函館 Glass Life

函館市田家町で眼鏡店「サポートGlass」を営む店主の趣味と感じたことの
日記です。

西郷の誤算!!

2008-07-21 | 歴史
いよいよ天璋院の誕生ですね
天璋院VS井伊直弼VS薩摩の戦いが始まるのです

いくら家定の遺言とは云え、井伊直弼が家茂の後見に
天璋院を認める筈がありません
表立って無視は出来ないでしょうが、これからも家定
の遺言を骨抜きにする筈です。
そうでなければ大老として権力を振るう事など出来な
いのですから…
直弼が暗殺される桜田門外の変までの天璋院と直弼の
駆け引きは見応えがあるかも知れませんね

薩摩でも主導権争いが始まりました
深いところで繋がっていた斉彬と忠教兄弟、その斉彬
の遺言を実行に移すべく考えていた忠教なはずなので
すが、二人の父でもある斉興がまたぞろ実権を握ろう
と動き始めるのです
全く、老害もいいところですよね。
一度覚えた味は忘れられないと云う事なのでしょうか??
しかし忠教は父の斉興には逆らえなかった様ですね
実際のところ新藩主の後見役・忠教(久光)が実権を
握るのはもう少し先の事になるのです

斉彬の死から中々立ち直る事が出来ない西郷ですが、
月照に諭され、斉彬の意思を継いでもう一度動き始め
ましたね
しかし、その月照も安政の大獄の犠牲になってしまう
とは…
京都から薩摩に逃れるのですが、幕府を恐れた薩摩は
何と月照を追放することに決定してしまうのです。
責任を感じた西郷は月照と共に入水しますが、生命力
体力の際立った西郷だけが助かります
人間、ついていない時はとことんついていませんよね
この後西郷は遠島になり政治の表舞台から一時姿を消
す事になりますが、遠島になった西郷に代わりいよい
よ大久保が藩政に関わってくるのです
大久保は忠教に取り入る為に必死だった様ですね
その甲斐あって、いよいよ大久保にも日が当たる時が
来るのです。

斉興も亡くなり忠教が兄の意思を継いで幕府改革に乗
り出すのも、そう遠くないのです

ところで
西郷が助けようとした月照ですが、尊王攘夷の塊の様
な人だったらしいのです。
安政の大獄が始まると、京都でも尊王攘夷派が次々と
捕縛され始めるのです。
危険を察した近衛忠熙は西郷に月照の身を預けるので

西郷は迷わず月照を薩摩に連れて行く事を決意するの
ですが…
ところが、斉彬が藩主だった時の薩摩とは違っていま
したね
西郷の誤算です
当時の薩摩藩は幕府から睨まれるのを恐れ月照を追放
する事に決めてしまったのです。
この事一つとっても忠教がまだ藩の実権を握っていな
かったと云う事の証明でしょうね。
又、西郷の考えも少し甘かった様に思うのです。
もしかすると西郷にも慢心が有ったのかも知れません。
自分が動けば月照は簡単に救えると…

当時、薩摩では関を出ようとした者を嬲り殺しにする
習慣があったと言われています
琉球での密貿易もしていた薩摩なので、国境警備には
さぞかし目を光らせていたと思うのです。
関の警備がうるさいのも当たり前ですよね。
月照を追放すると云う事は即ち死を意味しているので

義に厚い西郷のこと、月照一人を死なせる事など出来
るはずがありません。

西郷にとって運が良いのか悪いのか、蘇生した西郷で
すが時代がまだまだ彼を必要としていたと云う事なの
でしょうか

『大君の ためにはなにか 惜しからむ 薩摩の瀬戸
に 身は沈むとも』
月照の辞世の句と言われていますが、尊王攘夷に凝り
固まった月照らしい句だと思いませんか

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする