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プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

SUPもライフジャケットを着用しよう

2017-06-20 22:32:45 | 日記

 結構沖まで漕ぐカヤッキングの際、ライフジャケット(正確にはPFDという)を着用することは当たり前のように浸透していますが、SUPではかなり沖まで漕ぎ出すにもかかわらず、なぜか着用しない人も結構多いようです。
 最近特によく見かけます。

 とても危険です。反論として「リーシュを付けているから大丈夫だ」という人もいますが、リーシュのヒモが劣化していて千切れたり、外れたりすることって割とあります。ライジャケならばちゃんと着用していれば脱げないですが、リーシュって結構心許ないところがあるものなのです。

 ライジャケなしで沖にこぎ出し、途中で風が吹き付けてきて波も出てきて戻れなくなった。リーシュのヒモも千切れてしまった。ボードは流されていきました。
 さて、どうなるでしょうか?
 あまり頭を使わずとも、分かることですね。

 これからの水温の高い夏場、もし何かあってもライジャケさえ着用していればなんとかなりますので、そこのところよろしくお願いいたします。

 ちなみに当店アイランドストリームにはSUPは6台あり、スクールを2回以上受講した方にはレンタルしようかなと一時考えていましたが、しばらくはレンタルなしにしたいと思います。世の中には色んな方がおられますし、安全管理しきれないところがあるからです。
 SUPスクール、ツアーなどのプログラムはやっておりますので、どうぞご参加くださいませ。
 http://islandstream.la.coocan.jp/sup.html

 それ以外で自分で海に出たい方は、マイSUPをご入手の上、お楽しみください。


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梅雨の時期の海

2017-06-16 21:00:01 | 日記

 さて、梅雨時期に入りましたが、この時期の海とシーカヤッキングについてまとめた記事がありますので掲載しておきます。 
 http://islandstream.la.coocan.jp/tuyu.htm

 もうかれこれ10年以上前に書いたものですが、毎年毎年やってくる季節の特徴に大きな変わりはなく、またシーカヤッキングの楽しみも安全意識も同じですので、どうぞご参照ください。

 梅雨の初期~中期にかけて、海は比較的穏やかなコンディションに恵まれることが多く、イメージに反してよいシーカヤックシーズンとなります。また周囲の山々の緑が深く、そして潤い、まるで深呼吸するような息吹が感じられる、美しい時期です。
 海面から水蒸気が上がり雲を沸き立たせ、雲は山にかかり雨を降らせる。雨に潤った木々は艶っぽさを増し、山襞に水の流れを作り出す。水の流れはまとまって川になり、川はやがて海に注ぐ。そんな水の循環のハーモニーが如実に感じられる、なんと素晴らしい季節なのでしょう。

 また、海上に降る雨も、見ものです。海水と雨水は比重が違うので浸透せずはじかれ、玉のようになった雨粒が海面を一斉に転がります。その時のサウンドと転がる玉の美しさと言ったら・・・。
 俗に、真珠のカーペットと言いますが、雨が激しければ激しいほど見事さが表現されます。
 ぜひ一度、体験してみてください。


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アイランドステッカー

2017-06-15 23:14:10 | 日記

 当店アイランドストリームの新しいステッカーができました。

 ひとつ200円で販売していますが、Facebookのアイランドストリームのページに「いいね」を押して頂いた方には無料で差し上げます。当店にお越し頂いた際にその旨をお伝えください。


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時間と空間を旅して

2017-06-06 18:40:54 | 日記

 先日、当店アイランドストリーム前の湯浅湾・栖原海岸にアカウミガメが産卵上陸したと書きましたが、この海岸では23年ぶりの出来事だったようです。

 当店の地主であるYさんがその時のことを記録していたようで、23年前の母カメは120個を産卵し、孵化したのは100尾、海に帰ったのは80尾だったそうです。で、その時海に帰れず死んでいた赤ちゃんのカメ1尾をYさんが大切に冷凍保管していたのですが、私がこの店を全面借り上げる際にその赤ちゃんカメも引き継ぎ、実は今日まで冷凍保管し続けていました。

 それが上の写真の容器の中に入ったものです。

 もしかしたら先日上陸した個体は、23年前の赤ちゃんカメの1尾だったかもしれず、だとすればこの両者は兄弟姉妹だった可能性もあるということになりますね。

 もしそうなら、すごく感慨深いことですよね。

 いずれにせよ、ウミガメは平和、豊かさを象徴する神話的な存在でもあり、また自然環境の健全さを表すバロメータのような存在でもあります。幾世代も末永くウミガメが帰ってこられるような美しい浜辺を、是非とも守っていかなければと思いますね。


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アカウミガメの夢

2017-06-05 10:40:08 | 日記

 当店アイランドストリームの目の前の湯浅湾栖原海岸にて、アカウミガメが産卵上陸。今朝6時半くらいにツアー用カヤックを並べようと浜に下りたとき、なんかでかい岩が転がってるなあと思いきや、ウミガメだった。夜に産卵を終え、海に帰ろうとしてるところだったようだ。

 この浜では約20年ぶりの産卵上陸だったらしく、さっそく湯浅町に連絡し、産卵場に囲いを作って保護。
 20年前のその時に孵化したやつが世界の海を旅し、戻ってきたのだろうか? 
 そうだとしたら泣けてくる。

 昔、スティングに「ブルータートルの夢」というタイトルのやアルバムがあってよく聴いたものだが、このレッドタートルは世界の海を旅しつつ故郷の湯浅湾や栖原海岸の夢を見続けてきたのだろうか? あるいは満月の夜の海を眠りながら数億年前と変わらず三葉虫やアンモナイトの夢を見てきたのだろうか? 一体どこまで旅してきたんだろう。太平洋からさらにインド洋やメキシコ湾やアラビア海には行ったのだろうか? どんなサメやイルカやシャチや海洋生物と出会ったのだろうか? 
 ぜひ旅の話を聞かせてほしいよ。
 などと思うと胸がきゅーんとしました。


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ゴールデンウィーク周辺の海の注意事項

2017-04-29 22:07:53 | 日記

 ゴールデンウィークに入りました。

 ここ湯浅でも周囲の山々の鮮やかな新緑に囲まれながらの、
 心地よいシーカヤックツアーが連日楽しめていますが、
 この時期は時として風が強いことも多いですので、
 ご自分で海を漕がれる方は、
 十分注意してくださいね。

 そういや、この時期の海の注意事項について、 
 10年以上前に書いたエッセイがあったのを思いだしたのですが、
 結構参考になるのでリンクを載せておきます。
 どうぞご参照ください。
 http://islandstream.la.coocan.jp/spring.htm


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甘美なる梅雨の海

2016-06-11 23:42:14 | 日記

 さて、梅雨に入りましたが、
 梅雨こそ個人的に最も好きな季節です。
 というと、変な人と思うなかれ。

 確かに都会に住んでいると鬱陶しい時期ですが、
 逆に田舎で自然に囲まれていると、
 山々の木々や道ばたの植物たちが潤って、
 生き生きと呼吸しているような感じがして、
 すごくいいものなのです。
 特に紀伊半島では新緑が濃さを増し、
 みずみずしい生命感に満ちあふれていて素晴らしいと思います。

 都会で梅雨が鬱陶しく感じるのは、
 おそらく、周囲を取り囲むコンクリートやアスファルトや鉄などが、
 まったく呼吸せず、湿気を吸いこんでくれないからだろうと思います。 
 一日町を歩き回っているとものすごく疲れますね。
 その後、自然に囲まれた場所に戻ると、ものすごくほっとします。 

 また雨イコール海が荒れる、と思っている方も多いようですが、
 特に梅雨前半は一年を通じて、
 一番穏やかなコンディションになることが多い時期でもあります。
 前線が南海上で停滞すると、
 気圧配置そのものの急激な変化が生じにくくなり、安定するのです。

