一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

1月29日の蕨将棋教室(前編)

2017-02-06 01:11:42 | 蕨将棋教室
1月29日(日)は「蕨将棋教室」があった。同教室は植山悦行七段が講師で、懇切丁寧な指導対局には定評がある。そのため子供さんの人気が高く、現在の生徒は子供が主だ。いわば「蕨子供将棋教室」なのである。
だから私は最近お邪魔していなかったのだが、この日はちょっと家にいづらい状況になって、押し出されるように蕨へ向かった。
蕨駅前の施設「くるる」に入ったのは午後6時半ごろ。教室は6時から8時までだが、人数の関係で、大人はおもに8時以降の対局となる。教室は9時半ごろまで解放されているから、目一杯使わせてもらうというわけだ。
植山七段は8面指しの真っ最中。うち7人が子供という、いつもの光景だ。
その傍らではOk氏とYam氏が自由対局を指していた。二人はここの常連ではなかったと思うが、活動範囲を広げてきた。こうして将棋にいそしむのはいいことである。
やることがないのでその将棋を眺める。相振り飛車戦で、Yam氏が▲9七桂と跳んだ。
しかしこれは疑問で、△9五歩▲同歩△9六歩がある。しかしOk氏は別の手を指す。
Yam氏は▲9八香。これも疑問手で、後手には△9五歩~△9六歩に加えて△9五香~△9七歩成の狙いもでてきた。
でもやっぱりOk氏は別のところに目が向いている。この欠陥に気付くようなら初段も目の前なのだが、惜しい。
だいぶ待って、新しいお客さんがきた。たぶん常連なのだろう。
私と二枚落ちで指すことになった。彼は▲4五歩と位を取ったあと、右銀を4六まで繰り出す。そのあと左銀を繰りだしたが、あれっ?となった。
どうも銀多伝を目指したらしいのだが、4六にはすでに右銀が先着している。それで左銀を5七で留め、飛車は四間に振ってきた。彼はボヤくことしきりだったが、下手は悲観する必要はなく、これでも十分な戦いができる。
私は△8五歩から△8四金と出たが、イヤな筋に気付いた。

第1図を前に彼はウンウン唸っている。見かねたW氏が「手が分からない時は玉を囲うのがいいよ」と助け船を出し、彼は▲3九玉と引いた。
しかしここでは、▲6六歩があった。△同歩に▲同飛の王手ではなく、▲同角の金取りが好手。以下△8三金には▲9三角成という豪快な手があり、下手勝ち。△8三金に代えて△7五歩でも、構わず▲同角でよい。
この危機を脱して、上手が指しやすくなった。以下、私の勝ち。
彼は負けはしたが将棋に真摯に取り組んでおり、将来が期待できると思った。
今日はFuj氏が来る予定だったらしいが、まだ来ない。ということは、もう来ないのだろう。
左のOk―Yam戦はまだ続いている。形勢はOk氏必勝態勢からかなりもつれ、Yam氏が優勢になったが、今はOk氏が入玉模様で逆転している。なんでこんな将棋になったのだろう。
私は対局の終わった少年と対局。私の6枚落ちとなった。
対局開始。初手△3二金以下、少年は6六に角を飛びだし、定跡通りに指す。
だが私が定跡を忘れてしまい、△8四歩と指したのだが、これが少年の思考回路を狂わせたのだろうか。少年は9筋に飛車を回らず、▲9四歩△同歩▲同香ときた。しかしこれは△9三歩▲同香成△同銀で、私の無条件香得。極論すれば、これで4枚落ちの手合いになってしまった。
中盤まで進んだところで、新たに少年が加わる。要するに2面指しである。こちらは2枚落ちで、何だか私も講師みたいだ。
少年は四間飛車。端に角をのぞき、銀を繰りだし桂を跳ね、万全の攻撃態勢だ。二枚落ちは二歩突っ切りや銀多伝定跡があるが、こうした攻めでももちろんよい。
実際私は受け損ね、歩切れもあってマズイ形勢になった。あとは金銀や成駒でじわじわ押していけばいいのだが、ここでしくじるのが下手である。
ちょっと寄せを早まったら、もう攻めが切れてしまった。つまり私の勝ち。6枚落ち戦も私の勝ち。こちらは定跡講座をさらっとやったが、私がうろ覚えなので、どこまで参考にしてくれたか、まったく自信はない。
さっきの彼は植山七段と指導対局に入っている。
「大沢さんとの対局はどうでした?」
「負けました」
「彼は下手殺しだからねえ…」
私は駒落ちの上手はあまりうまくないと思うのだが、ほうぼうで過大評価されている。
左のOk―Yam戦はOk氏の勝ち。Ok氏、実力はあるのだが勝つまでにだいぶ回り道を行っている。あとは上手のアドヴァイスを真摯に聞くことだろう。
子供さんの指導対局も終わり、いよいよ大人の番である。コの字型になった対局テーブルに着く。
駒を並べながら、
「やっぱり平手なんでしょうね」
と私。
「そうですよ」
と植山七段。
やっぱり平手になった。
(つづく)
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