一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

白玲とお呼び!

2021-08-19 20:06:43 | 将棋雑記
西山朋佳女流三冠と渡部愛女流三段による第1期白玲戦七番勝負は9月11日から行われる。私はもちろん渡部女流三段の戴冠を期待しているが、もし西山女流三冠が白玲を獲得したら、その肩書はどうなるのだろう。「女流四冠」か、はたまた「白玲」か?
男性棋戦では竜王と名人が大二冠で、ほかのタイトルを取っても、竜王や名人が優先的に表示される。具体的には、渡辺明名人は現在棋王と王将を持つ三冠だが、渡辺三冠とはいわず、渡辺名人と書かれるのが一般的である。これは豊島将之竜王(叡王)も同様である。
これはむかしからの慣例で、大山康晴名人が全盛のときは、名人以外に複数のタイトルを持っているのが常だったが、大山○冠とはいわず、大山名人と呼ばれていた。
誤解を恐れずに書けば、むかしは名人位が絶大な権威で、ほかのタイトルはやや軽んじられたところがあったかもしれない。1972年の名人戦は大山名人と中原誠十段・棋聖の対戦になったが、大山名人の実戦集などを読むと、中原十段・棋聖の肩書は「八段」になっている。むかしは名人以外は、ふだんタイトルを名乗らなかったのかもしれない。
そういえば昨年は藤井聡太二冠が誕生したが、二冠ではタイトル名が分からないからと、「王位・棋聖」と呼ぶケースがかなり見られた。
ちなみにタイトルの冠数をそのまま呼ぶようになったのは1984年、米長邦雄九段が三冠を達成したときが嚆矢だと思う。この年の1月、米長邦雄棋王・王将は森安秀光棋聖から棋聖を奪取、三冠になった。
二冠の場合、字数の関係で2つのタイトルを書けたが、三冠ではすべてのタイトル名を書くのは長い。そこで専門誌では「三冠王」と表記した。
やがて二冠になってもタイトル名の羅列ではなく二冠と表記するようになり、現在に至る。
ただし女流棋界の場合はこれに倣わず、優勝賞金700万円の清麗を獲っても、賞金500万円の女王や女流王座を獲っても、「女流○冠」と表記したわけである。
しかし優勝賞金1500万円の白玲を獲れば、今度は事情が違うのではないか。
私は西山女流三冠が白玲を獲ったら、「西山白玲」と呼ばれる気がするのである。
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