一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「永世」を獲った回数

2019-09-03 00:09:40 | 将棋雑記
1956年、名人戦で花村元司八段を破り永世名人の資格を獲得した大山康晴名人は、父の鼎さんから、「その永世名人とやらを5回獲れ」と言われた。大山名人はその後名人位を13回獲り、永世名人を3回獲ったことになった。
ではこの方式で永世位を累計すると、永世有資格者は、何回永世位を獲っているだろうか。で、ちょっと考えてみた(永世九段取得者の塚田正夫名誉十段を除く)。
まず、各タイトル戦の永世位の条件を記しておく。

永世竜王…連続5期か通算7期
永世十段…通算10期(前身の九段戦も含む)
永世名人…通算5期
永世王位…連続5期か通算10期
名誉王座…連続5期か通算10期
永世棋王…連続5期
永世王将…通算10期
永世棋聖…通算5期

こう羅列すると名人の通算5期は獲りやすい気もするが、そもそも永世位は名人が嚆矢で、あとからできた他棋戦の資格のほうが厳しいのだ。それによく考えたら、名人に挑戦するには、A級に昇らなければならず、最低でも5年かかる。これは相当に難関だ。
では永世位有資格者を検討する。

羽生善治九段…
永世竜王1回(通算7期)
永世名人1回(通算9期)
永世王位2回(連続9期、連続6期を含む通算18期)
名誉王座4回(連続19期、連続5期)
永世棋王2回(連続12期を含む通算13期)
永世王将1回(通算12期)
永世棋聖3回(通算16期)
合計14回

大山康晴十五世名人…
永世名人3回(通算18期)
永世十段1回(九段戦を含む通算14期)
永世王位2回(連続12期)
永世棋聖3回(通算16期)
永世王将2回(通算20期)
合計11回

中原誠十六世名人…
永世名人3回(通算15期)
永世十段1回(通算11期)
永世王位1回(連続6期を含む通算8期)
名誉王座1回(通算6期だが、一般棋戦のときの優勝10回を加味し、名誉王座を授与された)
永世棋聖3回(通算16期)
合計9回

渡辺明三冠…
永世竜王1回(連続9期を含む通算11期)
永世棋王1回(連続7期)
合計2回

谷川浩司九段…
永世名人1回(通算5期)

森内俊之九段
永世名人1回(通算8期)

米長邦雄永世棋聖…
永世棋聖1回(通算7期)

佐藤康光九段…
永世棋聖1回(通算6期)

やはり羽生九段と大山十五世名人の記録が突出している。羽生九段の名誉王座4回、大山十五世名人の永世王将2回あたりが凄まじい。
群雄割拠の現在、これからは永世保持者も出にくくなるだろう。
コメント
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