一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

渡辺名人が王位戦で負ける

2021-08-31 00:30:28 | 将棋雑記
27日に行われた第63期王位戦予選で、渡辺明名人は伏兵千葉幸生七段に敗れ、姿を消した。25日に藤井聡太二冠が王位を防衛したばかりというのに、もうオワリである。
渡辺名人はかねてから王位戦と相性が悪いとされてきた。叡王戦を除く七大タイトル戦で、登場がないのは王位戦だけである。もとより渡辺名人は秋から冬にかけての竜王戦、王将戦、棋王戦で好成績を収めてきた。それで「冬将軍」とも呼ばれたのである。ただ初夏の棋聖戦では2013年に挑戦者になったし、2019年には獲得もした。王位戦の不調は巡り合わせであろう。
とはいえ渡辺名人が王位リーグした記憶もあまりない。では、過去11年の渡辺名人の王位戦を見てみよう。

第53期 4連勝で挑戦者決定リーグ入り→4勝1敗で挑戦者決定戦に駒を進めたが、藤井猛九段に敗れた。
第54期 挑戦者決定リーグを2勝3敗で陥落
第55期 4連勝で挑戦者決定リーグ入り→3勝2敗だったが陥落
第56期 ○→●田村康介七段
第57期 ○○→●行方尚史八段
第58期 4連勝で挑戦者決定リーグ入り→1勝4敗で陥落
第59期 ●井出隼平四段
第60期 ●石井健太郎五段
第61期 ○○○→●佐々木大地五段
第62期 ○○→●片上大輔七段
第63期 ○→●千葉幸生七段

第53期で挑戦者決定戦に進出したのが最高。そのあとは緩やかに成績が落ちていき、第59期からは冴えない成績が続いている。実に5期連続の予選落ちだ。負かされた相手が全員C級というのも引っ掛かる。ただ裏を返せば、棋士の実力は紙一重ということだ。
実績十分の渡辺名人が王位戦に執着する必要はないが、グランドスラム達成の一環として、やはり一度は王位を獲りたいところだろう。ただし、もう王位は藤井聡太である。
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