この2週間くらいかな、もっと前からですね。
あの高倉健さんの
「ありがとう」「ありがとうございます」を何度聴いただろう。
いちばん初めは、永谷園だった。
横顔のアップから、だれかと思ったら“老いた健さん”で、
10秒後くらいに、左の方を向いたまま「ありがとうございます」
って言うので驚いた。そのあと社名タイトルのみ。
健さんを永谷園は起用したのか、とちょっと驚いたが、
すぐに、映画のPRと知れた。
そうして、きのうのニュースだ。
カナダで開かれていた第36回モントリオール世界映画祭の授賞式が3日夜(日本時間4日朝)行われ、
日本から出品されていた高倉健さん主演の「あなたへ」(降旗康男監督)が、人間の内面を深く描いた
作品に贈られる「エキュメニカル特別賞」を受賞した。
上映後は、エンドロール開始直後から沸き起こった拍手とスタンディングオベーションに
「泣いちゃったね。ふっと(涙が)出てしまいました」と感激した高倉。
観客に手を振って応え、前方に座っていたフランス人に自ら声を掛けた。
『八甲田山』(1977年公開)以来だという観客との触れ合いに「何かわからないぞくっとするもの」を
感じたといい「これが映画祭の持っている魔力なのでしょうか。何十年も役者をやってきても、
こんな経験をするんですね。心に衝撃を受けました」と感激しきり。
健さんは、英語が相当ご堪能なんだそうです。
この前後だったと思うが、たけし・北野武の会見のニュースがあった。
北野武監督が9月3日(現地時間)、第63回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品された
「アウトレイジ ビヨンド」の公式上映に先立ち、各国から詰め掛けた報道陣を前に会見した。
東日本大震災による影響で、撮影が1年延期されたことについても触れ「震災後の1年間は、
逆に自分は怒りを感じている部分があった」と吐露。
さらに「世の中、絆、愛、支えとか表面的なものばかりでイライラした。
こういうときこそ、ヤクザ映画を撮ってやろうとやる気が起きた」と胸中を明かした。
徹底した暴力表現に笑いをにじませた作品について
「緊張する場面に笑いが悪魔のように忍び寄る。笑いは相当な悪魔だと思う」と語った。
このニュースは、両方ともきのう・4日のものです。
たけしの映画は日本ではたいして人気ありませんが、なぜかフランスでは人気がある。
それもかなりの人気だそうである。
「うるせぇ、このヤロウ」「大きなお世話だってぇーんだ」「てめえ、ばかやろう」
っていうような言葉ばかりの映画のようであります(短い予告編からです)。
健さん、実質的にヤクザ映画を創り上げた健さんは「ありがとう」と
おっしゃっている。
この対比はどうなっているんでしょうか。
「あなたへ」には、たけしも出ているし、
これは、かなり皮肉な対比ですね。