一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

竜名決戦

2019-09-07 00:10:40 | 男性棋戦
5日の第32期竜王戦挑戦者決定三番勝負第3局・豊島将之名人と木村一基九段の一戦は、豊島名人の勝ち。豊島名人は2勝し、竜王戦七番勝負初見参となった。
第3局、木村九段が中盤で、なぜあんな過激な順を採ったか謎だが、本人が熟慮の上指したのだから、仕方ない。
これで「竜王名人決戦」となったわけだが、このケースは何度目になるのだろう。

1994年 第7期 佐藤康光竜王2-4羽生善治名人
2008年 第21期 渡辺明竜王4-3羽生善治名人
2010年 第23期 渡辺明竜王4-2羽生善治名人
2013年 第26期 渡辺明竜王1-4森内俊之名人
2019年 第32期 広瀬章人竜王-豊島将之名人

過去に4回あった。
1994年の第7期は羽生名人が勝ち、六冠目を獲得した。その翌年、七冠目の王将戦七番勝負では谷川浩司王将に敗れたが、さらにその翌年、再び谷川王将に挑戦し奪取。うれしい七冠達成となった。
2008年の第21期は、勝ったほうが初代永世竜王になるという、「100年に一度の決戦」となった。結果は渡辺竜王が史上初の「3連敗4連勝」で大逆転防衛。初代永世竜王に輝いた。
勝負事にタラレバは意味がないが、もしこの勝負に羽生名人が勝っていれば永世七冠達成。もっと早く国民栄誉賞を獲っていたに違いない。また、タイトルも100期に達していたに違いない。
2010年の第23期は、2年前と同じ顔合わせ。これも渡辺竜王が勝ち、防衛した。
2013年の第26期は、シリーズ3度目の渡辺-森内戦となったが、森内名人が4勝1敗で初めて制し、自身2度目の「竜王名人」となった。渡辺竜王は9連覇でストップとなった。

ついでなので、「名人竜王決戦」も見てみよう。

1997年 第55期名人戦 羽生善治名人2-4谷川浩司竜王
2004年 第62期名人戦 羽生善治名人2-4森内俊之竜王
2018年 第77期名人戦 佐藤天彦名人4-1羽生善治竜王

こちらは3例である。
1997年の第55期は、前年に虎の子の王将を奪われた谷川九段が、同年秋の竜王戦で羽生竜王名人(六冠)から竜王を奪還し、この名人戦でも名乗りを挙げた。結果は谷川竜王が勝ち、大二冠獲得。前年の屈辱をわずかながら晴らした。
2004年の第62期は森内竜王が勝ち、前年秋の竜王戦と合わせて大二冠達成。
2018年の第77期は佐藤名人が防衛し、3連覇を果たした。

「竜名決戦」「名竜決戦」合わせて8回のうち、6回に羽生九段が名を連ねているのはさすがである。ただし戦績は1勝5敗とよくない。
また過去7回の竜名決戦・名竜決戦の結果は、挑戦者側が4勝3敗である。やはり挑戦者の勢いがやや上回っているか。
竜王戦では竜王の2防衛だが、今期はどうなるか。
(※第23期竜王戦の結果を書き損じており、10月13日に訂正しました。誠に申し訳ありません)
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