「世界卓球日本女子『銀』」
卓球・世界団体選手権で、1983年以来、31年ぶりの快挙だそうだ。
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かつて卓球日本と言われ、ラバーラケットとペンホルダーで世界に君臨した時代があった。
中国を始め、各国に招かれて教えた。
やがて、弟子であった中国や韓国に追い抜かれた。
日本のなかでも、マイナースポーツとなり、卓球界は長い低迷期に入ってしまう。
福原愛ちゃんが大人になったころからやっと光が見え始めた。 男女に、新しい力が次々と育って、何とか世界と戦えるようになってきた。
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日本の若きエース・石川佳純選手(21才)の言葉が感動的だ。
「 (大会前から) 自分が負ける夢を何度も何度も見て、不安だった。 みんなで、力を合わせて戦うことができて、良かった」。 (5/6 読売新聞朝刊 )
準々決勝のドイツ戦。ここを突破しなければ、銅メダルも、ない。
日本は、ドイツの超ベテラン中国人選手に2敗し (今やどこののチームと当たっても、中国人と試合することになる )、2勝2敗で最終戦を迎える。
日本はエース石川。相手は、すでに平野にも1敗している格下の若手選手。
石川は簡単に2セットを先取し、あと1セットと迫った。しかし、開き直ってのびのびと打ちまくる相手に圧倒され、表情がこわばり、自信を失い、セットカウント2対2となる。
しかし、最後のセットで踏ん切りがついたのか、本来の攻めの石川に戻って圧倒。
勝利の一瞬、重圧から解放され、思わず泣きながらチームの元に駆け戻った。そのあとは笑顔、笑顔。本当にうれしそう。
準々決勝で敗退するのと、準々決勝を突破して世界第2位・銀メダルとでは、天と地の違いだ。
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「今までなら、負けても、『負けちゃった』で済んでいました。しかし、今は……」。
ここぞというところで出ていく今の立場は、相手選手との単なる一騎打ちではなく、それがそのままチームの命運を左右することになる。
「(大会前から) 自分が負ける夢を何度も何度も見て、不安だった」。
……21才でエースを背負わされるのは、かなりきつい。 しかし、 きみしか、いない。頑張って。