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プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

バックウォーター

2009-04-06 03:06:42 | インド編(南アジア&アラビア半島カヤック

※インド編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

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 南インド・ケーララ州ではまず何より、コーチンの南から南北約900キロもの距離にかけて(上のグーグルアース地図クリックして参照)、多くの川が海岸線に沿って走り、また無数の支流が内陸までくねくね入り乱れて伸びるバックウォーター(水郷地帯)が有名です。

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↑ ケーララってのはヤシの木という意味だけど、バックウォーターでは行けども行けどもヤシの木に出くわす。田園地帯を縫ってヘビのように水路が入り乱れている。

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↑ 道路のない大昔からこの水路網はケーララ州の交通網であった。だけどきちっとルートを把握してないと間違いなく迷う。ものすごく複雑な水の道だ。

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↑ ここでは今も交通手段として手漕ぎの船が活躍している。

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↑ こういう観光用ハウスボートも頻繁に行き来する。観光は最大の現金収入源となっている。

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↑ メジャーな水路沿いにコマーシャルの看板が並んでいたりもする。

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↑ 水路沿いでは庶民の生活くささも垣間見ることができる。じいさんがぼーっと水路を眺め、おばちゃんが洗濯し、ガキどもが濁った水に飛び込んでハローとかアイラブユーとか知っているすべての英語を叫びながらこちらに向かって泳いでくる姿などが頻繁に見られる。

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↑ チャイニーズ・フィッシング・ネットと呼ばれる4つ手網。これを水底に沈め、半日ほど待って引き揚げるという他では見ることのできないスローな漁法。大昔に中国から伝わったもので、中国のアモイでも同じものが残っているという。

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↑ ところどころ水路が海へ抜けている。開放的な気分になる瞬間。

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↑ 水路沿いでしばし見られる物凄い面積のゴミの山。燃やして立ち上る煙が殺ばつ感を演出している。

 ていうか、インドではとにかくゴミをきちんと処理するシステムがない。みんなそこらへポイポイ捨て、掃除もしない(基本的に掃除するカースト以外の人は掃除しない)。11億もの人々が出すゴミ、大気汚染などは今後深刻な環境問題になっていくだろうと思われる。インドとそれから中国を合わせると、どえらい数になっちゃうからねえ。で、今後そのインド、中国が世界をリードしていく流れにあるわけだから、日本もそろそろきちんと「環境立国」とかそういうようなスタンスを表明してアジアの中でのうまい立ち位置を見い出す必要があるんじゃないだろうか、と旅の間結構考えさせられました。中東や北アフリカまで続く21世紀のアジア文化圏がドラスティックに動いている中でアメリカべったりの日本は孤立しているというか問題先送りばかりして止まってるというか鎖国的な感じになってきているけれど、やはりちゃんとアジアの中での立ち位置を決めなきゃとヤバイだろうと痛感する。でも日本は先進国なので泥臭いことはできない、なんというか「クール・ジャパン」で行った方がいい。クールさ、クレバーさでリードするってこと。そうすると「環境立国」っていうのが一番ふさわしいだろう、というのが旅の実感として考えたこと。彼らに安全な環境、衛生的な環境、美しい環境、快適な環境、クールなカルチャーを日常で楽しむ環境などを売るわけだ。今後両国に中産階級以上が増えるとビジネスとしても成り立ち、そうすると日本でももっと新しい産業が生まれ、若者の希望も育まれる・・・と考えるのは単純な発想なのだろうか?

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↑ 一見美しい夕焼け風景だが、ゴミを燃やしてくすぶった煙がその美を不気味に演出している。空にはカラスやトンビが徘徊していて、あたりには鼻が曲がりそうな異臭が漂っている。シュールでSFチックな風景。インドの環境問題、やばいっすよ、マジで。

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↑ というわけでこのバックウォーターも実はズルをしてカヤックは漕がず、観光ボートに乗って廻ったわけです。インドの本土は、全体的に汚いというかなんというか、あんまりカヤックを漕ぐ気にはなれないところでした。インド文化とか面白いし、これから高度成長期を迎えるこの大国がどう変わっていくのかてことにはすごく興味があるけれど、好きか嫌いかと聞かれると、うーんと唸ってしまいます。そういやこのケーララ州でブータン人の留学生と知り合っていろいろ話をしたけれど、やはり同じようなことを言っていました。非常に興味深いし面白いが好きではない、という複雑な感情。


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タルヴィン・シン

2009-04-06 01:29:22 | インド編(南アジア&アラビア半島カヤック

※インド編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

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 どんなジャンルでもルーツ、古典をきちっと踏まえつつそこから進化、革新を目指しているヤツが好きだけれど、たとえばインド音楽ではタブラ奏者(インドの太鼓)のタルヴィン・シンなんかが最高にかっこいい。

 タルヴィン・シンは生粋のインド生まれではなくイギリスのインド移民2世だけど、えてしてそういう人の方が自分のルーツやアイデンティティに自覚的であったりする。で、彼もインド古典音楽をマスターし深く理解した上で、テクノロジーを巧みに操り、また世界中の音楽家とセッションを繰り広げ、進化し続けている。

