プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

チョイ投げ五目釣り

2010-07-29 13:09:42 | インポート
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 先日、朝7時から2時間ほどでの釣果。アイランドストリームのベース沖にて。使用カヤック、アルフェック・アリュート430。カヤックでの釣りは、シットオンが流行っているけれど、ぼくはフォールディングカヤックでの方が、軽いし、持ち運びしやすいし、ツーリングにも使えるし、はるかに好きだ。

 オノレが食べるにはこれくらいの数で充分だ。もっともこの日釣ったやつはオノレは食べず、うちにアルバイトに来てくれているK君にあげた。
 死ぬほどうまかったらしい。


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風景をより生き生きとしたものに変える彩り。

2010-07-23 14:25:21 | インポート
Makkou32

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 去年の今頃かそれよりもう少し前か、うちのツアーでもよく訪れる紀伊田辺湾にマッコウクジラが迷い込んできた一件があったけれど、先日たまたまとある海で潜水艦を見かけた折にそのことを思い出した。
 深く潜るのに最も適したシェイプなのだろう。
 潜水艦のボディとマッコウクジラのボディ、よく似ている

 シーカヤックを漕いでいて、たまにデカイ海洋生物に出会うことがある。
 イルカ、ウミガメ、サメ・・・、デカイ海洋生物ってのは独特の気品みたいなものがあって、まるでその場の自然のエレガンスやエナジーや美しさの化身というか精霊のような異彩を放っていて、感動する。
 いきなり出会うことが多くドキッとするのだけれど、そのドキドキ感とシンクロするかのようにその場の自然全体が鼓動を打ち始める、とでも言うか。
 デカイ海洋生物と出会うことによって、
 まるで踊る生物のように生き生きとして見えてくるその場の風景。
 むき出しの乗り物、シーカヤックで自然の懐に深々と入り込むことによってのみ得られる、野生のリアリティ。

 というわけで下の写真群はそれぞれ、シーカヤック上でデカイ海洋生物に出会ったときのものです。
 
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ニュージーランド南島・カイコウラのオットセイ。一見クジラにも見える。

P1010486
西表島南岸で出会ったマンタ。ヒレだけ出している魚群の集団に取り囲まれ、サメに囲まれたかやばいなと思ってよく見ると、なんと30頭以上はいるだろう、マンタの群れだった。この状況はとんでもなく珍しいらしい、おそらく一生に一度の体験だろう。長くたくさん漕いでいると、こういうこともある。

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オマーン、ムサンダム半島にて。この鳥山の下に巨大なマグロがいて、魚を追いかけまくっていた。時折ものすごい勢いで目の前でジャンプするのだが、このエネルギー感こそ本物の野生の鼓動という感じがして、非常に感動したのだった。

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ニュージーランド南島・アカロア湾のへクターズドルフィン。世界最小のイルカといわれていて、丸い背びれが特徴なのだが、人懐っこくてとてもかわいかった。シーカヤックにて、イルカやクジラの類に出会うときの感覚ってほんとに独特で、ある種の交信めいた感覚と言うのか、フレンド的な感情が芽生えることがある。

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アラビア、ムサンダム半島のグリーンタートル。ウミガメと海上で出会うってのもまた独特だ。ウミガメとはいつも、潮の流れの速い場所とか高い断崖絶壁のキワとか、何かヌシでも住んでいそうな畏怖感を感じさせる絶景の場所で遭遇する。彼らは空気を吸いに海面にやってくるのだが、静かな海面からいきなり「バフっ」と音を立てて首だけ海面から突き出してきて、死ぬほどビビらされる。と同時に、ヌシが住んでいるようなその風景の畏怖感の輪郭がより一層濃くなる。本当にヌシのような奴が住んでいて、このウミガメはそいつの使いなのだ、と。神話の発生起源的な瞬間、リアリティ。

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アラビア半島・ムサンダム半島で出会ったスポテッドシャーク。こんな浅瀬でサメが泳いでいるということに非常に感動したのでこの浜に上陸しテントを張ってキャンプすることにしたのだった。

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タスマニアで出会ったでかいペリカン。


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グラデーション

2010-07-01 00:15:18 | インポート
Natsu

 ここんところ気温、水温ともにグーンと上がってきて、シュノーケリングにも最適の季節に入ってきました。
 シーカヤックでしか入っていけない海岸線でシュノーケルするのは、より海とディープに一体化する気持ちよさがあります。

 アイランドストリームのワンデイツアーの最中にももちろんシュノーケリングを楽しんでいます。(写真は湯浅湾・かるも島の熱帯魚)

 ここ紀伊半島は、南に行けばいくほど黒潮の影響がグラデーションのように濃くなってゆき、それと付随してサンゴ、熱帯魚の色合いが増していくのも興味深い。その場所ごとの独特の変化を、シーカヤックに乗り全身でじっくり感じることはぼくにとって、日本人に生まれてきたことの大きな喜びのひとつだ。そして夏とは、そのグラデーション感覚を己の内側に塗りたくるためにあるような季節だ。

 シーカヤックでしか行けない場所で存分にシュノーケリングしたあと、たとえばオマール・ソーサなどのアフロ・ラテンジャズピアノなどを聴くと、一筆書きの海のうねりのようなリズムから散りばめられるピアノの音符一粒一粒が心の中でルリスズメダイになったりチョウチョウオになったりテーブルサンゴになったりイソギンチャクになったりしてカラフルに踊りながら弾け、揺らめき、流れ、消えてゆくのだった。


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