 当店アイランドストリームでも、
 35キロツアーや50キロツアーなどロング系をこの時期にやるのは、
 穏やかなコンディションになる確率が高いからなのです。
 どんよりと、雨が降るのか降らないのか分からない、
 煮え切らないような天気の日が一番海は穏やかです。

 水温、気温も上がってきて、
 初心者にもお勧めのカヤックシーズンです。

 なお、だいぶ以前に書いた、
 梅雨の海のエッセイをひとつ。
 シーカヤッカーにとってかなり参考になるかと思います。
 http://homepage3.nifty.com/creole/tuyu.htm 


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透明でクールで温かい晴れた冬の海のような音

2016-01-22 21:55:25 | 日記

 カヤックで海に出ると、
 風や波、潮騒の音のトーン、香り、湿度など自然の息吹と、
 自分自身の五感とがシンクロして、
 研ぎ澄まされた感覚になってくるといつも言っていますが、
 その感覚に包まれたあと聴くと、いつにも増して、
 一段と素晴らしく感じる音楽ってのもまた、あります。 

 そういう観点で最近はまっているのは、これ、
 ニューヨークの気鋭のジャズヴォーカル、
 グレッチェン・パーラトの音楽。

 彼女の音楽のよさは、一聴してとてもクール、
 ある種冷たいくらいの透明感がありながら、
 その実、とても情感が豊かで、聞いていると心が温かくなってくる。
 そういう微細なバランスにあるわけですが、
 これって冬の海を漕ぎ出でる感じととてもよく似ています。
 特に晴れて風のない日の海は、ピーンと冷たくはりつめた空気のなか、
 海水も海景も透明な美しさを解き放ち、
 その現場にいる者の目や耳や毛穴や、そこから繋がる心を洗ってくれる。
 そして南を通る太陽光線も相まって、ほっこりあったかい気分になってきます。
 ああ、なんて美しいのだろう、という喜び。 

 そういう感覚とシンクロする音楽。

 デスクワークなどしているときにBGMとして流していても、
 全然邪魔にならない上に、
 じっくり聞き入ると、「すごい音楽性の高い、洗練されたことやってるな」
 と、色んな発見があります。

 で、さらに冬の海に出て、冬の海に五感のチューンを合わせた後に聴くと、
 ビンビン来るものがあるのです。

 彼女の声のコントロール、
 メンバー全員のテクニックのすばらしさはもちろん、
 情感や音楽性の高さ、プラス、高い審美眼。
 これまで多種多様な音楽を聴き、咀嚼した上で作り上げた、
 新しいジャズだということがよくわかって面白い。 
 形態は正統的なジャズだけど、
 ロック、ブルース、レゲエ、ラテン、ボサノヴァ、ヒップホップ・・・、
 いわゆる「出尽くした」と言われるポップミュージックの世界ですが、
 それらたくさんの聴きこんできた上で、
 あえて誇りをもってやってるジャズという感じがするのです。
 別に他の音楽的要素を押し出してるということではなく、
 他のジャンルの音楽と比べた、
 ジャズの長所と短所をよく理解した上でやっている。 

 一音一音、そういう批評眼とか、センス、審美眼、
 志とか、ヴィジョンとかが込められている。そして何より、
 ジャズや音楽に対する愛が込められている。 

 そういうことも海からあがってじっくり聴くと、
 よく見えてくる。

 きっと、海と音楽は等しい。


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カヤックの奥義、アウトドアの真髄、自然の包容力。

2016-01-15 12:49:40 | 日記

  

 カヤックはアウトドアツールとして万能の乗り物で、
 トレッキングするように、サイクリングするように、
 人が通常立ち入ることができない海岸線や水辺を周遊・探索できるし、
 また、シュノーケリングの母船にも、
 細かくポイントを探る釣り用の舟としても、広く使われている。
 数十キロから100キロ近くの荷物を積むことができるので、
 キャンプ用品を積み込んで誰もいないスポットでのキャンプ生活はもちろん、
 長い旅や冒険も可能だ。

