



近江八幡桜シリーズの合間に、奥琵琶湖の海津大崎とともに、
若狭湾・小浜周辺の蘇洞門(そとも)エリアも漕いできました。
蘇洞門は洞窟、奇壁・奇岩、滝・・・と、
断崖絶壁海岸のおいしい見所を凝縮したような景勝地で、
そともめぐりの観光遊覧船なども出ていますが、
やはりこういう場所こそシーカヤックがいいんですね。
小さい洞窟や細い水路もガンガン進むことができて、
ほんとに楽しいゾーンです。
楽しみつつ、やはり悠久の時間スケールで作り上げられた、
景観の厳かさ、神々しさ。
大自然のエネルギーに圧倒され、頭を垂れずにはいられなくなるわけですが、
そこに立ち並ぶ原子力発電所。
ここは原発銀座のエリアでもあり、
自然の凄さに圧倒されつつ漕いでいると、
ふと原発の建屋などが目に入ります。
海上から見る原発ってのは、大自然のものとはまた違う、
妙な神秘性があるんですね。
不気味な厳かさ、アンタッチャブルさとでもいうか。
一番上の写真は、洞窟の奥から見える大飯原発なのですが、
大自然の神秘性と、原発の不気味さ。
その両者が自分の中でクロスするような感覚に、
すごく違和感を覚えましたね。
ほんとはつべこべ言わずに大自然の営みの凄さを、
ただただ味わえればそれでいいわけなのですが、
そうはいかないのが現在という時代。
そのおかしさを改めて想います。
現代社会の便利さの影には、裏には、色んな矛盾点が隠されているわけですが、
環境破壊や乱開発、ゴミ問題や汚染等々、
アウトドア活動をやっていると、時としてそれを露わに見てしまう事がある。
その時の違和感を「慣れっこ」にならず、
いつでもきちんと違和感として感じる感性だけは失いたくないものです。