一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

女流棋士よ、奮起せよ

2019-09-17 21:48:09 | 将棋雑記
女流王将戦は41期を数える歴史ある棋戦だが、スポンサーがたびたび変わり、現在は囲碁将棋チャンネル主催のテレビ棋戦に落ち着いている。
それゆえ対局結果の告知にタイムラグがあり、私はほとんど関心が失せていた。
先日その挑戦者が西山朋佳女王と決まり、私はびっくりした。というのも、決定戦の相手は伊藤沙恵女流三段、すなわち女流王座戦の挑戦者決定戦と同じカードだったからだ。
私は奨励会経験者、とくに有段者を大きく評価していて、実際その彼女らは、一般女流棋士の彼女らとはかなり実力が違う。大駒1枚、元奨のほうが強いのではないか。かつて奨励会に在籍していた加藤桃子女流三段が、マイナビ女子オープンと女流王座戦しか出場権がなかったのに、8期もタイトルを獲ったのがいい例だ。ほかの女流棋士はまったく歯が立たなかった。
よって今回、上記2棋戦が同じ顔合わせになったのも、ある意味当然だった。
ちなみに西山女王は現奨励会三段、加藤女流三段は元奨励会初段、伊藤女流三段は元奨励会1級である。
その加藤女流三段はどうしたのかと思ったら、女流王将戦も女流王座戦も、準決勝で西山女王に負けていた。やはり元三段と元初段では、微妙に実力が違うのだろう。
それは西山女王と伊藤女流三段の関係も同様である。伊藤女流三段は2014年10月の女流棋士デビューながら、早くも6回、タイトル戦に登場している。伊藤女流三段は破壊力は抜群で、他の女流棋士を寄せ付けない。
その伊藤女流三段でさえ、西山女王と指すとおかしくなってしまうのだ。

図は9日に行われた女流王座戦挑戦者決定戦。ここから△5八角▲同金△7九金▲8八玉△6九竜▲6八金△8九金▲9七玉△8五桂まで、西山女王の勝ち。
腰の重い伊藤女流三段を粉砕してしまうのだから、西山女王の実力のほどが分かるというものだ。
ちなみに、17日に行われた倉敷藤花戦準決勝では、伊藤女流三段が上田初美女流四段に勝ち、挑戦者決定戦に駒を進めた。相変わらずの強さである。
かつて将棋界では、大山康晴名人を倒す前に、升田幸三九段を倒さねばならなかった。トーナメント戦で勝ち進んでも、どこかで升田九段と当たるからだ。それで世間は升田九段を「大山の用心棒」と言った。
現在の伊藤女流三段はまさにそれである。女流棋士は里見女流六冠に当たる前に伊藤女流三段を倒さねばならない。そしてこれからは、加藤女流三段も本格的に加わる。彼女らに一般女流棋士が勝てるのだろうか。
もう誤解を恐れずに書けば、現状は里見女流六冠、西山女王、加藤女流三段、伊藤女流三段の、4人だけの戦いである。どの棋戦でも、最後はこの4人がタイトルを手にする気がするのだ。
その危惧を払拭するには、一般女流棋士が奮起するしかない。遊んでいるヒマはないのだ。
コメント (3)
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