感染症診療の原則

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思考停止の停止  いくつかのアドバイスをいただいています

2011-04-11 | 非・悲・否・避「常識」
思考停止は危ないので考えろといわれたときに、どのリソースにあたればよいか、あたったうえで最終判断を自分でする軸は、そのテーマによって判断に苦しむ度合いが違ってきます。

自分だけならまだしも、家族や部下のことまで考えなくてはいけない、となると事情が変わってきます。

周囲にも「原子力は今まで(うっかり、あるいは意図的に)あまり考えたり調べてこなかった」という方も少なくなく、「何みています?」といったことが会話に上がる機会も増えています。


感染症も医療全体ではメジャーではないそうですが(数として専門家は多くない)、原子力となるとさらに減り、その中でも細分化されていて、そのカテゴリーを見るだけで判断がおぼつかなく、こりゃ思考停止したほうがラクだなと感じます。
もっとも、勉強しようとしているのは、サイエンスの議論で“専門家”のところに歩み寄ろうとしているのではなく、このブログでそこに迫ろうというものではなく、いちシロウトとして日常で何を見比べていくのかという模索のためなんですが。

感染症ならば議論のための議論ではなく、研究のための研究ではなく、お役所のための制度論ではなく、臨床で実際に判断する際に何に重きを置くのかという話。

コメント欄に、“プロフェッショナルな態度”を考える際に参考になり、当ブログの“ピントのずれた記事”を修正するのに役立つのではないかとのご推薦がありましたのでリンクで紹介させていただきます。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/
当ブログでも、過去にホメオパシーの関連で本やサイトを紹介させていただいている先生です。
関心をお持ちの方はリンク先をごらんください。

思考停止の停止の方法として、いろいろな意見やソースにあたる、というスタンスで情報を見渡していますので、このような軸を語れる先生方の存在はありがたいですね。


他にきているコメントとして、「●●先生と●●先生だけを信じよう」「●●だけフォローしておけばなんとかなる」「●●はガセだ。リンクをはずせ」というアドバイスもきています。

極端な信頼の預け方や、断定も思考停止のいちパターンだと思うので、人ベースでなく、事象や数字ベースで考えたほうがいいのではないか?というのが今のところの実感です。
同じ専門家でも、昔と今では(情報や状況が異なるので当たり前ですが)言うことが微妙にあるいは極端にかわっていたりします。
それは悪いことでも間違っているのでもなく、考えて修正し続けてくださっているのだと思って読みすすめます。(なので、修正情報を追記で出す専門家のところはまた読みにいこうという気になりますね)


“正しい”理屈や“先生”を大事にしつつ、時にトンデモさんやこれってニセ?をふくめて見渡しているわけですが、そもそもこれってほんと?とおもうとき、自分は何でそう感じるんだろう(そもそもそのフィルターがズレているのか、真のトンでもなのかと考えています。
もちろん「確証バイアス」が誰にでもありますので、自分がいいな~と思う人や話や情報にひっぱられていくので、これってほんと?に出会ったりそう考える機会は意図的に探さないと出会わないのかもしれません。

根拠や論理を考えればいいのであり、“わかりやすすぎる正論や正義”もまた思考停止の誘惑にかられることを意識していきたいとおもいます。
なので、「すげー納得!」というような話も、反証のデータや同じスタンスだけどちょっとちがう意見はないのかな、と考えるようにしています。

感染症関係は、ある程度検討のパターンが決まっていますし、過去の経験知に照らして想定の範囲をつくることもできるのですが、原子力の話は不確実要素が大きい領域なので、そこが難しいです。

余談ですが(そのうち余談ではなくなる)、
思考停止の因子のひとつに、「飽きる」があります。もちろん時間の経過が影響するのですが、その直前に極度の緊張状態があると、脱力効果とともに、軽視するという態度につながります。
人はずっと緊張し続けられないからですね。

HIV感染症の予防の話では、「疲労」という用語が使われています。

「予防疲労」・・・感染してもいいんじゃないか、感染しても薬あるし、なんとかなるだろうという個人。リスクのある人たちは何をしても行動を変えないから仕方がないのではないか、という専門家。あきらめというより、ある程度のリスクや負荷を容認するということなのですが。
ウイルス感染症の話であっても、当事者と外側の人のリアリティがだいぶちがいます。

とりあえず、今日もいろいろな情報にあたり、考え続けます・・・。
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