話になるかもしれないし、五島列島の話になるかもしれない。最低2~3年連載させていただけるとのことです。
 何を書いてもオーケーというのは、やりやすいし、ワクワクするし、ありがたいことです。

 さて、今回のタスマニアトリップの話は写真記事の通りです。
 「滅び去った者達への挽歌」的な内容です。
 よろしければぜひクリックしてズームし、お読み下さい。
 なお、ズームしづらい、読みづらいとおっしゃる方のために、元原稿を下記に記しておきますのでどうぞご覧下さいませ。

 「タスマニア・アボリジニの聖地、ザ・ナット」

 オーストラリア大陸の南東海上に位置する北海道より少し小さな島、タスマニアを巡った2010年のトリップで、北西部沿岸を漕ぎ進んでいる時のこと。岬を越え、一つの島のように巨大な台形の岩山が水平線に現れた。その堂々たる風格は一目見ただけで特別な存在だと分かったが、近づけば近づくほど、厳かで神聖な雰囲気がひしひしと伝わってきた。
 「ザ・ナット」。タスマニアのエアーズロックとも言われ、その昔にはタスマニア・アボリジニの聖地だった岩山だ。「だった」と過去形で書いたのは、彼らはもうこの世にはいないからだ。過去に最大3万6千人いたといわれるタスマニアのアボリジニは、白人の入植者に滅ぼされ、1876年に地球上から完全に消え去った。そして聖地だけが残っているわけだ。
 その日は強い風波に悩まされ大変だったが、海面から見上げる「ザ・ナット」は畏怖感を放ちながらも、孤独に漕ぎ進むぼくをどこか見守ってくれているような、どっしり感があった。そう思っていると、もちろん偶然だが、風波がやんできた。
近くの浜に上陸し、頂上まで登ってみた。そこから大海原を見つめたとき、心にガツンとくる衝撃と同時に、熱くこみあげてくるものを覚えた。
 海の広大さが、めまいを伴って、よりリアルに感じられた。圧倒的な質量の、地球を青く彩る海水。その果てしなさ、寄る辺なさにおいて、宇宙そのものだと思った。ちっぽけな人間の身体にとっては宇宙も海も同様、無限の世界だ。目の前に広がる大海原が大宇宙で、足元にそびえる「ザ・ナット」は大宇宙を旅する宇宙船。そしてぼくはこの宇宙船に乗り、守られつつ、一緒に旅している。そんな錯覚に陥った。
 この「守られ感」とは、ニュアンスは違えど、タスマニア・アボリジニたちも、きっと同じように持っていたものだろう。
聖地とは、場所特有の空気感を伝えるメディアみたいなもの。そこを訪れ、カヤックという超敏感な舟を漕ぐことによって時空を超えて空気感を共有し、この世から消え去った彼らの生きた証というか、体温のようなものを感じとったのだ。
 「かわいそうに、タスマニア・アボリジニたちよ。さぞ辛かったろうよ。あんたらがこのザ・ナットを愛したように、おれもこのザ・ナットで感じたことを大事に胸にしまって、生きていくぜ。時々は思い出すぜ、こんな感じでな」


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冬でも春の雰囲気の海岸線

2017-12-10 17:56:09 | 紀伊半島カヤックツアー

 昨日は那智勝浦でのシーカヤックツアーを催行しました。

 冬でも天気さえ良ければ春のような暖かさのある洞窟、奇岩、巨石オンパレードのフィールド。
 海水にも、景観にも透明感があって、今の時期が、すごくいいんですよね。


 これから春まで、リクエスト次第で少人数でも開催可能です。
 詳細は
 http://islandstream.la.coocan.jp/nachitour.html

 


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次世代に向けて

2017-12-04 13:22:46 | イベント

 昨日、南紀・田辺湾にて開催されたイベント、『南方熊楠生誕150周年記念 よしくまアドベンチャーin神島 おそうじシーカヤック』の講師として参加させていただきました。この時期にしては珍しいくらいの穏やかな海況、天候に恵まれ、充実した一日を終えることができました。

 当店でもこの神島(かしま)での掃除、ゴミ調査目的のシーカヤックイベントは定期的に開催(詳細はこちら)していますが、今回は、
(主催)環境省 近畿地方環境事務所
(共催)田辺市
(協力)アイランドストリーム
    EARTH MATE
    自然遊学Forest

 という形で、参加者は主に田辺市に住む小学3年~6年の親子で行われました。

 朝集合した後、シーカヤックの漕ぎ方を教わり、海に出て練習した後、田辺湾の中に浮かぶ美しい無人島・神島に漕いで渡りました。そしてICC(International Coastal Cleanup)の統一フォームに則って「どんなゴミが、どれくらいあるか」を調査しながら清掃活動。終了後、集めたゴミの袋をシーカヤックに載せて再び漕いで戻ってきました。
 すごく楽しいイベントになりました。