たとえばユーチューブで聴けるこの曲なんかはドラムンベースとタブラを合体させた傑作だ。
http://www.youtube.com/watch?v=OEWVykFcIIM

また、チュニジア出身のジャン・ピエール・スマジっていうウード奏者とセッションしたこの曲も非常にかっこいい。
http://www.youtube.com/watch?v=TQvoiRUl-eo

そして西アフリカ、ベニン出身の女性シンガー、アンジェリーク・キジョーとセッションしたこんなテレビ番組も興味深い。
http://www.youtube.com/watch?v=yfsGUvxrx48

それから、彼のこんなインタビューを読むと、なかなかの知性がうかがい知れる。
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/talvinsingh.htm

なおタルヴィン・シンのアルバムは何枚か持ってるので、興味ある人はツアー参加の際とかにぼくにタルヴィンシンタルヴィンシンと言ってもらえれば曲セレクトしたCD差し上げますのでよろしく。やはりインド、それからアフリカは世界のカルチャーの未来なのでカヤッカー、アウトドアマンもこういう音楽を聴いた方がいいと思います。


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インド最南端・コモリン岬

2009-04-02 17:15:47 | インド編(南アジア&アラビア半島カヤック

※インド編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

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 インド最南端・コモリン岬。 

 ベンガル湾、インド洋、アラビア海と、3つの海が出会う岬。ベンガル湾をはるか東に向かうと、マレー半島やインドネシアの島嶼群に行き着く。アラビア海をはるか西に向かうと、アラビア半島やアフリカ大陸にたどりつく。そしてインド洋をはるか南に向かうと、南極までひたすら海が続いてゆく。  

 太陽光線に照らされてきらきら光るここの海面を見つめてると、なぜか心の中がシュワーっと泡立ってきて、いてもたってもいられなくなってきました。

 インド亜大陸最南端・コモリン岬はいつか行かなきゃなと思っていた場所です。アイランドストリームのホームフィールドとしている紀伊半島や熊野に関する本を読んでいると必ず「補陀落渡海(ふだらくとかい)」って風習の話が出てきます。熊野の大海原の向こう、海上遥かかなたには観音浄土の理想郷があると大昔から信じられていて、古来より那智勝浦近くの補陀落山寺の住職などがそこへ向かって死の船出を行うという風習がありました。で、その奇妙な風習の説明のときに必ずこのコモリン岬が出てくるわけです。  

 補陀落(ふだらく)の語源は古代インド・サンスクリット語の「ポータカラ」から来ていて、南インド最南端のコモリン岬のはるか向こうの南方海上に観音浄土「ポータカラ」が存在するという信仰があり、それと熊野の補陀落渡海との関連があるとされています(ちなみにチベットのダライラマが住むポタラ宮というのも語源が同じです)。また南方の水平線の向こうに理想郷があるという概念は世界中いたるところにあり、沖縄ではニライカナイ、ケルト民族ではティル・ナ・ノグ タヒチではハワイキ、などと名前や表出の形は違うけれど、水平線の向こうのr理想郷というかポジティヴなフロンティアみたいなものののヴィジョンは共通していて、それらすべてにすごく普遍性が感じられるわけです。  

 で、ぼくもシーカヤックとかやってて水平線をずーっと見つめる機会がたくさんあるので、それらは簡単には口で言い表せないけれどなんとなくわかるところがあるというか、ピンと来るものがあるなあという想いや感覚を、ずっと持っていました。ほんと、感覚の世界で、言葉に言い表せないんだけどね。  

 で、念願かなってここコモリン岬に立って、大海原のはるか向こうの人間とか魚とか動物とか昆虫とか歴史とか未来とかカルチャーとかほかいろんなことに想いを巡らせていると、心の中で色んな想いがシュワーっと炭酸みたいに泡立って、やばいくらい胸がキューンとなってしまいました。

 ・・・・・って、なんか意味分かるようで分からん感じだけど こういうのもひとつのプラネット感覚ってやつかもしれません。

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↑ 結構風が強かったですね。ベンガル湾方面から来る風。ちなみにこの近くにやたら大量に風力発電の風車が回っている場所がある。

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↑ 岬の沖合にこんな小島があるけれど、そこはヒンドゥーの教えと社会正義の概念を融合させた偉い思想家、スワーミー・ヴィヴェーカナンダ(1863~1902年)が瞑想した場所だということで有名な聖地となっている。もちろんそれ以前、はるか古代から様々な行者が瞑想を行った場所でもあります。なお右のほうの小島に巨大な像がそびえているけれど、それはヴィヴェーカナンダのものではなく、詩人のティルヴァルヴァルという人のもの。

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↑ 沐浴する人々。

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↑ インド全土からやってきた、おびただしい人々。

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↑ 聖なる沐浴場だけど、実はものすごく臭い。そこらに糞小便をdoingしちゃう人たちがたくさんいてそれがそこらに残っていて、また海水もあんまりきれいではなく、異教徒であるぼくは海に入る気がしない。こういうのがヒンドゥーの聖と俗ってやつなのだろうか。

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↑ なかなか凄みのある景色ではある。

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↑ このアニキたちは全員手にポップコーンを持っていておかしかった。

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↑ 一種の観光地的ににぎわうカニャークマリ町。

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↑ そこらで店を広げてるおばちゃんも多かった。

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↑ 香辛料とかの露店はしぶかったな。

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↑ センスがよく分からん、かなりでかい像。

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↑ 奈良の大仏みたいなものか。

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↑ アラビア海に沈んでいく夕陽はすごかった。

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↑ みんな夕陽を見つめ、沈んだらさっさと帰っちゃうけれど実は夕日が沈んでからしばらくの薄暮の時間帯が最も美しいのである。刻一刻と色彩が変わって素晴らしい。

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↑ 朝日はベンガル湾の向こうから昇ってくる。雲の合間からビームのように広がる太陽光線がよかった。


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南インドの風

2009-04-02 12:17:59 | インド編(南アジア&アラビア半島カヤック

※インド編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

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 南インドはバスの交通網が比較的発達していて、町から町へはバスで移動しました。と言ってもどこもかしこも穴ぼこだらけの道で、ガンガン揺れまくります。窓はあけっぱなし、ばかでかい音のボリウッド系音楽(インド映画でかかってるポップス)が朝も夜も車内で炸裂している、運転手は絶えずクラクションを鳴らしながらのめちゃくちゃアグレッシブなヤクザ運転・・・、ということでなかなかハードでした。なんとフロントガラスのないバスにも乗りました。事故でフロントガラスに亀裂が入ったので「しゃらくせえ」と、ハンマーで叩き割った後だったのでしょう。車内通路にガラスの破片が散らかってました。しかし誰もあまりそんなこと気にしません。同じように自分たちの食べたヒマワリの種とかをそこらに撒き散らしてらっしゃいました。また、ぼくはフォールディングカヤックという重い荷物を背負っていますので、バスに乗ろうとすると必ず、「車内に置くのは無理だから屋根に乗せろ」と言われました。屋根なんかにのせるのは面倒だし落っこちちゃっても無視してそのまま走っていくお国柄なので、「おれは荷物を屋根に載せるカーストじゃねえ、やるならお前がやれ、落ちないようにきちんと縛り付けておくんだぞ」とかうそぶいて結局強引に車内に置いてました(インドではカーストによって職業が細かくかつ厳然と分かれている)。運転席の横あるいは最後尾座席のちょっとした場所にのみ置けるスペースがあるのですが、運転席の横はとかくドライバーがめちゃくちゃ無謀な運転するのでこわすぎ、一方最後尾座席は揺れすぎ、という究極の選択でした(荷物から目を離して違う場所に座ると、盗まれる恐れがある)。そんな中でたとえば300キロ程の距離を10時間くらいかけて移動するのですが、慣れてくると全然苦痛じゃなくなりました。車内で庶民のおっさんとかとしゃべるのは面白かったし、砂煙をもうもうとたてながら途中の田舎町のバススタンドに入っていき、周囲にガイジンはおれ一人という中で奇異の目をあびせかけられながら(インド人は人を死ぬほどジロジロ見る癖がある)屋台で甘いコーヒーをすすったりするのは味わい深かったし、そして何よりも開け放った窓から入ってくる風が最高に心地よかったのです。

 大陸の風というよりも、島の風というか、海洋性の湿り気と爽やかさを帯びた風のように感じました。南に下っていけばいくほどそれを感じました。ベンガル湾から吹き、インド洋を通って、アラビア海に吹き抜けてゆく風。朝も、昼も、夜も、ぼくは南インドの風が大好きになりました。だからバスの移動はほんとに楽しかったです。どうでもいいことに思えるかもしれませんが、やはりぼくはカヤッカーですね。そこんところにものすごく敏感なんです。

 一方、ある区間では高級寝台列車なんかに乗ったりしましたが、ダメでしたね。エアコンを効かせるために窓を完全密封することにより、どこかで誰かが食ってるカレーのにおいとかおっさんの足のにおいとかが充満しどこにも流れてゆかず、すごく気持ち悪くなってしまいました。ぼくはどうやら猥雑な庶民文化と、自然のナチュラルさが好きなようです。

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↑ 日本円にして500円~1000くらいの宿に泊まってました。

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↑ 南インド最大の都市・チェンナイ近郊の海。海水浴してるけどみんなあんまり泳ぎが得意じゃなさそう。

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↑ 7世紀半ばころに建てられたマハーバリプラムの有名な海岸寺院。風波にさらされ続けひなびた感じがすごくよかった。

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↑ マハーバリプラムは海岸線にレストランや安宿が林立していましたが、2004年のスマトラ島沖地震の際に津波の被害が大きかったところです。このタミルナードゥ州では8000人が亡くなっている。この写真のように津波前と遺族の写真を飾ってある海辺のレストランも目につきました。