 自分の志向やイマジネーションに応じて、なんでもできる。
 追求すればするほど、他ジャンルの遊びへと繋がるスジ、
 広がり、互換性、可能性が膨らんできます。
 たまに「なんでカヤックばっかりにこだわるの?」という人もいますが、
 ほかの色んなジャンルの物事につなげていきたいからこそ、
 メインたるものを掘り下げていく必要があるわけですね。
 だからこそカヤックにこだわって長年やっているのですが、
 まあ、それらは目に見える、形になっている外面の部分ですね。

 プラスアルファ、一見目に見えない部分にも、
 素晴らしい魅力がある。
 それは、内面的というか精神的というか、そういう部分なのですが、
 カヤックで海や川に出ると、まず、
 普段とは全く違う次元の世界に入り込んだ感覚に包まれる。
 風や波、潮の流れや木々の香りといった、
 自然現象と自分の五感がシンクロし始め、
 やがてその感覚が極めて研ぎ澄まされたものとなってくる。

 まあ、そうしないと危ないわけで、
 生存に関わってくるからに他ならないのですが、
 無理にそうしているのではなく、自然な形でそうなる。
 リラックスしながらも、研ぎ澄まされる感覚。
 むしろとても気持ちのいいものだ。
 そして普段の生活では眠ってしまっている、
 生き生きした生命感とか、想像力とか、遊び心とか、
 色んなものが呼び覚まされるような意識になってくる。

 この、「研ぎ澄まされる感」
 「呼び覚まされる感」が半端なく色濃いのが、カヤックなんですね。
 なぜか? 
 色々理由づけすることもできますが、いずれにせよ、
 この高度資本主義の現代社会において、
 研ぎ澄まされる感覚なんてそんなに要求されないし、また、
 普段の生活において、生命感とか、想像力とか、遊び心って、
 あんまり必要とされていない(ほんとは必要で、それがないから
 日本経済も沈滞しているんだけどね)。
 どちらかといえば抑圧されているものだ。

 だけどそれこそが人間という生き物に備わったものであり、
 それらにフタをして生きてると絶対どこかに無理が出てくる。
 現代社会って、便利にできているけれど、不自然ちゃあ不自然で、
 生きている実感とか、あんまり意識しないようにできている。
 なんでもかんでも、余計なお世話なまでに便利に包まれて、
 自分で察知したり、工夫したりしなくてもすむようになっている。
 楽ちんなのはいいけれど、
 ともすれば自分の人生を生きている実感がなくなり、
 ルーティンかつやたら忙しい生活の中で、だんだん感性が鈍ってくる。
 下手をすれば心身が病んでくる。
 そうして社会全体が閉塞感に包まれて、息苦しくなってくる。 

 人間も自然の一部であり、この身体も、皮膚も、五感も、
 自然の変化や胎動に順応するように設計されているのだから、
 それを使う機会がなくなってくると、エネルギーや活力も落ちてきて、
 絶対どこかおかしくなってくる。
 だからたまにはその機能を十全に解き放ち、使った方がいい。 
 ロボットではない、アニマルでもない、人間性を取り戻すための時間。 

 だからアウトドアって大事なんだけど、
 特にシーカヤックをやっていると、それプラス、
 感覚をフルに使うせいか、より感性的ものを求めるようになってくる。
 感性をよりヴィヴィッドに研ぎ澄ませた世界、つまり、
 音楽とか、文学とか、映画とか、絵画とか、
 アート的なものを志向、求めるようになってくる。
 そういう意味で、上記したように、外面的な、形になって表れる部分と同時に、
 内面的な、一見目には見えない精神的なところでの他ジャンルへと繋がるスジ、
 広がり、互換性、可能性も膨らんでくるというわけですね。 
 ここまでいくと、ほんとに奥深いし、素晴らしく面白い世界になってくる。
 シーカヤックというジャンルはおろか、
 アウトドアというジャンルすら、越えてゆくわけですね。