 その趣旨は環境省の開催要綱として、ちょっと硬い文だけどわかりやすいので載せておきますと、

吉野熊野国立公園に平成27年9月に編入された神島は、鳥の巣半島の西側に位置する無人島で、おやまとこやまからなり、浅い岩礁で連絡している。国の天然記念物にも指定され、海岸性の暖地性植物群落の特徴をよく表しており、海と島とが一体となった島の景観とともに、紀南の自然植生景観として非常に重要である。また、今年生誕150周年を迎える田辺市にゆかりの深い南方熊楠が神島の保護に尽力したことでも全国的に有名である。今回、地域の子どもとその保護者に、普段は上陸することのできない神島にシーカヤックで渡る機会を提供することで、神島の自然や文化について学び地域の豊かな自然やその恵みに目を向けるとともに、神島海岸部の漂着物を回収し海域の抱える環境の課題に触れ考えるきっかけとすることを目的として開催する。」

 というものです。

 今回、普段シーカヤックにも海ゴミ問題にもまず触れる機会のない、一般の親子の皆さん、またNPO南紀こどもステーションの方々と共に活動できてなにより良かったと思います。

 たっぷり楽しむ中で、海の自然や生態系について学び、「太平洋ゴミベルト」を主とする「海ゴミ問題」について学び、神島ゆかりの南方熊楠という偉人について学び、有意義な時間になりました。ちなみに「太平洋ゴミベルト」というのは、太平洋諸国沿岸で出たあらゆるゴミが海流によって漂流した結果、太平洋の真ん中に日本列島の約4倍くらいの面積のゴミ大陸が形成されているという、ウソのような本当の現実です。日本列島の4倍って、とんでもない話ですが、なぜか一般的にはほとんど知られていません。多分100人中5人くらいの割合でしか知られていないことだと思います。そもそも社会全体が太平洋に関してほとんど知識も関心もない現状ですが、まーあ無関心にもほどがあると嘆きたくなります。

 と、当日そのような話もさせていただきましたが、頭も感受性も柔らかい子供達は、きっと何かを感じ取ってくれたことかと思います。今の大人はどうも余裕がなくて情けないまでに環境意識が低いけれど、この未来の大人達にはいつかぜひともそんな現状を一掃してもらいたいものです。そしてぼくたちは次の世代にきちんとした自然の知識、智恵を継承していく義務があると自覚を持ってシーカヤッキングやアウトドア活動を続けていかねばと、改めて思いました。


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紀伊田原シーカヤック、ロックガーデン遊び

2017-12-04 12:24:15 | 紀伊半島

 先日、南紀・紀伊田原の荒船海岸をプライベートツーリング。
 この時期この海岸線でよく見られる「海霧」(早朝気温が一気に下がると、暖かい黒潮の海水温との差で、海面に霧が発生する現象)を見るのが目的だったのですが、寝坊して家を出るのが遅くなり、結局昼から出艇し、ロックガーデン遊びに終始しました。

 岩礁が密集している沿岸のことを「ロックガーデン」と言いますが、岩と岩の合間を縫って進みゆくパドリングが面白いフィールド。適度なうねりが入っていると難易度も上がり、うねりが岩礁や隠れ根にぶつかってドーンと勢いよく立ち上がるタイミングを上手く読みながら、すれすれの所でかわしていくのがとてもスリリングです。この日、ちょうどそんなコンディションに恵まれ、楽しめました。

 ウミガメも多くて、この日頻繁に出会いました。 

 この付近は無人の浜も多く、流木も豊富で、キャンプにも向いています。熊野灘特有のパワフルな海の気を濃厚に浴びながらのキャンプは、自分の心も身体も野性的な気で満たされてゆくような感覚で、癒やしとエネルギーを与えてくれます。今回は日帰りでしたが、また春までにキャンプに来たいなと思いました。

 紀伊半島南東海岸は、晩秋から春先にかけて、北西の風の風裏になり、意外といいコンディションになることが多いです。真夏と違って台風や熱低からの巨大うねりも入りにくいし。ただ、風裏ということは「出し風」になるということなので、谷間から抜けてきた風には十分気をつけなきゃいけないし、西高東低がきつい日には出ない方がいいですが・・・。
 冬の本州最南端エリア。他所に比べて断然温暖で、太陽光線も鮮やかです。空気は澄み、冷気はきりっと身を引き締めてくれるけれど、骨身に染みるような寒さではなく、どこか常に春を思わせるような暖気を内に秘めている。

 この荒船海岸は、お客さんをお連れしてのツーリングという意味ではちょっと難易度が高く、いわゆるツアー「商品」としては成り立ちにくい海岸線ですが、自分で楽しむにはとてもよいフィ-ルドです。そしてこのエリア全体として考えると、串本や勝浦、古座川などもテリトリーに入るし、熊野古道や周囲の山々も楽しめる。
 冬にこそ、じっくり何日も楽しみたいエリアだ。


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継続が大切

2017-12-01 21:53:52 | スクール



昨日、今日と、それぞれ、パドリングスキル講習ナビゲーション講習を開催。
東京からはるばる来てくださったスクール生で、当店ベースに宿泊し両日受講。

これからがカヤックライフのスタート。
両日の講習は、基本中の基本でしたが、
どんなに経験を積もうとも、どんなに上手くなろうとも常に基本が大切。
また、受講したからすぐに身につくというものでもなく、
それを復習し身体に染みこませていく「継続」が肝心。
向上心を持ち、続けていくと、きっと自立したカヤッカーになれるでしょう。
Keep On Paddling!


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