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↑ 海岸寺院に観光にきてるアニキたち。

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↑ 一番津波の被害を受けたのは漁師ですが、彼らの救済施設がところどころに見受けられました。

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↑ 道端で繰り広げられるヒンドゥー教の庶民的儀式。耳に残るコール&レスポンスの歌声と原色の色彩感覚に強烈な土俗性を感じました。こういうノリもまだ生きてるんだな、と。

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↑ そこらに売っている油ギトギトの魚。何を食ってもカレー味。

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↑ マハーバリプラムは岩面彫刻が有名ですが、他の場所のように神様像や女神像を精緻にうやうやしく刻んだ感じではなく、民衆の生活臭と神話性が同時に感じられるタッチで面白かった。

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↑ クリシュナのバターボールといわれる岩。ゾウが引っ張っても落ちないそうです。

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↑ 大みそかは地元の孤児50人と一緒に過ごしました。この日のために練習した歌や踊りを披露してくれました。

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↑ コブラ使いのおっさんの右横でカメラを構えてるアレックス君というアメリカ人のアニキと友だちになり、このあと飲みながら色々話をした。オバマ大統領の話とかパキスタンとインドの関係とか、なかなかのインテリ大学院生だった。結局みんなシーカヤックして平和な気持ちになればええねんというところに落ち着いた後、2008年が終わり2009年の幕があけた。

 2009年があけると、アレックス君は先祖のルーツをたどってアフリカのナミビアに向かい、ぼくは南インドをさらに南下していきました。


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オラ行くだ村2・カウス

2009-03-26 22:44:06 | インド編(南アジア&アラビア半島カヤック

※インド編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

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↑ 50キロほど向こうのスリランカ北西部から昇る南インド・ラーメッシュワラムの朝日。

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↑ 海岸線はヤシの木の林が連なっている。林の中に漁村が点在している。

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↑ ラーメーシュワラム町の沐浴場から7,8キロほど漕ぎ、ちょっと休憩に砂浜に立ち寄るとさっそく土地の漁民が興味シンシンで寄ってきた。olaikuda村の漁民。

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↑ 漁師のあんちゃんとエイ。もっとでかいのが採れるらしいが今日のはこんな小型。

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↑ 彼らはぼくに、「カウスカウスカウスカウスカウス」と言って手招きしてきたのだった。ついていくとヤシの林の中を10分ほど歩いてどこぞやに向かう。もしかしたら身ぐるみはがされるんじゃないかあと思ってると、olaikuda村に到着。彼らの言うカウスとは、ハウスのことなのであった。

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↑ こいつら、めちゃくちゃいい奴らだった。お茶をごちそうになり、ほとんど言葉は通じなかったがいろいろ話をした。まさか海からの来客があるとは思ってもみなかったろう。しかし精一杯おもてなししようという気持ちがほんとにこっちに伝わってきて、それだけでじんわり感激した。

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↑ olaikuda村の3人兄弟。このあとこの写真を送ってくれと住所を交換してolaikudaオラ行くだ村だとわかったのだが、笑ってしまった。しかしほんとに心やさしい、いいやつらだった。帰国したら必ず写真を現像して送るぜと言ったんだけど、帰国後バタバタしていてまだ送れていない。申しわけない。このブログを見てアイランドストリームのツアーに参加される人がいらっしゃったらぼくに、「オラ行くだ村の人にちゃんと写真送ったか?」とプレッシャーをかけていただければありがたいです。

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↑ クリスチャンである彼ら。インドの、特にここベンガル湾沿いにはアウトカーストの漁民が多い。カースト制度はバラモン(僧侶など)、クシャトリア(貴族、軍人など)、バイシャ(商人、工業従事者など)、スードラ(農民など)の基本4つに分かれるがさらにアンタッチャブルと呼ばれるアウトカーストがいる。ちなみにアウトカーストの人口は約1憶1千万人と、日本の人口と同じくらいの人たちがいる。ヒンドゥー教徒である限り彼らは人的扱いを受けることを余儀なくされるので、仏教徒やクリスチャンに改宗する人が多い。オラ行くだ村の人たちはクリスチャンだった。前世からの罪穢れによりカースト外として扱われる人生と、すべての人間はみな等しく神に愛されていると説かれる人生、まあ改宗するよな。

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↑ 魚の干物。

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↑ 漁師のアニキと一緒にカヤックで遊ぶ。

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↑ すごく温かい気持ちに包まれながら村をあとにする。ありがとう。

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↑ このあたり、潜ったら結構コーラルがあった。

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↑ 海から見たラーメッシュワラムの沐浴場。むこうにそびえたつのが寺院。寺院の中でも大量の人々が頭から水をかぶって清めている。