 カヤックの奥義って、本当はそこにあるんですよ。 

 さて、21世紀も、はや16年目に入ろうとしていますが、
 21世紀とは、自然との共生の時代。
 それなくして人類はもう持続的にやっていくことはできない。
 エネルギ―問題も、水・食料の問題も、貧富の格差の問題も、
 戦争と平和の問題も、人心荒廃も、実は全部「環境の問題」なわけです。
 絶対もっともっと自然に触れた方がいい。
 それもただ眺めるのではなく、
 その自然と一体化するような行為に興じてみること。
 そこからきっと、新しい未来が広がってくる。

 自然は金持ち貧乏人問わず、
 誰にも等しく、美しさと厳しさの両面を見せてくれる。
 老若男女も関係ない。
 若いから感性が豊かで、年取ったから鈍ってくるということもない。
 むしろ逆だったりする。
 悪い意味での世の固定観念を取っ払って、
 心をデフォルト状態に戻してくれる場所、
 本当の自分自身に気づかせてくれる空間。

 自然の鼓動、地球の息吹にもっと触れ、人生を豊かにしていくために、
 今年こそぜひみなさん、カヤックを始めてみましょう。
 できれば一回きりの体験もいいけれど、
 色んな季節や場所を経験してみる方が面白い。
 そして自艇を持ち、自分であちこち行ってみると、
 やがてぼくの言っているようなことがお分かりいただけることでしょう。 


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潮流の世界への旅

2015-12-14 17:24:44 | 日記

 しばらくブログをさぼっていました。

 先日、瀬戸内カヤック横断隊から帰ってきました。
 山口県・祝島からシーカヤックを漕ぎ、途中様々な島でキャンプしながら香川県・小豆島を目指す、7日間、約280キロの海旅。ツアーではなく、有志のシーカヤッカーが自由に集まってチームを組むのですが、面白いのは誰が来るのか、何人参加するのか、集合場所に行くまで分からないところです。カヤックのハッチに積み込む7日間無補給分の食料、水、キャンプ道具はもちろん、現地までの艇の運搬から終了後の回収まで、誰がお膳立てするわけでもなく、全て自分自身で完結させることが前提になっています。なのでやる気のない人はもちろん来ないのですが、参加したければ下手だろうが上手かろうが、老若男女どこの国の人間だろうとOKというように、限りなくオープンに門戸が開かれている。
 そういうところが海文化特有のノリなわけですね。
 いずれにせよシーカヤックって海岸線散策、釣り、冒険、キャンプ、シュノーケリングなどなど、いろんな遊びに派生させていくことができるアウトドアの王様的存在なのですが、こういう最低限の衣食住をパッキングして移動していく海旅にこそ、エッセンス、真髄が集約されています。

 今回は19人の参加でした。
 今年は毎日のように向かい潮、向かい風に翻弄され、結局小豆島にはたどり着けず、岡山県・笠岡諸島の白石島で終了となりました。・・・というと、「完漕できなかったのか・・」となりがちですが、あくまで目標地点として小豆島があり、「そこに行けなければ失敗」とかそういうものでもないんですよね。最善を尽くしてコース取りを考え、ナヴィゲーションを行いながら進んでゆき、結果として白石島で終了したというだけの話です。一番大事なのは全力を尽くしつつ、無事に帰ってくること。距離は漕げれば漕げたに越したことはないけれど、距離は目的ではなく、手段。本当の目的は7日間の海旅を通して自分が何を思い、感じ、考え、そして何を得たかというところなんですよね。冒険的要素は多々あるけれど、別に冒険ってわけではない。レースでもない。思い出づくり、記念碑的イベントでもない。まあハタから見る分には、「ゴールしたか否か」という形しか見えないもんだから、漕破とかそういう観点で横断隊の意義を見がちだけれど、実際は参加者にしかわからない実感、海から何を得たか、どんな気づきがあったのか、という内面的なところに本質があるわけです。

 まあその辺のところは改めてレポートを書くことになっているのでここでは突っ込んだことは書きませんが、今回は特に瀬戸内の潮流の複雑さ、不可思議さについて思い知らされましたね。海図とか潮汐表とか色々を駆使して、だいたいの予想を立てながら進むのですが、追い潮のはずなのに全然潮に乗らなかったり、思わぬところで激潮が走っていたり、去年流れていた場所が全然流れていなかったりと、頭で考える領域を超えているのはもちろん、しばし科学的な方程式も当てはまらないことがあったりするのが海という世界。
 ほんとに難しい世界だなと思いましたね。
 一朝一夕でわかる世界ではない。
 潮流って月の引力によっておこるもので、その流れが地形や風や波や様々な要素が加わることによって千変万化する。その微細さ、ダイナミックさは人智を越えているなと実感するわけですが、そんな海の鼓動を如実に感じることができる乗り物って、こんにち、シーカヤックくらいしかないわけですね。裸一貫で、自分の命で真剣に対峙することによって感じることのできる、本当の息吹、鼓動。
 簡単にわかる世界ではないけれど、わからないということが分かる。
 世の中にはまだまだ人智を越えた世界がある、自然とは本当に複雑に、精巧にできているということが身をもってわかる。
 そういうのって、本当にリッチなことだと思いますね。

 まあ、ニブい人にはわからないだろうけれど、わかる人もだんだん増えてきている。 


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ウォーターフィールドがやはりイチオシ

2015-11-16 23:08:21 | 日記

 今日はウォーターフィールドのシメスタ500の新艇の進水式に立ち会う。

 ウォーターフィールド社のシーカヤックは最も信頼のおける国産カヤックメーカーで、アイランドストリームでもイチオシにお勧めしています。何が違うかというとやはりビルダーの水野氏ご本人がシーカヤッカーであり、高い職人気質をもって作られているところですね。作る人が、シーカヤックをやる人なのかどうかというのは当たり前の話だけど重要な点で、やはりカヤックツーリング、カヤック旅する人の側に立った艇は、その人がやらないとわからんところもあると思うんですね。やらんと、ユーザーの要望とか、言ってることも理解できんだろうし。

 細かいところまで計算された作りでありながら、シンプル。メンテナンスフリーでトラブルなく末永く使える艇のラインナップ。やはり本当にシーカヤッキングが好きで作られていることが、使っているうちによく分かってきます。なので、漕げば漕ぐほどほどしっくりきて、「これにしといてよかった」と思えてきます。シーカヤッキングに対するリスペクトを感じられる艇って、世の中案外少ないんですよ。「は?」と思う話ですが。漕ぐこと、ツーリングすること、海旅すること、その行為に対して、その行為をやる人間に対してリスペクトがあるかないか、それは乗ってみるとわかるものなのです。ただの商品ではない、スピリットのこもったウォーターフィールドのシーカヤック。もちろん当店でも販売、取り扱いしています。(艇のラインナップはこちら
 艇選びのアドバイス、ご購入後のスキルやフィールドのアドバイスなども含めて、的確にあなたのカヤックライフをサポートいたします。


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Girls

2015-11-16 21:52:50 | 日記

 先日、関空近くからスタートして愛知まで紀伊半島一周単独カヤック旅をしている女性カヤッカー・サエミちゃんが当店に訪ねてこられました。彼女は愛知県のカヤックショップ「レインボー」さんのスタッフでもあり、いわば同業の仲間です。美しい場所はゆっくり、単調な場所はサーっと漕ぎ、魚影の濃そうな場所ではカヤックフィッシングに興じ、流木の多い浜を見つけてキャンプして過ごすという毎日。それは究極のカヤック旅の醍醐味。やはりシーカヤックの真髄って旅にあるんですよね。男と違って女性の単独海旅は、なかなか大変なところもあると思うけれど、ぜひ無事に実りある素晴らしい旅を!!

 出発の朝、ちょうど新艇を配達してくださったウォーターフィールドの水野さんも交え(なんという奇偶な顔ぶれ)業界にまつわる色んな話をしました。その後水野さんは次の配達のため滋賀へ、サエミちゃんは産湯海岸方面に出艇、ぼくは南白浜ツアーのためカヤック積載トレーラーを転がし、それぞれの目的地へと旅立っていきました。

 南白浜では前日の豪雨で、ツアーフィールドの河口付近は泥水の流れと風波とがぶつかりあって危険な状態だったので、急遽田辺湾ツアーに変更しました。この日、以前にもお越しいただいた伝説の87 years youngのカヤックガールも参加されました。前線が抜けた後の北西風が結構吹いていてどうなるかなと思いましたが、気持ちのこもった粘り強いパドリングのおかげで神島(かしま)方面に行くこともでき、いい一日となりました。
 ちなみにここ神島では、来年の4月22日のアースデイ前後に恒例のゴミ調査&クリーンアップカヤックイベントをしようと考えています。詳細はまたお知らせしますが、皆さんぜひご参加を。

 それにしても、女性カヤッカーの存在はうれしいものです。シーカヤックって、最低限のスキルと体力は要るけれど、あとは洞察力や判断力さえ身につければ誰でもできるものです。競技スポーツと比べて、むしろ感性、感覚を豊かにする乗り物なのですが、女性は本来的に海に対する豊かな感受性を持っていると感じます。全ての生命を産み、はぐくむ偉大なる海。心を癒し、落ち着かせ、生き生きとさせてくれる空間。そんな海を全身で感じることのできる最良のツールがシーカヤックです。先入観を取っ払って、もっと増えてほしいと思いますね。 


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夏至近い夕陽

2015-06-03 09:26:52 | 日記

 先日行った田辺湾・天神崎からの夕陽。

 紀州もここまで来ると、太陽も完全に海に沈む。 

 息をのむようなひととき。 


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遊ばなきゃ大事なことはわからない

2015-05-13 17:19:52 | 日記

 アイランドストリームでは定期的に、
 環境NGO「JEAN/クリーンアップ全国事務局」の活動と連動した、
 「海ゴミ調査&クリーンアップ活動」を実施していますが、 
 先月4月25日に開催したアースデイイベントでは、
 当店目の前にある栖原海岸にて行いました。

 これ、ゴミのクリーンアップだけじゃなくて、
 どんなゴミがどれだけあるのか、
 調べるところがミソなんですね。
 
 ①世界統一フォームに則り、海岸漂着ゴミを掃除しつつ、
  どんな種類のゴミがどれだけ流れ着いたのか調査。
 ②結果を集計し、レポートを事務局に提出。
 ③同じように全国各地さまざまな場所で行われた調査結果が事務局に集結。
 ④さらに、全世界で行われた結果と共に、
 アメリカの環境NGO「オーシャン・コンサーバンシー」に集結。

 目的⇒世界の中の日本、日本の中のこの海域、
 という具合に世界の視点からローカル特有のゴミの傾向がわかり、
 また発生起源を分析することも可能となります。
 なので、ただ掃除するというだけでなく、
 皆さんに協力していただいた今回のデータも、
 貴重なものとしてのちのち生きてきます。
 

 実は、海ゴミ問題って、地球環境問題の大きなトピックのひとつで、
 ただ掃除するだけではどうしようもないレベルなんですよ。
 しばらくしたらまた次から次とやってきます。
 それよりゴミ調査によってゴミの発生起源を知り
 (8割は陸からのゴミが流れ着いたもの)
 ゴミを断つアクションを起こしていかなきゃいけないわけですね。

 さて、今回のこの栖原海岸は、基本的に、
 ぼくらも含めて定期的に色んな人が掃除しているので
 比較的きれいですが、テトラの裏とか人目に
 つかないところにたくさんゴミがありましたね。
 まあ、それは普段からわかっちゃいるけれど、
 っていう隠れゴミですが、あえてそれを引っ張り出すと
 計12キロになりました。 

 それからここのローカルの特徴として、
 恥ずかしいことですが、煙草のフィルターが目立ちました。
 ほか、データカードの中の多いゴミトップテンは次の通りです。 

 1:たばこのフィルター 
 2:プラスチックシートや袋の破片 
 3:発泡スチロール破片
 4:硬質プラスチック破片
 5:プラスチック発泡・スチロール梱包材 
 6:食品の包装・袋
 7:たばこのパッケージ、包装
 8:レジ袋
 9:プラスチックふた
 10:紙袋

 とまあまあ、分解しないものがたくさん集められました。
 いつもの砂浜でもこうやって集計してみると、新たな角度から
 色々考えさせられましたね。
 なお、 このゴミ調査&クリーンアップは、次回6月13日(土)~6月14日(日)に
 開催する「湯浅湾シーカヤックフェスタ」の際にも実施します。
 (2日目14日の夕方に行います)

 それからその次には9月に、南紀・田辺湾の神島にて実施しようと考えています。
 カヤックで島に渡って調査したゴミをカヤックで運んで帰るという、
 去年もやったやつで、次もやるとすれば神島では
 はや、五回目ということになりますね。
 天然記念物の無人島での海ゴミ調査。 

 ところで「太平洋ゴミベルト」ってご存知でしょうか?
 ミッドウェーやハワイ北西部のはるか沖合の海上に、、
 分解されないプラスティック系ごみが大量に浮遊しているエリアが存在します。
 その量たるやハンパではなく、なんと日本列島の4倍の面積に値する
 「ゴミ大陸」が形成されています。
 それが太平洋ゴミベルトなのですが、
 ゴミの発生起源は日本を含む東アジアの沿岸諸国です。 

 太平洋には、大洋を大循環する黒潮が流れていますが、
 ちょうどミッドウェーやハワイ北西部あたりが流れのよどみになり、
 沿岸諸国から出た分解されない石油製ごみの、
 吹き溜まりとなっているわけですね。
 
 ということで海ゴミ問題って、
 「地球環境問題」の大きなトピックのひとつなのですが、
 なぜか知られていません。
 それだけ今の世の中の人々が海に目を向けていない現れですが、
 とにもかくにも海にはたくさんのゴミが漂い、
 場所によっては想像を絶するほど溜まっているわけですね。

 急にどうこうできる問題ではありませんが、
 そういう事実にもきちんと目を向けつつ、
 遊びたいものだと思っています。
 遊ばなきゃ大事なことはわからない時代だと思います。 
 ※太平洋ゴミベルトのことについては、
 このサイトなどもご参照ください。 


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中紀の海岸線の魅力を

2015-05-08 20:54:27 | 日記

前回の記事にて、来たる5月16日(土)に開催する、
黒島ツアー」のお話をしましたが、
その翌日5月17日(日)に、中紀・産湯海岸でのツアー
催行します。この2日間は連動していて、
いわば「中紀の海岸線・新発見シリーズ」ですね。 

ここは、湯浅湾と山ひとつ隔てただけの海岸線でありながら、
南国の風情がとても強い所です。
また周囲に川の流れ込みが少ないせいか、
海水の透明度が高く、
そして植生も濃密で、
この初夏の時期、ひときわ華やかな様相を呈します。

湯浅湾を何度か漕いだことがある人なら、
こことの空気感の違いを肌で感ずることができ、
さぞかし不思議な気分にさせられることでしょう。 

ここも何回来ても飽きないフィールドです。
屋久島や都井岬や足摺岬や潮岬に生える、
いわば「黒潮沿線のマイルストーン」のような植物、
「アコウの木」も見ものですし、
沖に向かって岩が点在する、
「プチ橋杭岩」もいつ見ても面白い。
そしてたくさんの無人の砂浜・・・。 

16日の洞窟だらけの無人島・黒島と、
17日の黒潮のホットスポット・産湯海岸、
この2つを漕いでみると、
中紀の自然の素晴らしさが、
心にドーンと迫って来ることでしょう。 
(もちろん片一方だけの参加も歓迎です) 

16日の晩は、アイランドストリームのベースで、
バーベキューパーティ&宿泊も可能です(宿泊特別無料)。
ぜひ中紀の海岸線の魅力をご堪能ください。 
http://homepage3.nifty.com/creole/ubuyutour.htm 


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