一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

LPSA麹町サロンin DIS・堀女流2級に教えていただく(中編)

2019-09-11 00:07:26 | LPSA麹町サロンin DIS

第2図以下の指し手。△6四歩▲6六銀右△6二飛▲7六銀△7四銀▲6四歩△同角▲2七飛(第3図)

堀彩乃女流2級は△6四歩ときた。これを▲同歩は△同角で桂当たりだし、何より7筋に続いて6筋の歩交換までさせたくないので、私は▲6六銀右と突っ張った。が、堀女流2級は黙って△6二飛。上手は実戦経験がある感じで、私はかなり不安だった。
▲7六銀に今度こそ△6五歩かと思いきや、やはり△7四銀と立たれてシビれた。
これに▲7五歩は△6五歩▲7四歩に△6六歩が厳しく下手不利。よって私は▲6四歩と取ったが、△同角が桂取りである。私は▲2七飛と受けざるを得ず、盛大な作戦負けに陥った。

第3図以下の指し手。△6五歩▲同銀左△同銀▲同銀△3七角成▲同飛△6五飛▲6六歩△6二飛▲7六歩△5五歩(第4図)

私が先手番なのに、なぜこうも気持ちよく攻められているのか。第3図で△6五歩が痛打。やむない▲同銀左に△同銀から△3七角成とされ、二枚換えを許してしまった。ただ下手は、ヘタをすると銀1枚タダ取られの変化もあったから、この順なら御の字である。
なお上手は、△6五歩で△7五歩もあった。これでも下手は▲6五銀左と出るよりないが、それなら下手に1歩を渡さない理屈だ。
本譜△6二飛にターンが回ってきたが、次上手には△7五桂の狙いがある。以下▲7七金寄は、△7六歩▲同金△6七銀が、詰めろ金取りで下手負け。
その順を防いで▲4六角はあるが、同様の手順で△6七銀が厳しいことに変わりはない。これは7五に空間があるから生じた変化で、下手にとって皮肉だ。
私は▲7六歩と打った。△7五桂を防ぐだけの手で、辛抱の極みだ。先月の加藤桃子女流三段戦での▲7六歩に近いものがある。
堀女流2級はさして考えず、軽やかに△5五歩ときた。

第4図以下の指し手。▲8三角△5六歩▲同角成△5七歩▲5四歩△4三金左▲4六歩△5八銀▲6八玉△6七銀成▲同金△5八歩成▲同玉△7八銀(第5図)

他の2局は順調に進んでいるみたいだが、私はそれを観る余裕はない。
局面、角と銀桂の二枚換えだが、この差を小さくするためには、角を馬にすればよい。そこで▲8三角と打った。やはり加藤女流三段戦の、▲2三角みたいだ。
これには△7三歩▲5五歩△7四銀があるが、下手にも▲7一銀がある。▲7一銀はダサくて打てないのだが、上手も気になるところであろう。
堀女流2級も△7三歩~△7四銀をダサイと見たのか。△5六歩と取り込んだ。
これには▲同角成と馬を作って下手もまずまずと見たが、そこで△5七歩がコシャクな歩。これを▲同金も▲同馬も△4五桂で下手負け。といって▲5九歩はバカバカしくて指せない。
私は▲5四歩と脅かした。これで駒が入れば▲5三Xの狙いで、これは堀女流2級も気持ち悪かろう。
果たして堀女流2級は△4三金左。しかしこうは指さないと思っていただけに、唸った。堀女流2級は受けの棋風なのかもしれない。
私は▲4六歩とし、△4五桂を消すとともに飛車の横利きを通す。しかし私はさっきから相手の手を消すばかりで、全然冴えない。
堀女流2級は△5八銀。将棋は駒をハガすことなり、だ。
▲6八玉~▲6七同金に△5八歩成。拠点の歩を成り捨てるので怪訝に思ったが、▲同玉に△7八銀。今度はこっちの銀があった。私は角をどこに逃げるべきか。

第5図以下の指し手。▲8八角△6七銀不成▲同玉△6四桂▲7四馬△5六金▲7七玉△6三金▲8三馬△7五歩▲8六歩(第6図)

△7八銀には▲6八角か▲5七角だろうが、何かの時にアタリになりそうでイヤだった。私は▲8八角。これは堀女流2級の意表を衝いたと思う。
これに△8九銀成は▲7七角で銀がスカタン。よって堀女流2級は△6七銀不成。まあそうであろう。これで連続の金銀交換となり、下手は微妙に損をしている。しかし▲8八角が上手の△6六飛を防いでおり、下手は打たれながらも、最善の防御をしている感じだ。
▲6七同玉に堀女流2級は△6四桂と馬を攻める。現在私の守りは飛車角3枚といういびつなもの。その中で最強の馬を攻めることが、玉を攻めることにもなる。ただ△6四桂では、△5四金▲5五歩に△6四桂もあったと思う。
本譜△5六金には▲同馬もあるが、玉が不安定で、取り切れない。さりとて▲7八玉も、玉が下段に落ちる感じでイヤだ。それで甚だ心細いが、▲7七玉と寄った。
△6三金にも▲8三馬。今度角を渡すと△5九角があるので、細心の注意が求められる。しかし次の△7五歩も厳しく、一向に生活が楽にならない。
これを▲同歩は△7六金打▲7八玉△6六金右で、5~7筋に歩が利き△7六桂の応援もあるから、とても下手、生きた心地がしない。
堀女流2級は最初からテンポよく指している。私も、堀女流2級がこちらを向いたら指すようにしているが、局面が難しいので、遅れることもしばしばである。そう、指導対局は上手がほぼノータイムで指すのに対し、下手は好きな時に考えられる。どれだけハンデを貰っているのかと思う。
私は▲8六歩と逃げ道を開けたが……。

(つづく)
コメント (2)
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