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↑ 毎日、スリランカ方面から上がってくる朝日。島伝いに行くとスリランカまで近いのだが、このあたりの海域には「タミル・イーラム解放の虎」という反政府組織の連中がいるのであまり沖まで行くのはヤバい。タミル・イーラム解放の虎のことは、その組織員を父に持つM.I..Aという女性ラッパーのラップを聴いて知った。スリランカでは仏教徒であるシンハラ人が人口の8割を占めるが、30年ほど前に政府がシンハラ人優遇政策を進めようとした際に、それに怒った少数派のヒンドゥー教徒であるタミル人が独立運動を起こし、政府軍と一戦を交えることになる。その先頭に立ったのが「タミル・イーラム解放の虎」である。以来これまでに死者6万人を超え(多数の民間人も含む)、100万人近くが国外で難民となっている。


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オラ行くだ村

2009-03-23 19:52:01 | インド編(南アジア&アラビア半島カヤック

※インド編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)の続き記事。

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↑ インド南部、スリランカの国境に近い海辺の聖地・ラーメッシュワラムの沐浴場。朝早くから沐浴する人々と、哲学する牛。

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↑ 朝早くから沐浴する人々と、哲学するオヤジ。

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↑ あんまり哲学してなさそうなヤギ。

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↑ 夜明け前後に沐浴に向かう人々と、遠方から車でやってきて、地べたで眠っている人。死体ではなく生きた人です。

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↑ イカダを漕ぐ漁師も、ダブルブレード的にカヤック漕ぎしている。

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↑ ヤシの木が密集した海岸線。

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↑ 途中で出会ってお世話になった村の漁師たち。のちにもらった写真送付先の住所を見て笑ってしまった。「olaikuda」村、日本語読みすれば「オラ行くだ村」である。


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インドを旅する理由

2009-03-23 01:02:16 | インド編(南アジア&アラビア半島カヤック

※インド編(南アジア、アラビア半島カヤックトリップ)記事の続き。

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 上のグーグルアース図をクリックして拡大してもらいまして、左が今回旅した南インド地方、一方右の方の「アンダマン海」と書かれた文字の左に縦列でポツポツ並んでいる島々の総称が、「アンダマン・ニコバル諸島」となります。ここもインド領土です。「その、あんさんが旅したアンダマン・ニコバル諸島ってどこやねん?」といろんな人に必ず聞かれますし、みなさんもそう思っていると思いますが、そいつがここです。
 スマトラ島沖地震の際には甚大な津波の被害があった所ですが、非常に海の美しいエリアです。
 まあ、今後このブログに結構でてきますのでよろしければ覚えといてくださいね。
 
 まず今回の旅では最初にインド南部を訪れました。
 まあインドは昔から一度は行っておかなきゃいかん場所だなと思ってましたけれど、非常にへヴィーな旅になりそうなのでずっと二の足を踏んでいました。いろんなインド放浪本なども世には出てますしそれらも何冊か読んだことがありますけれど、ぼく的にはあんまりタイプじゃないなあという感想でした。それが今回なんで行こうと思い立ったのかと言いますと、やはりカヤックフィールドとしてのインドはどんなところなのか・・・、どんな風が吹いていてどんな波が立ちどんな海岸線をしていてそこに実際身を置くとどんな感覚が立ちあがってくるのかってのを「アジア圏のインド亜大陸」という観点から捉えてみたかったというシーカヤッカー目線はもちろんありますがそれと同時に、これから高度成長期を迎えようとするインドという国は一体どんなところでどのように変化しようとしてるのだろうか、また日本人であるぼくらのライフにどんな影響があるのだろうか、もしかしたら何かおもろいことに繋がりそうなヒントとかもあるんじゃなかろうか、なんてことを数年前からウスウス気にし始めていて、じゃあちょうどこのトリップの機会に見て来ようと思ったわけです。またこういうことは業務のオフシーズンにしかできない、しかしアイランドストリーム・エッセンスに欠かすことのできない大切なことで、いろんな人が思ってらっしゃるほど能天気なバカンスなんかではないわけです。

 今回まず、ちょうど年末に毎年やってる南インド・チェンナイの古典音楽祭を目がけていったわけですが、ふと考えるとここ数年自分自身、結構インド系音楽をよく聴いている傾向にあります(正確に言うと世界各地に散ったインド系移民の音楽)。タブラ奏者のタルヴィン・シン(Talvin singh)とかカーシュ・カーレイ(karsh kale)とかのエレクトリック音楽は古典的な要素も大切にしつつ未来的、宇宙的な感じがしてクールですし、「バングラ」というジャンルのお祭り音楽はなかなかダサカッコよくてキュート、そしてエイジアン・ダブ・ファウンデーション(asian dub foundation)なんかの反骨ミュージックは昔のロックやレゲエが持っていたようないい意味での反逆的パワーがみなぎっているように感じます。21世紀に入って欧米のロックもジャズもヒップホップも急速に面白くなくなってきたように感じて他に触手を伸ばし始めましたが、インド系エレクトロニック音楽やフランスとかにいるアフリカ系移民の音楽のほうが断然面白いというか、昔のロックやジャズが持ってたマジカルなDNAが9.11米同時多発テロ以降こっちの方に移行してきているんだなあという今日この頃です。で、そういう流れはなにか、整然とした欧米中心主義的世界観より混沌としていてかつ豊穣で、また同じアジアンである日本人にとってもすごくおもろい流れであるんじゃないかなあと思うわけです。

 まあ、アクの強いインド本国モノよりも印僑の人たちが形成するグローバルの風にさらされたカルチャーなんかのほうがなじみやすかったりするんですが、そのベースとなっているのは古典的なものなわけでその意味において結構アクの強い南インド古典音楽(カルナーティック)のコンサートはいろいろ面白かったですね。インド音楽は北インド、南インド両方ともヒンドゥー教の世界観と密接に関係していまして、またドレミに値する「サリガマパダニサ」という音階、音符ごとにそれぞれが色彩とか心的エモーションと呼応する関係にあるとされています。ひとつの曲調というか音楽的ムードを「ラーガ」と呼びますが、そのフィーリングに沿って「夕暮れのラーガ」とか「梅雨のラーガ」と無数のヴァリエーションがあるようです。「シーカヤックで夜光虫の海を漕ぐラーガ」とかそんなのもありえます。まあそのへんの楽理的なところはインド古典音楽初心者であるぼくなんかには深すぎて難しすぎるところですが、そういう深さがぼくの普段聴くインド系テクノ音楽とかの面白みを生む豊かな源泉になっているんだなあと思います。
 
 それにしても11億の人口をかかえるインドは中国とともに世界をリードしていくだろうといわれる大国です。
 インドは中国に比べてさらに人件費も安いし対日感情も悪くないからこれからはインドだ、などと書かれた経済雑誌の記事なんかをよく見かけますがまあそういう観点ではなく単純にインド系の音楽とか面白いと思うし、あとヨーガとかリグ・ヴェーダ哲学とかブッダの教えとかアーユルヴェーダとかカーマ・スートラ(!?)とか色々、心と体のディープテクノロジーみたいなものにはすごく興味を引かれます。
 経済の面で言うと中国はどちらかというと製造業主体で、一方のインドはIT、最先端医療、製薬、映画などなど第三次産業(広義のサービス業)が世界を席巻しているという現象があります(実際は製造業もこれからかなり上がってくるだろうといわれていますが)。
 で、そういうのが面白いと思うわけです。
 ぼくの携わっているジャンルも同じく第三次産業だし、モノが売れなくなってきた先進国でもこれからこちらのほうにフロンティアがあるわけです。特に組織に属さず自前で生きていこうと考える者にとってサービス業は非常に適したフロンティアなわけです。日本では特に中高年層に頑迷な既得権益が集中していてそれらが閉塞感と圧迫感を生みだしその結果若者には絶望的なほど希望のない時代だという感触がありますが、そんなのを個人の立場からブチ破っていくにはやはりこのフロンティアが土俵になるわけです。で実際、個人の立場でしかなかなかぶち破れないのです。
 そういうこともあり、なんか混沌としていてしかし独創的なものも次々生み出すインドカルチャーというか、その脳みそに、語弊があるかもしれませんがロマンティシズムのようなものを感じたりもするわけです(ホットメールを開発したのはインド人だし、そもそもウェブそのものがインド哲学的)。
 
 まあ実際のインドはやたらめったら不潔だし、人は多すぎるし人間の命の値段は死ぬほど安い、交通ルールが皆無でバイク、車、自転車、牛、馬、山羊、犬などが自分のことのみ考えて突き進みながら1日中クラクションが鳴りまくってるし、ゴミはそこらにポイポイ捨て公共マナーがまるでない、おまけに糞小便は所構わず垂れまくり、警官や役人はとんでもなく偉そうにしている、、わやくちゃの国でした。イメージはしていましたが実際体感するとすさまじかったです。
 1億2000人の日本人がエコと言っても空しくなってくるほど11億人が空や地や海を汚しまくっちゃっています。またご存じカースト制度も残っていて人間の質はピンからキリまで混在している。都会の人ゴミのグジャグジャーっとしたところなんかはある意味地獄的な感じがしないでもないけれどしかしそれゆえたとえばブッダの教えのようなすごい哲学も出てくるんだろうなと思わせられました。
 これもピンからキリまでの部分。

 ブッダの有名なフレーズに、
 「寒さと暑さと飢えと乾きと、
 風と太陽の熱とアブとヘビと、
 これらすべてに打ち勝って、
 サイの角のようにただ一人歩め」
 というのがありますが、
 それはインドにいると意味がよくわかりますね。
 「この世は残酷であり、だからこそ周囲に流されず自分自身の道を見つけて生きていけ」ってことだけど
 それはインドだろうとどこだろうと一緒。
 ちなみに同じような歌をベン・ハーパーも歌っていますね。
 「welcome to the cruel world,hope you find your way」

