NPO再生塾主催・公共交通に関するセミナーに参加しています。今日は、町内各小学校の運動会でしたが、セミナーのフィールドワークと重なってしまいました。阪急電車・川西能勢口に9時15分集合、川西市のオールドニュータウンを現地調査。土曜日とはいえ朝の通勤時間は混み合っており、市より事前にいただいていた資料等に立ったまま目を通しました。
参加者13名(学者・コンサル関係者・行政マン・議員)。午前中は川西市の都市計画、区画整理、企画財政部の担当職員より説明を受けました。住民の代表として素人目線で視察しながら、他のメンバーの専門的な眼差しを共有することができました。
自治体はいずこも議会前後、あるいは真っ最中で、職員のみなさんは疲れを隠せない印象。答弁の準備で昨夜は2時まで庁舎にいたという人、秋祭りの交通整理で11月まで土日は休みなしという人。各市それぞれの事情で行政マンは多忙であることに驚きました。
川西市の職員さんも委員会を終えたばかりとのこと、お答えが答弁のような言いまわしになってしまいました、などとおっしゃいました。本当にお世話になりました。午後は能勢電鉄と地元のさまざまなバスを乗り回し、市内複数の大規模団地を渡り歩き、猪名川町方面にも行きました。
ベットタウンして高度成長期に大型開発により発展した街であり、規模は違っても島本町との共通点が少なくありません。生活者の目線で、今日の視察の感想&拾った課題を一部ご報告します。
1)川西市には、大規模開発が10箇所、東西に各5箇所。東軸は能勢電、西軸は阪急バス(道路)を頼りに開発され、開発当初、公共交通のあり方に町は特に関与はしていない。調整区域の山を切り開いたため、地形の影響を受けているので団地間のつながりは希薄。
また、既存住民への影響を少なくする目的で当該地区の開発規模に合う施設配置を行ったため、基本的に横のつながりを必要とせず、開発地域内で歩いて暮らせる町であった。それが過去のものとなりつつある。
女性の社会進出の形態や年齢により、地域内で生活が成り立っていた時代があった反面、団地内に中学・高校がなく、遠距離通学の問題があり、子どもへの負担の大きさが気になる点であった。教育面から、若い世代にとっての魅力に乏しいということになる。
※中学生・高校生が通学にバスを使うとすれば(実際乗っている)、団地間の横のつながりを創造するヒントが眠っている可能性があるのではないか
2)川西病院を主な行き先とする試験的な運行結果
利用者の数が少なかった理由は、バスのニーズ以前に川西市民病院そのものに問題があるといえる。さらには市内複数の医療機関の利用状況に関連しているということもわかった。
経営状態の悪化(毎年4~5億円の赤字を出し、約9億円を一般財源から繰り出し)、医師の減少と確保困難(平成21年に6名退職)、従事者のモチベーションの問題などの点から、総合病院としての魅力に欠けるという実態が、コミバス試験運行結果の背景にある。
川西病院は、能勢町・猪名川町・豊能町の共通の拠点として当該地に移転されており、利用状況は川西市民7割、3町民で3割とのこと。この点、バスに関しても、広域行政を模索できる可能性があると感じた。
一方、中部には送迎バスのある病院、市役所近く、南部にも総合的な病院があり、自衛隊阪神病院も来年から一般診療を開始する予定とのこと。川西市民は、池田市・宝塚市・伊丹市の市立病院も利用している。
※川西病院へのアクセスという視点ではなく、地域医療を総合的にみてバス路線を考える必要はないか
※住宅内に点在する、いわゆる「町医者」「かかりつけ医師」も含めた医療マップつきバス路線図などがあれば福祉的地域活性化につながると思う
※試験運行結果資料の利用者意向、「個人協力の内容」で、「友人・知人に乗るように働きかけたい」79%「負担金を払ってもよい」32%という回答に希望を感じる。継続していれば、利用者数が伸びる「芽」ではないか。
など、歩いて感じたことも、資料から見えることも貴重でした。高齢化率36%という大和団地の自治自立精神についても、おおいに興味をもちました。追って専門家のコメントを得て、メンバーで互いのレポートを共有し、グループごとに課題を決めて議論を重ね、解決策を模擬的に考えるようです。楽しみです。
画像は、能勢電鉄「日生中央」駅
終点なのに「中央」とはこれいかに
開発がここでピタッと止ったことが
駅周辺の様子をみて理解できました
時刻表をチャックしているのはメンバーのみなさん
参加者13名(学者・コンサル関係者・行政マン・議員)。午前中は川西市の都市計画、区画整理、企画財政部の担当職員より説明を受けました。住民の代表として素人目線で視察しながら、他のメンバーの専門的な眼差しを共有することができました。
自治体はいずこも議会前後、あるいは真っ最中で、職員のみなさんは疲れを隠せない印象。答弁の準備で昨夜は2時まで庁舎にいたという人、秋祭りの交通整理で11月まで土日は休みなしという人。各市それぞれの事情で行政マンは多忙であることに驚きました。
川西市の職員さんも委員会を終えたばかりとのこと、お答えが答弁のような言いまわしになってしまいました、などとおっしゃいました。本当にお世話になりました。午後は能勢電鉄と地元のさまざまなバスを乗り回し、市内複数の大規模団地を渡り歩き、猪名川町方面にも行きました。
ベットタウンして高度成長期に大型開発により発展した街であり、規模は違っても島本町との共通点が少なくありません。生活者の目線で、今日の視察の感想&拾った課題を一部ご報告します。
1)川西市には、大規模開発が10箇所、東西に各5箇所。東軸は能勢電、西軸は阪急バス(道路)を頼りに開発され、開発当初、公共交通のあり方に町は特に関与はしていない。調整区域の山を切り開いたため、地形の影響を受けているので団地間のつながりは希薄。
また、既存住民への影響を少なくする目的で当該地区の開発規模に合う施設配置を行ったため、基本的に横のつながりを必要とせず、開発地域内で歩いて暮らせる町であった。それが過去のものとなりつつある。
女性の社会進出の形態や年齢により、地域内で生活が成り立っていた時代があった反面、団地内に中学・高校がなく、遠距離通学の問題があり、子どもへの負担の大きさが気になる点であった。教育面から、若い世代にとっての魅力に乏しいということになる。
※中学生・高校生が通学にバスを使うとすれば(実際乗っている)、団地間の横のつながりを創造するヒントが眠っている可能性があるのではないか
2)川西病院を主な行き先とする試験的な運行結果
利用者の数が少なかった理由は、バスのニーズ以前に川西市民病院そのものに問題があるといえる。さらには市内複数の医療機関の利用状況に関連しているということもわかった。
経営状態の悪化(毎年4~5億円の赤字を出し、約9億円を一般財源から繰り出し)、医師の減少と確保困難(平成21年に6名退職)、従事者のモチベーションの問題などの点から、総合病院としての魅力に欠けるという実態が、コミバス試験運行結果の背景にある。
川西病院は、能勢町・猪名川町・豊能町の共通の拠点として当該地に移転されており、利用状況は川西市民7割、3町民で3割とのこと。この点、バスに関しても、広域行政を模索できる可能性があると感じた。
一方、中部には送迎バスのある病院、市役所近く、南部にも総合的な病院があり、自衛隊阪神病院も来年から一般診療を開始する予定とのこと。川西市民は、池田市・宝塚市・伊丹市の市立病院も利用している。
※川西病院へのアクセスという視点ではなく、地域医療を総合的にみてバス路線を考える必要はないか
※住宅内に点在する、いわゆる「町医者」「かかりつけ医師」も含めた医療マップつきバス路線図などがあれば福祉的地域活性化につながると思う
※試験運行結果資料の利用者意向、「個人協力の内容」で、「友人・知人に乗るように働きかけたい」79%「負担金を払ってもよい」32%という回答に希望を感じる。継続していれば、利用者数が伸びる「芽」ではないか。
など、歩いて感じたことも、資料から見えることも貴重でした。高齢化率36%という大和団地の自治自立精神についても、おおいに興味をもちました。追って専門家のコメントを得て、メンバーで互いのレポートを共有し、グループごとに課題を決めて議論を重ね、解決策を模擬的に考えるようです。楽しみです。
画像は、能勢電鉄「日生中央」駅
終点なのに「中央」とはこれいかに
開発がここでピタッと止ったことが
駅周辺の様子をみて理解できました
時刻表をチャックしているのはメンバーのみなさん