一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

1月29日の蕨将棋教室(後編)

2017-02-07 00:05:19 | 蕨将棋教室
▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲7七銀。私は矢倉を志向する。△6二銀▲2六歩△6四歩。植山悦行七段は受けの棋風だが、矢倉の後手では素直に追随しない。すなわち急戦を目論んでくるのだ。たぶん植山七段の中では、「同型相矢倉は後手が不利」の図式が出来上がっているのだろう。ただそれをアマとの指導対局にも適用してくるところがすごい。植山七段も全力で指導しているのである。
さて今流行りの右四間飛車でくるかと思ったが、本局は中飛車できた。私は慎重に▲4六歩。植山七段は△6二玉と右玉にした。
私は▲7七銀を6八~5七へと移動し、▲7八金を6八に移動し、玉を7八に据える。つまり居飛車VS振り飛車の対抗型、すなわち馴染みのある形にしようとしたのだが、その間植山七段は△8一飛と戻し△8六歩から飛車先の歩を切る。これは拒否したかったが、▲7七角は△6五歩▲同歩△同桂の両取りがあり、叶わなかった。すなわち私の作戦負けになった。
植山七段が△4四歩と突いて第1図。

第1図以下の指し手。▲4四同歩△同銀▲2四歩△同歩▲同飛△4一飛▲5八銀△4六歩▲4八歩△4五銀▲2六飛△4四角▲2四飛△3三桂▲3七桂△2三歩▲4五桂△2四歩(第2図)
以下、植山七段の勝ち。

私は▲同歩と取ったが、最初は▲3七桂を考えた。どちらも一局と思うが、後者を選ぶべきだったか。
▲2四同飛に△4一飛が、いかにも右玉っぽい動き。次に△3五銀があるがどうするか。私は▲5八銀と引いたが、これは凝り過ぎた。ふつうに▲4六歩と収めておくべきだった。
△4六歩に▲4八歩。「それは受けるのか…」と植山七段がつぶやく。
△4五銀に、△3六銀を防いで私は▲2六飛だが、上手は△4四角と出ていよいよ好調。私はここで負けを覚悟した。
Yam氏は二枚落ちの手合いで植山七段に対峙していた。下手の陣形が堂々としていて、ホレボレする。さすがの植山七段も指しようがなく、しばしのち形を作り、自玉の受けなしを待って投了した。
Yam氏、Ok氏との将棋を見る限りは「?」だったが、本局はお見事。ちょっと将棋を見直した。
私は△2三歩に▲4五桂。飛車は差し上げるということで、「この潔さが大沢さんのいいところだね」と植山七段が感心?した。

とはいえ飛車がなくなっては上手へ迫る手がなく、私の負けが確定。数手後植山七段の馬が5九に侵入し、それを▲5八銀で捕獲したが、植山七段に△8六歩の継ぎ歩から△8五飛打の決め手を放たれ、その6手後に私は投了した。
どうもさえない将棋で、植山七段に申し訳なかった。
感想戦では、植山七段に序盤の構想について教えてもらった。私の▲4六歩では、▲4六銀型に構えたほうがよい、と植山七段の意見だった。ここは好みが分かれるが、▲4六歩は守勢になってしまうという。
また第1図の△4四歩に▲3七桂は、△4五歩▲同桂△4二銀で、次に△4四歩を見て上手よし、とのこと。ここは▲4四同歩で正着だったようだ。
さらに△4一飛に▲5八銀では、▲4六歩と受けて一局。私が▲2八飛と引けば△2三歩と受けることになるので、それで釣り合いは取れる、とのことだった。
感想戦では出なかったが、私の▲6八金寄~▲7八玉では、▲5八玉としてバランスを保つ方がよかったかもしれない。ただそれだと先手番の得が失われる。やはり私の構想がマズかったということだ。
いずれにしてもプロの見解には唸ることが多い。この講義を拝聴するだけで会費ぶんの元は取れる感じである。
時刻は9時半を過ぎ、お開きとなった。
「大沢さん、蕨にも来てよ」
と植山七段。
「いや蕨は遠いんですよ」
「川口からたった2つ先じゃない」
それはそうだが、蕨教室は時間が短いのがネックなのだ。

だいぶ遅くなったが、夕食である。メンバーは植山七段、W氏、Ok氏、私。
W氏のオススメで、廉価系イタリア料理の店に入った。植山七段との夕食は久しぶりで、今回も楽しい話が聞けそうである。
オーダーが入口のカウンターで行う。私たちは基本、トマトパスタ系を頼んだ。
パスタはあまり味がなかった。もっとも現在の私は会社廃業の件で精神的にフラフラで、味覚すら感じなくなっているのかもしれなかった。
植山七段の話はいつものように新鮮で、面白かった。LPSA駒込サロンでは、こんな話を毎週聞いていたのだ。まったくあの頃は楽しかった。
前を見ると、Ok氏が居眠りしている。時刻は11時になり、今度は店が閉店の時間だ。
明日から未来のない仕事がないと思うと脱力するが、とにかく帰るよりないようだ。
コメント
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