一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

BSフジ「白玲~初代女流棋士No.1決定戦~」第7回の感想

2021-08-01 02:15:59 | 女流棋戦
7月18日、BSフジにて「白玲~初代女流棋士No.1決定戦~」の第7回が放送された。リーグ戦が終了し、今回はいよいよ「優勝決定トーナメント」のレポートである。きょうはその感想を書こうと思う。
なお、6月6日と20日にそれぞれ第5回、第6回が放送されており、もちろん私も視聴したが、その感想は折りをみて書いていきたい。

優勝決定トーナメントに出場するのはA組から順に、伊藤沙恵女流三段、加藤圭女流二段、加藤桃子女流三段、西山朋佳女流三冠、渡部愛女流三段、石本さくら女流二段、里見香奈女流四冠、中井広恵女流六段である。
この8名が隣同士で戦い、左右の山の勝者が初代白玲を懸けて七番勝負を争うわけだ。
まずは伊藤女流三段と圭女流二段の巻である。
伊藤女流三段のオフが流されたが、何と中村真梨花女流三段と渡部女流三段が合流し、「名探偵コナンカフェ」に入った。
中村女流三段と渡部女流三段に交流があったのはびっくりだが、ふたりは「花みず木女流オープン戦」でたびたび顔を合わせていたので、これは理解できる。
しかしそこにプラス伊藤女流三段は何となく違和感がある。そこを伊藤女流三段は、「女流棋士はどうしても孤独になりがちなので、それを解消したい」という意味のことを言った。
そこで渡部女流三段らと中村女流三段らと親しくなったわけだが、番組ではその過程まで掘り下げなかった。まあそれもそうで、そこまで暴いたらプライバシーの侵害になってしまう。
ところでこの3人、ちょくちょく真剣勝負を指す間柄なのではないか?
そこを番組が質すと、伊藤女流三段は「対戦が近づいてくると、自然と距離を置くようになる」という意味のことを言った。これはまあ、自然にそうなるであろう。
なお番組では伊藤女流三段を「盾の伊藤」と紹介していたが、将棋界でこんな言われ方をしていただろうか? よく分からない。
いっぽうの圭女流二段だが、画面に「取材拒否」のテロップが映し出され、これは異常事態となった。
だがこの番組は白玲戦の主催者であるヒューリックが提供しているわけで、そこに出場している女流棋士が番組に出ないというわけには行くまい。そこで圭女流二段は「10分間なら」という理由でインタビュー出演を受諾した。ず、ずいぶん偉くなったじゃないか圭女流二段、などと言ってはいけない。
圭女流二段は、「いまは将棋を指すことが楽しい。ここまで来たからには初代白玲を狙う」とコメントした。
実はこの「将棋が楽しい」が圭女流二段の強さをひもとくキーワードであって、こうのびのび指していたから好成績が取れたともいえる。七冠王を獲ったときの羽生善治九段が、ちょうどこんな心境だったのではあるまいか。
番組では圭女流二段を、「謎の女流棋士」と紹介した。これは確かにそうで、デビュー3年余りの女流棋士にしては、この間の成長が早すぎるのだ。
番組では加瀬純一七段の将棋教室に通った縁で女流棋士になった、と紹介していたが、それだけでは圭女流二段の謎を解明できない。ただ、私や周りの棋友は、その謎の理由を多少説明できる。もっとも当ブログの読者なら、何となく推理できるだろう。
番組では伊藤女流三段VS圭女流二段戦が紹介され、圭女流二段が快勝した。これも将棋界では「殊勲の金星」と見ているのだろうが、私や棋友は「この結果もあり得る」と、ちっとも驚かなかった。
続けてA級の地位を巡るトーナメント戦も紹介した。ここにまた香川愛生女流四段が登場し、YouTubeの収録現場などが放送された。
圭女流二段の尺が足らなかったのかもしれないが、なぜまた香川女流四段を取り上げたのか。ひょっとしたら、香川女流四段を中心に番組作りをする、というコンセプトがあったのかもしれない。
香川女流四段は甲斐智美女流五段に屈し、B級が決定した。本人も述べていたが、B級にいては1年で白玲になれない。これは香川女流四段ももどかしいことだろう。
続いて加藤桃子女流三段VS西山朋佳女流三冠戦である。
まず、西山女流三冠の映像が流される。彼女には「剛腕」のキャッチコピーが付けられていた。これはそのものズバリで、異論はない。
西山女流三冠は両国での将棋イベントに出演したが、意外にもこれが「女流棋士」としての初仕事(対局以外)だったという。
続いて桃子女流三段のオフが流される。ちなみにキャッチコピーは「攻めの加藤」。シンプル過ぎて、もう少し何かなかったのかと思う。
桃子女流三段が向かった先は中目黒にあるパワーストーンの販売店で、桃子女流三段はこれをいつも身に着けているという。
これは個人の嗜好だから構わないが、どうなんだろう、これを身に着けるくらいなら、大山康晴十五世名人の写真でも忍ばせておいたほうが、よほど力が出そうな気がする。
こちらも実戦がレポートされる。西山女流三冠の後手四間飛車に、桃子女流三段の▲5七銀左急戦である。
もうこの作戦を見ただけで、桃子女流三段を応援したくなってしまう。
しかし武運拙く、桃子女流三段は西山女流三冠に敗れてしまった。
「死ぬわけではないので。生きている限り将棋は指せますから」
と、桃子女流三段。谷川浩司王将が羽生善治六冠に王将戦で負けて無冠になったあと、似たコメントを出したと思う。
一局の将棋を負けると死ぬくらいつらいというわけで、その気持ちは私も多少分かるのである。

そしてきょう8月1日は、第8回の放送がある。当然残りの4名の紹介になると思うが、渡部女流三段が決勝七番勝負に進出したことが分かっているから、気分はいい。渡部女流三段の艶姿を堪能したい。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする