Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

詩とともに。

2015-05-12 23:52:54 | 出たもの
「詩は紙の上に在るものではなく、日常の中に芽生えるもの、目撃してしまう一つの現象だと思う。詩が好きだからこそ、変わっていくことを恐れずにいたい。詩を生かしたい。詩に生かしてもらいたい。そっと見ていてください。どこで何をしていても、私は詩と向き合っています。その限り、私は私で在り続けるのです」
―――文月悠光「屋根よりも深々と」あとがきより


ごまかしようのないもの、その人からにじみ出るものがあると思う。

2015年5月11日、ポエトリーリーディングオープンマイクSPIRIT。ゲスト・文月悠光のパフォーマンスからは、取り繕おうとするでもなく、虚勢を張るでもなく、相利共生的な関係で詩とともに生きる、そして生きてきた、これからも生きていくという本人の姿勢と存在感が力強く、同時に優しくしなやかに放出されていた。



会場にはいつにも増して、詩やポエトリーリーディングというものに日頃触れる機会の少ない方がたくさんいらっしゃっていたが、今回ほど、終演後にそのような方々に「良いイベントでした」と言って頂けたことは一度もなかった。18歳7ヶ月での中原中也賞受賞以来、数多くの物事と様々な形でコミットする中で、彼女自身の中から零れ出ていった言葉たちが、『詩』という実体のもとに大勢の人々を静かに惹きつけ続けてきたことを、尊敬の念とともに改めてリアルに実感する。息を呑むような30分間だった。

休憩明けのオープンマイクにご参加くださったのは、登場順に

並四ラジオさん
そにっくなーすさん
さとうさん
マエキクリコさん
石渡紀美さん
ユウサクさん
キムラヤスシさん
キタヅメトモエさん
ジュテーム北村さん
麻生有里さん
あしゅりんさん
川島むーさん

という皆様。詩の朗読にとどまらず、歌、クイズ、中国武術の演武まで、自らの意志でステージに上がるオープンマイカーたちのパフォーマンスそれ自体を、観客の皆様が楽しんでくださっていたのが印象的だった。

オープニングはURAOCBがスポークンワーズに対するアティテュードを勇気とともに声にのせ、ラストは私が「24時間スーパーの恋」を朗読した。

今、何ができるのか。今、何をするのか。受け手の目の前で肉声で語られる声と言葉のイベントの主催者として、またひとりの表現者としての自分自身と改めて向き合わせてくれるような夜だった。感謝。

次回SPIRITは、再び第一月曜開催に戻り、6月1日の開催となる。

URAOCB選定によるゲストは、前里慎太郎

皆様、

どうぞご期待ください!

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