一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「第31回将棋ペンクラブ大賞贈呈式」に行く(3)

2019-09-24 23:09:31 | 将棋ペンクラブ
受賞者のスピーチが終わり、記念撮影となった。皆さん誇らしげな顔だ。
田中幸道氏のコメントや白鳥士郎氏の喜びようを見ると、「将棋ペンクラブ大賞」は今後も続ける義務があると心から思う。
ここで乾杯である。各自テーブルのビールを注ぎあう。私は渡部愛女流三段に注いでもらった。光栄なことで、追加料金を払わねばならぬ感じだ。
音頭は最終選考委員の西上心太氏。
「最終選考は、皆さんの素晴らしい作品を読める楽しい作業です。でも(審査なので)つらい作業でもあります。乾杯!」
40秒くらいスピーチがあったが、これはもちろん許容範囲である。
別に誰とは言わないが、乾杯の際に延々としゃべる手合いがいる。あれはどうかと思う。私たちはグラスを持っているのだから、そのビールの泡が消えないうちに、コメントを収めるべきである。極論すれば、乾杯、の一言だけでいいのだ。
ビールを飲む。私は酒は飲まないが、ビールの最初の1杯は美味いと思う。とくに今日は、渡部女流三段に注いでもらったからなおさらだ。
ここからしばし歓談である。知った顔は何人もいるが、私は自分から挨拶に行かないので、ややもすると無視する形になる。ちなみに棋士の参加は、窪田義行七段と上野裕和六段だった。
私はひげめがね氏とおしゃべり。今日も長野からいらしたそうだが、今夜は泊まりなので、安心して楽しめるらしい。
私は会社を辞めた理由を話す。当ブログの読者でもあるひげめがね氏は相槌を打ってくれるが、内心はどう思っているか分からない。ちなみに私が逆の立場だったら、2ヶ月で離職した男は軽蔑する。
大阪からはShig氏が来ている。ひげめがね氏もそうだが、遠路はるばる、自腹を切っての参加には本当に頭が下がる。
私は奥に行って料理を取ってくる。どれもしっかりした味付けで、美味い。
ここで渡部女流三段の指導対局の時間となった。
「将棋ペンクラブさんには私が10代のころからお世話になっています。本日もよろしくお願いします」
渡部女流三段は奥の部屋に消えていった。
続いてバトルロイヤル風間氏の挨拶。今年も似顔絵を描きにいらした。
「私は将棋ペンクラブに30代のころからお世話になってきました……」
これはジョークというべきか。
しばらく経って、私も奥の部屋に行ってみる。入口横には、抽選会の賞品が陳列されている。まずは色紙だが、男性有名棋士に混じって、渡部女流三段のがある。花柄の色紙で「黎明」としたためられている。これが私的には目玉で、それには最初の5人くらいまでに当たらなければならない。
ほかは扇子や棋書などだ。
渡部女流三段は夜景をバックに指導対局。どちらもキラキラと美しい。
対局者は木村晋介会長以下3名で、そろそろ中盤だ。
私はスマホで渡部女流三段を撮影しようとしたが、気付かれてしまった。写真は撮れたが、映りが悪い。やはりデジタル一眼カメラで撮らなければダメだろうか。
バトル氏は女性参加者の似顔絵描き中。ちらっと見たが、目や鼻のパーツを見ただけで、すでに似ている。
会場に戻ると、藤宮氏が通りかかったので、声を掛ける。藤宮氏は先日発行された会報に、見事な自戦記を書いた。でも、贈呈式まで参加するとは意外だった。
「この前の自戦記、面白かったよ。あの文、そんなに直されなかったろ?」
「はい、最後のほうに将棋と関係ないこと書いたので、そこは削られましたけど」
「うん、その程度だよな。藤宮君の文章なら、そんなに添削されることはないと思ったよ」
私はそれまで藤宮氏の文章を読んだことはないのだが、偉そうにのたまう。
脇にいたWas氏が、藤宮氏の学歴を聞く。藤宮氏は東京大学の大学院を卒業し、今年就職した。ここまで学歴がスゴイと、残りの人生で食いっぱぐれることはない。やはり学歴は大事だ。
「だけど大学名って不思議だよね。地域が広くなるほど、大学の偏差値って低くなるよね。東洋とか、日本とか」
とWas氏。なるほど、「東京」はずいぶん区域が狭いが、偏差値はやたら高い。
ここで棋士に挨拶してもらう。まずは窪田七段。
「窪田です。ゴニョゴニョ……」
もうスピーチを終えてしまった。長くなると思いきや、サッと切り上げる。これも窪田流である。
続いて上野六段だが、どこかに消えてしまった。
お楽しみ抽選会が始まった。トランプのナンバーが読み上げられ、当たった人が奥の部屋に入っていく。女性は男性棋士の色紙や扇子を取るだろうが、男性の場合はどうか。色紙もあるが、棋書を選ぶ場合も少なくない。
でも私の「ダイヤ1」が呼ばれない。15人目くらいで、やっと呼ばれた。しかしこれじゃあ、渡部女流三段の色紙は取られているだろう。
が、あった!! 残っていた!
将棋ペンクラブ会員は花より団子が好きらしい。私はありがたく、色紙を頂戴した。
美馬氏と会ったので、離職のお詫びをする。美馬氏にも関東交流会の時、就職祝いの言葉を掛けてもらったのだ。
美馬氏も一定の理解を示してくれたが、これも内心はどうだったか。
奥の部屋に行くと、すでに2局が終わり、木村会長戦が残っていた。バトル氏はまだ似顔絵描きの最中である。
木村会長はよく戦い、というか渡部女流三段が巧妙に緩め、木村会長が上手玉を追い込んでいる。

第1図から▲2三銀△同銀▲同角成△同玉▲2一竜。ここで△2二合は▲3二銀で詰みだが、△2二銀(参考図)でどうか。しかし渡部女流三段は△3四玉と上がった(第2図)。


第2図以下は▲4五金△4三玉▲4一竜△4二銀▲4四銀△同角▲同金△同玉▲4二竜△5五玉▲4五竜△6六玉(第3図)と進んだ。
途中、木村会長が上手玉に何度も詰めろを掛けようとするのだが、そのたびに渡部女流三段が△1七に角を置く仕種をする。木村会長、ここはカッコよく上手玉を詰ますしかないのだ。
もはや周りも口を出し、待ったあり助言ありの戦いになっていた。

第3図で木村会長が▲3三角と打ち、私は大いに感心して「これは妙手です」と言ったが、よく読んでみると詰まない。どうも▲3三角はダメらしい。
しかし見物の金子タカシ氏は詰ましたようだ。その手順は?
(つづく)
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