田舎者ですが(^◇^)

会津の四季やローカルな話題、日常の出来事などを不定期ながら少しずつ綴っていきます。

日本田舎ばなし 「美智也と佐助」<作 Micchii>

2011-09-25 07:59:10 | 
ある田舎に一人の乞食と一匹の猫が住んでおったそうな。
乞食の名は美智也、猫の名は佐助とか申しておったのう。
.
美智也「お~い佐助ど~んぶり!」
佐助「にゃにか?」
美智也「さっきから気になっておったんじゃがいも。」
佐助「にゃにが?」
美智也「ちょっと首の後ろを見せてくれよん。」
佐助「あい・・・くるりんぱっ!」
美智也「これは何だな~す?」
佐助「これはばんだなだにゃ。」
美智也「ほえ~?誰がこんなもの着けたんだようかん?」
佐助「あい、てんにょちゃまにつけてもらいまちた。」
美智也「何か書いてあるじゃないかすてら?」
佐助「じゅうしょとでんわばんごうでちゅ。」
美智也「ひょっとして天女様が書いてくれたぬきそば?」
佐助「あい、まいごになってもだいじょうぶなようにとかいてくれまちた」
(以下せりふ省略)
美智也と佐助は山の奥にある川に魚釣りをしに行きよった。
美智也は佐助の好物の魚をたくさん釣ってやろうと張り切っておったのじゃ。
しかし、何時間経ってもどういう訳か魚は釣れなかった。
その内、上流から大きなジャガイモがどんぶらこっことたくさん流れて来おったので美智也は拾ってかごに入れた。
すると、今度は大きなタマネギがどんぶらこっことたくさん流れて来おったので又拾ってかごに入れた。
しばらくすると、今度は大きな豚肉の塊がどんぶらこっこと流れて来おったので又々拾ってかごに入れた。
しかし、その後も魚は釣れなかった。
その内、佐助はたまたま通りかかった黒猫の後を追いかけるようにようにしてどこかにいなくなってしまったのじゃ。
美智也はその後佐助が気になって仕方がなかったのじゃが、日も暮れ始めたので重いかごを背負って山を下り家路を急いだ。
家のそばまで来ると、何やら怪しい女達が多勢美智也の家の前におるのが遠くから見えた。
何やら変わったお揃いの衣装を着込んだ女達は全員十代後半からニ十代前半位のようじゃった。
女達は合唱しておった。
どこのコーラス隊かと思って、良く見たら皆美しそうな天女様達だったので美智也はびっくらこいて腰抜かし屁をこきおった。
すると、皆同じ顔をした天女様達が一斉に振り返ると「お帰りなさい、ご主人様~♪」と合唱したので二度びっくらこいて今度は本当に立てなくなってしまった
のじゃ。
美智也は天女様達に担がれて家の中に入った。
それから、天女様達は美智也が持ち帰ったジャガイモとタマネギと豚肉で肉ジャガを作った。
ニンジンを忘れたがそんなことは気にせずとも良いわ。
そして、天女様達が持ち寄った酒と肴で大宴会がおっぱじまった。
歌や踊りの大どんちゃん騒ぎで夜も更けていったのじゃった。
何い、佐助はどうなったのかじゃとな?
迷子になっても首につけたバンダナに住所と電話番号が書いてあるから、誰かが見つけて送り届けてくれるじゃろうて。
佐助の事はさすけねえ(大丈夫)。
お後がよろしいようじゃのう。
めでたし、めでたし。
コメント (10)
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