プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

お元気そうで何より

2023-05-15 08:32:00 | 湯浅湾ツアー



 先日はうちのツアー参加者の最高年齢更新。
 94歳女性(前部座席の方がそう、後ろはその娘さん)

 実はこの方、7年前にも来られたことがあった。そのとき、カヤックを始めたきっかけを尋ねると「そろそろ三途の川を渡る練習に」と冗談めかして仰ったのがとても印象に残った。で、その後全く音沙汰がなくなったので、ちょくちょく気になっていた。

 要はもっと漕ぎに行きたかったけど、ここ数年コロナ禍で外に出れなかったとのこと。
 お元気そうで何よりだった。

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20キロのススメ

2023-05-08 09:21:17 | 紀伊半島

 ここ数年、村おこしや地域活性化などでカヤックやSUPの体験プログラムを開催している自治体やお店などが増えていて、それはそれでとてもよい傾向なのですが、魅力を伝える側としては、肝心なのはいかに「その先」へと進んでもらえるかだと思っています。つまり、昨今増えている「体験コース」は90分とか120分くらいのものが多く、いわゆる手軽な「チョイ乗り」というやつなのですが、それはあくまでも「取っかかり」と言いますか、入り口の入り口であり(それもまた楽しいのですが)、本当のカヤックツーリングの素晴らしさはもっと奥にあって、せっかく始めて興味を持ったのならば、ある程度本質に触れるところまで続けてもらえたら、という思いを抱きます。
 
 そこで提案したいのは、
 「1日20キロ、漕げるようになること」

 まず一つの目安として、そのレベルに達すると、かなりの本質的な魅力に迫ることができると、経験上そう言い切ることができます。1日20キロというと「えええー!?!」と思うかもしれませんが、実はそうハードなものでもないのです。穏やかな海の場合、カヤックの時速は、比較的ノンビリ漕いでいても時速4~5キロほど出ています。ということは4~5時間の漕ぎでその距離に到達するわけで、朝から夕方前まで漕ぐとして、漕ぎ以外の時間は浜辺でノンビリしたり、ランチを楽しんだり、ちょっと釣りをしたり、夏場などはシュノーケリングに興じたり、さらに昼寝までしたりしつつ、カヤックツーリングを楽しめるというわけです。
 つまり「20キロ漕ぐぜ」と意気込んで海に出るというよりも、一日ゆったりと、フルに楽しんで、その結果としての移動距離を計ると「あ、20キロだった」みたいなニュアンスでしょうか。
 ぜひそこを目指して欲しいなと思っています。

 海って広い空間で、海岸線も思っている以上に長いものなので、また人間の都合に合わせて作られているわけではないので、「チョイ漕ぎ」では良いポイントまで到達できず終わってしまうことが多々あります。なので残念なことに「カヤックってそんなにオモロない」「最初面白かったけど、すぐ飽きた」と言う人も結構見受けられます。
 結局、漕ぎの問題なのです。
 一方、漕げれば漕げるほど行ける場所も広がり、たとえばある一つの島に渡った後、次はあの岬の洞窟、次はあの入江でランチ、次はまた別の島でシュノーケルと昼寝・・・、などとバラエティに富んだ景観と遊びに興じられるし、また場所ごとの海の質感、植生、生き物の種類、地質、その場に漂う空気感など、自然の息吹とその変化を五感で味わうこともできるわけですね。つまり生身一つで自然の懐に入り込み、その鼓動に触れることができるのがカヤックという乗り物の特色ですが、そこそこの距離を移動することによって、より本質的な素晴らしさに至ることができるのです。
 それが20キロという距離です(場合によれば10~15キロでもOK)。
 それはぼくの主観や価値観というより、物理的・客観的な事実です。
 そのような理由から、次のステップとして、そこを目指すのが一つの目安です。

 当店アイランドストリームでは、そのレベルの漕ぎを身につけるためのスクール/講習会を定期的に開いていますが、近いスケジュールでは下記の日程で、実施いたします。
 ●5月16日(火)、5月18日(木)
 基本のパドリングと共に、転覆時のレスキューの講習も行います。
 詳しくは https://www.island-stream.com/sea_kayaking/index.php?p=paddlingskill

 またその距離を自分で漕ぐための状況判断を学ぶナビゲーション講習も行います。
 ●5月17日(水) 詳しくは https://www.island-stream.com/sea_kayaking/index.php?p=navigation

 アイランドストリームでは基本的に、湯浅湾のハーフデイツアー、ワンデイツアーを開催し、いずれも全く初めてでも楽しめるように開発していますが、回数を重ねるにつれ漕げる距離も伸び、そうなるとご案内できる場所の選択肢も増えてきます。また当店では、リピーターの方向けの「カヤックトリップツアー」というプランも用意していますが、まさに20キロ漕げるくらいのパドリング力があるならば、ガイド側としてもたくさんの素晴らしいポイントへとご案内できるという前提で設定したコースとなっているのです。

 現実的には個人差がありますが、1日のカヤックツーリングを1回と換算して、だいたい10回~20回ほど経験するとそれくらいのレベルにはなるかと思います。それが多いか少ないか、ハードルが高いか低いかはその人の主観になるでしょうが、その回数で「大自然の本当の魅力を味わう」一生のスキルが身につくと考えたら、サーフィンや他のアウトドアスポーツと比べても、そこまでの負担とは言えないのではないでしょうか?

 これからは「ウェルビーイング」の時代であり、物質的な豊かさというより心身の豊かさが大事になってくる時代だと言われますが、ぼくは個人的に、またアイランドストリームの運営テーマとしても、日常の中で自然との繋がりを大いに感じるカヤックのようなアクティヴィティこそ、その内実を満たす重要項になりうるものだと考えます。
 せっかく体験したカヤックの、もっと奥深い魅力の扉を開けてみませんか?

 なお、さらに距離を漕げる人のために次のようなツアーも開催します。
 【6月4日(日) 湯浅湾一周 35キロツアー】 
 湯浅湾一周コース。移動とともに隠れた湯浅湾の魅力を新発見
 http://islandstream.la.coocan.jp/yuasaisshu.html

 【6月14日(水) 湯浅湾〜みなべ海岸 50キロツアー】
 南下にともなって変化する黒潮の息吹を感じつつのチャレンジ
 http://islandstream.la.coocan.jp/longtour.html


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初夏のベストシーズン突入

2023-05-08 09:18:00 | 紀伊半島
 












 今年のゴールデンウィークの湯浅湾ツアーも無事終了しました。
 
 今年は4月から結構風が強く、このゴールデンウィークもその流れにありました。年によって風や天候の傾向のようなものがあり、また一旦傾向がつき始めると「クセ」のようなものとなってしばらく続くというのが気象の不思議なところですが、これから初夏に入ると、そのうち落ち着いてくれることでしょう。
 
 これからが新緑パワー溢れる周囲の山々に囲まれて漕ぐ、紀州の初夏のカヤックシーズンも本番を迎えます。
 ご予約も受付中。

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