 特に日本ではちょっと人と違うことを言ったりしたりするとすぐに「あいつ変わっている」というレッテルを張られますが、そんなアブやヘビのような他人の目などに打ち勝って一人強く歩んでいかなきゃ何事も成就できるわけがない。
 同じような内容をベン・ハーパーも歌っている。
 「If you don't like my fire, don't come around cause I'm gonna burn one down,I'm gonna burn one down~(オレの炎が嫌いならオレに近寄らないほうがいいぜ。オレは一本焼き尽くす、そうさ一本焼き尽くすんだから)
 勇気づけられる言葉です。
 


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砂漠の島

2009-03-14 23:42:56 | インド編(南アジア&アラビア半島カヤック

P1010279_2

というわけで先日帰国したところですが、いつも言っていますように今回のカヤックトリップ出張でもやはり、カヤックこそこの暗黒の大宇宙の中にあってひとり美しくブルーに輝く宝石のような水の惑星「地球」の息吹をディープに体感することのできる最強のトリップツールなんだなあ、と今一度再認識させられました。

 まあその内容も追い追いこのブログに載せていこうと思いますが、
 中でも今回特に衝撃を受けたオマーン東部沖の砂漠の島、
 「マシーラ島」の写真をまずは並べておきます。

 高画質でアップしていますので、よろしければぜひクリックして拡大してご覧ください。

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↑ 昔沈んだダウ船の残骸がいいアクセントになっているとある海岸。

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↑ これ、雪ではなく砂ってところがやばいです。島の東南部はこういう感じの雪山のような場所が多い。ジリジリ焼ける暑い海の上から眺める不思議風景。

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↑ 海上と同様、上陸後の周囲にまったく誰もいない寂寥感がまた、いい。

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↑神が作った超巨大庭園のような絶妙な配列。

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↑ 砂、岩山、空、海水、それぞれのコントラストとバランスが絶妙、緻密で、音楽的、数学的、かつぶっ飛んでるなと思った島でした。またこういう場所のエッセンスを深く体感できるカヤックトリップって素晴らしいなと思いました。


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日本文化

2009-02-23 22:30:39 | インド編(南アジア&アラビア半島カヤック

 インド亜大陸南部、
 アンダマン・ニコバル諸島、
 UAE,
 オマーン、
 ヴェトナム・ハロン湾、
 と、カヤックフィールドリサーチしてきて、今はタイ南部のクラビのネットカフェににいます。この後、26日から3月4日までアイランドストリームとしてのスペシャルカヤックツアーを催行し、そして帰国予定です。

 やや奥歯の虫歯の状態が良好じゃなくなってきた以外はすべてが順調に進んでいますが、このナイス・カヤックトリップの中でも特にオマーンは素晴らしい場所でした、海は美しく、砂漠は広大で岩山はワイルド、人々はジェントルで治安が抜群によくエキゾチックなアラビアンテイストがそこここに漂っている。首都圏のマスカット地方、アラビア半島最東端のスール地方、雪のような砂漠に覆われたマシーラ島、そしてイランを50キロ隔てて有事には世界一ヤバイといわれるホルムズ海峡(反米イランが怒ってここを封鎖すると原油タンカーが行き来できなくなり、色々状況がめぐりめぐって核戦争のシナリオがシミュレートされている)に面したムサンダム半島とみっちりリサーチしました。逆に自然としてのホルムズ海峡は実に野性味に富んでいて、海ガメ、イルカ、サメ(人食いじゃないやつ)などワイルドな連中にいっぱい会いました。ここでは無人の海岸でのキャンプも面白かったです。またオマーンはカヤックやシュノーケリングだけじゃなく、レンタカーでのドライヴも面白い国で、ヒッチハイカーを拾ったりまた自分も拾われたりしましたが、ヒッチハイクとかキャンプとかが安全にできる国ってほんとに稀少なんですよね。
 多分来年からタイ・クラビツアーに加えてオマーンツアーもラインアップに加えられることとなりそうです。

 今回のトリップもさまざまな発見がありましたが、やはり年々世界は、特にアジアは、めっちゃグローバル化が進んできてるなという印象が強いです。グローバル化というと「アメリカン・グローバリズム」がイメージされがちですがそれももう古く、多国籍の人々がボーダーを超えて流動し混在している状態という意味での多元的グローバリズムのことです。
 アジアでは東アジアと南アジアがほとんど繋がっていて、
 南アジアと中東が、インド、パキスタン、バングラデッシュ系の移民を通じてダイレクト化している、
 同じく中東と北アフリカが移民、出稼ぎ人を介して繋がっていて・・・・、
 という流れの中で世界がハブ的に広がっていくようなアジアン・グローバル・イメージ。
 で、その中で日本だけが蚊帳の外で孤立しているという印象を外から見てて感じます。
 いまだアメリカべったりでかつ非常に引きこもり的な感じの日本。
 非常にやばい感じがします。
 今回の旅でも華僑、印僑(インドの移民商人)の人たちに
 「日本、やばいよね。大丈夫これから?」
 とよく聞かれました。

