一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2月18日の大野教室(前編)

2017-02-21 00:59:05 | 新・大野教室
今朝の夢には、お膳に白蛇の白焼きが出てきた。これは縁起がいいのかわるいのか…。

   ◇

18日(土)は大野教室に行った。4日に2回分の会費を払っており、これが2回目となる。
今日は早めに家を出たのだが、教室途中の交差点で、アジア系の女性に道を訊かれた。
近くの小学校に行きたいらしいが私も不案内なので、手許のスマホを繰るとそれはあった。距離はあるが彼女といっしょに小学校まで行き、とって返して大野教室に入ったのが1時40分近くだった。
講師の大野八一雄七段は5面指しの真っ最中。珍しくKaz氏の姿があった。その奥で1局、さらに和室でも1局が行われていた。ほかに空きの会員はおらず、私はしばらく待つ。なんのことはない、仮に早く入室しても、状況は同じだったようだ。
そのまま20分ぐらい待つと、和田あき女流初段が現れた。彼女は立命館大学の1回生だが、もう春休みに入っているのだろうか。
しばらく見ないうちにすっかり大人っぽくなって、ちょっと私はドキドキしてしまう。
ともあれ1局教えていただく。駒を並べ始めると、あき女流初段が「玉」を据えたので、「王」に取り換えてもらう。あき女流初段は立派なプロなんだから、私たちと指す時は堂々と「王」を取ればよい。
持ち時間15分、私の先手で対局開始。

第1図までの指し手。▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△同飛▲3四飛△3三角▲3六飛△8四飛▲2六飛△2二銀▲8七歩△5二玉▲5八玉△7二銀▲3八金△2三銀▲4八銀△1四歩▲7七角△同角成▲同桂△1五歩▲6八銀△3三桂▲3六歩(第1図)

あき女流初段は居飛車党で、横歩取りになった。あき女流初段は△7二銀から△2三銀、さらに端歩を伸ばして今風の布陣だ。
私は▲7七角と上がったのが工夫で、これは大山康晴十段(当時)が1970年に指した手を拝借している。さらに私は端攻めを警戒しつつ▲3六歩だが、これはマズかった。

第1図以下の指し手。△2五歩▲2八飛△2四飛▲3七銀△3四銀▲2七歩△4四歩▲8二角△9二香▲9一角成△8三角▲8二馬△4三銀▲8六歩△4五歩▲8五歩△4二金▲8七金△8四歩(第2図)

あき女流初段に△2五歩と打たれ、▲2八飛と凹むようではおかしい。
△3四銀には▲4六銀と出たかったが、△2六歩の突き出しが嫌味だ。それで▲2七歩と謝ったが気合が悪く、これでは横歩取りの醍醐味が失せてしまった。
だが、あき女流初段の△4四歩がどうだったか。私は▲8二角から香得を目指す。あき女流初段は△9二香~△8三角と全力で守るが、私は▲8二馬。ここで前手の△4四歩が疑問になってきた。すなわち次に▲8三馬△同銀▲6五角があるからで、あき女流初段は△4三銀と耐えたが、これでは大きな手損になってしまった。
私は△8三角をいじめるべく、▲8五歩~▲8七金とする。そこであき女流初段の△8四歩に意表を衝かれた。

第2図以下の指し手。▲8六金△8五歩▲同金△8四歩▲7五金△7四角▲同金△同飛▲9二馬△7六飛▲6五馬△7四飛▲8二歩△7八金▲7五歩△6四飛▲7六馬△7四歩▲6六香△2四飛▲8一歩成△7三銀▲7四歩△7五歩(第3図)

この辺りであき女流初段の持ち時間はほとんどなくなっていた。私のほうは、あき女流初段が残り数秒の時に9分27秒あったから、まだ余裕がある。
私は△8四歩をつまみかけたが、▲8四同歩は△同飛▲8五歩に△4七角成▲同金△8二飛で下手がおもしろくない。これは横歩取り△4五角戦法に出てくる変化に似ている。
それで私は▲8六金と進んだ。
しかし▲7五金に△7四角は意表を衝かれた。角金交換の駒損を甘受しているからだ。だが捨て置けば▲8五歩△同歩▲8四歩△7四角▲同金△同飛▲8三歩成が厳しい。それで自ら頭突きにいったものだろう。
私は香得し馬を引き付け桂得し絶好調。この将棋は負けられないと思った。
だが△7五歩には迷った。

第3図以下の指し手。▲7五同馬△7四銀▲7六馬△6八金▲同玉△7五銀打▲8七馬△7六歩▲6五桂△6二金(第4図)

△7五歩には▲7三歩成△7六歩▲6三と△4一玉▲5三とを考えたが、王手は追う手でよろしくない。馬を取らせてまで攻め合いにする必要もあるまいと思い、▲7六馬と自重した。だが微妙にふるえている。

第4図以下の指し手。▲3五桂△5四銀▲9二角△5五銀▲7一と△8五銀▲7八歩△5四飛▲8八馬△6四歩▲8三角成△7七歩成▲同歩△6六銀左▲同歩△同銀▲4八金△7六歩(第5図)

この局面では私も秒読みだった。指す手がまるで見えず、とりあえず目についた手を指した。それが▲3五桂で、これが上手玉の逃げ道を封鎖した好打だったようだ。
△5四銀は逃げない手もあったと思うが、攻めに参加させようの意だろう。
私はその後もさえない手を続ける。▲7八歩とふるえ、馬が▲8八に蟄居してしまった。
あき女流初段△6六同銀の進出に、私は▲4八金と寄って耐える。だけど右辺の駒がようやく働いてきた。
というところで、あき女流初段△7六歩。何だこれは…?

第5図以下の指し手。▲7六同歩△同銀▲6六馬△6五銀▲4三銀△同金▲4一銀△6三玉▲4三桂成(投了図)
まで、115手で一公の勝ち。

私は首を傾げながら▲7六同歩。あき女流初段は△同銀と取った。
「?…。銀もらっていいのかな」
と▲6六馬。
「あっ…」
あき女流初段に錯覚があったようだ。
ここで銀が一枚入ったのは大きい。私は▲4三銀~▲4一銀と寄せる。以下▲4三桂成まで、あき女流初段の投了となった。
戻って△7六歩では、△5五香がイヤだった。もっともそれも▲5八銀で、一手凌いでいると思う。

感想戦。あき女流初段は52手目の△4二金を悔やんだ。一手の価値がなく、▲2二角などの隙が生じたのでよくなかったという。
ちなみに私の41手目▲2七歩は、打たれて攻めが分からず困った、とのことだった。
また第3図では▲4三馬△同金▲7三歩成を読んでいたという。なるほどこれなら上手の歩が7五のままで、早くに上手玉が寄っていたかもしれない。
大野七段にも検討に加わっていただく。いわく私の95手目▲7八歩がだらしない手で、ここは▲7四歩と打つべきだったという。上手はやがて△7七歩成とくるが、下手は馬を8七で取らせればと金が遠のくので、それで馬は十分働いたことになるとのことだった。
「一手勝ちはしっかり読み切れば怖くないんだよ」
まあそれはそうなのだろうが、その一手勝ちが読み切れないところが私たちアマなのである。
私があき女流初段に勝ったのは数年ぶり。あき女流初段の不出来な将棋で、いまは絶不調なのだろう。
ともあれ快く対局に承諾してくれたあき女流初段に改めてお礼を述べたい。
(つづく)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする