一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第1局の千日手

2019-09-04 00:11:27 | データ
2日の王座戦五番勝負第1局は、千日手になった。そこで、タイトル戦の第1局が千日手になった例を調べてみた。
下のカードがそうだが、左側が千日手局の先手。○●は指し直し局のもので、当然先後は逆となる。カッコ内はシリーズの結果。

1954年 第13期名人戦 87手 ○大山康晴名人VS●升田幸三八段(防衛)
1956年 第6期王将戦 57手 ●大山康晴八段VS○升田幸三王将(防衛)
1959年 第18期名人戦 70手 ○升田幸三名人VS●大山康晴九段・王将(奪取)
1967年 第10期棋聖戦 78手 ●大山康晴棋聖VS○山田道美八段(奪取)
1993年 第18期棋王戦 122手 ●羽生善治棋王VS○谷川浩司二冠(防衛)
2002年 第15期竜王戦 64手 羽生善治竜王VS阿部隆七段
2002年 第15期竜王戦 64手 ●阿部隆七段VS○羽生善治竜王(2回目)(防衛)
2005年 第53期王座戦 75手 ●佐藤康光棋聖VS○羽生善治王座(防衛)
2007年 第56期王将戦 70手 ○佐藤康光二冠VS●羽生善治王将(防衛)
2009年 第50期王位戦 55手 ●深浦康市王位VS○木村一基八段(防衛)
2012年 第53期王位戦 66手 ○羽生善治王位VS●藤井猛九段(防衛)
2016年 第87期棋聖戦 92手 ●羽生善治棋聖VS○永瀬拓矢六段(防衛)
2019年 第77期名人戦 58手 ●佐藤天彦名人VS○豊島将之二冠(奪取)
2019年 第67期王座戦 62手 ○永瀬拓矢叡王VS●斎藤慎太郎王座

2日の王座戦まで、第1局の千日手は13回ある。2002年の第15期竜王戦は、2回連続で千日手になった。1回目は阿部七段がゴキゲン中飛車に出たが、双方ジリジリと間合いを測って千日手。翌日の指し直し局は相矢倉になったが、これも双方手が出せず、千日手になった。タイトル戦の2回連続千日手は、1994年の第63期棋聖戦第3局、羽生棋聖対谷川王将戦以来である。ちなみにタイトル戦全局を合計すると、57回の千日手となる。
1967年から1993年まで、25年間半、開幕局の千日手はなかったが、21世紀に入って、2~4年に1回は現れている。ことに今回の王座戦は春の名人戦に続いて2度目で、1年に2棋戦は初めて。永瀬叡王はタイトル戦登場4回目にして、早くも2度目の千日手となった。
13局の平均手数は78.5手。やはり中盤での千日手が多いが、唯一の3ケタ手数となった第18期棋王戦は白熱の終盤戦で、図から▲4二金△3三金打▲3二金△同金▲4二金……を繰り返しての千日手となった。

開幕局からの千日手はどうなのか。シリーズの序章として盛り上がると取るか、のっけからハシゴを外された、と取るか。内容にもよるが、私は後者だろうか。
もっとも、昔は日を改めての指し直しだったが、現在は即日指し直しなので、観戦者のストレスはないかもしれない。
指し直し局の勝敗だが、タイトル保持者側は勝ったり負けたり。指し直し局の後手番は4勝8敗で、やはり気分的に、後手番に回ったほうがイヤなのだろう。
番勝負全体では、タイトル保持者の防衛9回、挑戦者の奪取3回となっている。平成以降だとそれぞれ7回と1回で、さらにタイトル保持者の分がいい。
王座戦では、挑戦者の永瀬叡王が勝ったが、シリーズの行方はいかに。
コメント
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