 そういう視点からもアイランドストリームのことを色々と考えさせられました。

 ひとついえる事は、
 世界はどんどん近くなり、
 人の流動を通じて世界が近くなればなるほどこの地球、
 プラネットアースの感覚的実相は広く、深く、豊かになる。
 いわゆるひとつの「プラネット感覚」。
 そう捉えると、自然をディープに体感するところから生まれた古来よりの日本文化をより見つめなおすことによってまだまだ日本の可能性も捨てたもんじゃないし、おれもやるべきことがいっぱいあるなと面白くなってきます。

 訪れたほとんどの国の人はカヤックの存在おろかカヌーという言葉すらしらなくて、フォールディングカヤックを組み立ててみせるとみんな目を丸くしていましたが、やはりカヤックトリップはいろんな意味でひとつの新しい日本文化だと思いますね。
 「なんでそんな旅をしてる?」とあらゆる人に不思議がられましたが、
 「場所場所の自然の息吹を最もディープにソウルで感じ入ることができるのがこのカヤックという乗り物であり、そのような体感が日本文化のルーツである。日本文化をキープし、そして進展させていきたいと思っているからこの時代はカヤックトリップの時代なんですわ」と答えてきました。

 ボーダレス化すればするほど、自分の所のアイデンティティを明確に表明することの必要性も痛感するようになってくるというわけです。またお互いのそれを理解しようとするスタンスが非常に大事だ、と言いますか、それこそが面白いんだと思います。
まあ、日本もいいかげんそろそろきちんと環境立国のヴィジョンを打ち立ててくれれば、こういう旅ももっとやりやすくなるんだけれどね。
 
 これからアイランドストリームをもっと面白くしていこうと思っています。


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ハッピーニューイヤー

2009-01-09 15:47:19 | インド編(南アジア&アラビア半島カヤック
 ハッピーニューイヤー。
 その後マハーバリプラムの宿の年越しパーティーで50人の地元の津波孤児のみなしごたちと過ごしたあと、バスでポンディチェリー、ティルチラッパリ、タンジャブール、マドゥライ、ラーメシュワラムと旅して、今ちょうどインド亜大陸最南端のカニャークマリというところまで来ました。
 ラーメシュワラムでカヤッキングしました。
 この後。ケーララの水郷地帯でカヤッキングし、そしてアンダマンニコバル諸島でカヤッキングします。
 日本語入力できるネットカフェに久しぶりに来ましたわけですが、時間がないのでまた。


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南インド

2008-12-31 14:49:42 | インド編(南アジア&アラビア半島カヤック
 こんにちは。
 今ちょうど南インドのマハーバリプラムというところにいます。
 シンガポール経由で南インド最大の都市チェンナイ(旧マドラス)からインド入りしたのですが、ちょうどこの時期(12月から1月の間)チェンナイでは市内のあちこちの会場で朝から晩まで「カルナーティック」と呼ばれる南インドの古典音楽のコンサートが開かれる「ミュージックシーズン」の最中で、チェンナイ入りしてからぼくは4日連続コンサートに通いつめ、朝から晩まで色んなグループの演奏を鑑賞しまくりました。カルナーティックはある種、瞑想音楽的な要素が色濃いのですが、やはり生まれたときから音楽漬けの「音楽カースト」出身のプロミュージシャンの演奏は半端じゃなく上手く、じーっと聴き入っているととんでもない未知の領域まで運んでくれるかのようなトリップ感があり、何時間座ってても飽きることがなかったです。

 古い古典音楽の決まったテーマを長々と繰り返した後、ムリサンダムと呼ばれる両面太鼓やボーカルやバイオリンやマンドリンやその他いろんな楽器の即興演奏に入るのですが、そいつが半端じゃなく現実離れしててすごいです。興に乗ってくると一曲1時間くらい延々と繰り広げられたりします。しかしスリリングなので全然長さを感じないです。もっと聴きたいくらいです。カヤッカーたる者はやはり感性のレベルをどこまでも上げていかなきゃいけないってのがぼくの持論なんですが(アイランドストリームスタイル)、「聴くヨガ」とも言われるカルナーティックはひとつの素晴らしい教科書だなと思いました。

 カルナーティック、あんまり日本ではなじみのない音楽だろうけれど、興味のある人はyou tube ででもcarnatikと検索かけてチェックしてみてください(ハズレのもあるかもしれませんが)。また、毎年年末年始の1ヶ月以上ミュージックシーズンが開催されているので、機会があればぜひチェンナイに訪れてみてください。

 で、コンサートはよかったのですが、インドの大都市特有の喧騒と混沌は「さすがインドやのう」という感じでネイチャーボーイのぼくとしては疲れてきたので、チェンナイからバスで2時間ほど下ったここマハーバリプラムという海辺の田舎町までやってきたというわけです。今晩は海辺のレストランで年越しパーティを楽しませていただくのですが、ここでもカルナーティック音楽のライブがあります。
 南インドの人はカルナーティックを愛しているのがよくわかります(といっても庶民より上位カースト者の嗜みっぽいですが)。
 
 で、この後さらに南インドを旅したあとアンダマン ニコバル諸島に渡ってカヤッキングしてフィールドリサーチする予定です。


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