Islander Works

書いて、読んで、人生は続く。大島健夫のブログ

水鳥の足を思う。

2016-01-05 12:20:50 | 出たもの
2016年最初の「POETRY READING OPENMIC SPIRIT」のゲストは、役者・朗読詩人、川島むーさんであった。

思えば、SPIRITの前身にあたるイベント、Poe-Triでは、むーさんは5年間で19回も出演して頂いた。初めて出会ったのは2007年の詩のボクシング神奈川大会である。その間、「むーさんは最近あまり読んでいないらしい」とか「しばらく休むって」などという声を聞いたことは一度もなかった。常に定期的にどこかで何かをやっていた。ごく普通のことではあるが、やはり尊敬に値することだ。当たり前のことだが、人間は誰でも、それぞれの生活でそれぞれの事情と直面しているのであって、それは他の人間からは、とりわけステージ上で行われることのみを介して繋がっている人間関係の上からは窺い知ることのできないものである。

もちろん、むーさんはずっと続けているというそのこと自体が偉いわけではない。そのパフォーマンスのクオリティが保たれていて、お客さんに何かを感じさせることができるからこそ素晴らしいのである。一回一回のステージに何が込められているかということはとても厳然たることで、その前では理屈も言い訳も自己正当化も、すべて無意味なものになってしまう。

今回のむーさんは、得意の「物語騙り」シリーズから軽妙な新作まで、高いスキルに裏打ちされた楽しいステージ。



主催者が好みを言うべきではないが、敢えて言うと、私は新作が一番、好きであった。それはやはり、むーさんが進歩することをやめず、水鳥の足のように水面下であがき続けている証左だと思う。この次はどんな作品を手にステージに上がるのだろう。そういうワクワク感を覚えさせてくれるパフォーマーは美しい。

オープンマイクにご参加くださったのは、

ユウサクさん
ジュテーム北村さん
井出マサヒコさん
さとうさん
死紺亭柳竹さん
津田一矢さん
木内龍さん
タヤマさん
llasushiさん
かとうゆかさん
あしゅりんさん
もがくひとさん

という皆様。なぜか12枠中11枠が男性であったが、全員気合に満ちており、充実の内容だった。

オープニングはURAOCBが、ラストは私が新作の「おはよう」「やっちゃん」の2篇を朗読させて頂いた。

SPIRITは今年も、第一月曜に渋谷RUBY ROOMで開催を続けてゆく。

次回は2月1日、URAOCBセレクトのゲストはポエトリースラムジャパン代表・村田活彦さんだ。

読みたい人も聴きたい人も。またお会いできますことを楽しみにしております。どうぞ今年もよろしくお願いいたします!



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