感染症診療の原則

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どの時点でうたがうか?検査ができるのか?

2014-10-03 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
テキサスで診断された米国初のエボラを症例は、日本の関係者にアラームとなりました
(え?なってない?)

どうせ東京や大阪で出るんだろ?
とか、国立国際とかが診るんでしょ?と思っていた方は、約10日前後で発症という潜伏期間(最長21日とのことで)の間にどの地域でも診る機会があるかもね?!と考える機会になりますし、

本当に村山に陸路でもっていくの?BSL3のところじゃダメなの?と考えたりしたくなるわけです。



機内や空港で把握された症例の濃厚接触者は検疫が停留者として対応しますが(検疫法)、入国の後は保健所が接触者の対応をします(感染症法)。

診断までに時間がかかると曝露者が増えますので、リスク情報を得たり処置をする際に最低限の人でやることもCDCなどのガイダンスで提案されています(これまでの情報と特別ことなるわけではありませんが)

テキサスの事例では2週間自宅にいてください、ということになってます。




In Dallas Ebola Case, Officials Are Monitoring Children Exposed to Patient

広く見てトータルで80名曝露があったそうです。

米国でも日本でも、EVD流行地への渡航歴+高熱などの症状さらに曝露歴(リスク因子)が整理のアルゴリズムがあります。

病期によって把握できる情報が異なるので、なんですぐ検査や隔離をしないんだよ!とその場にいたわけではない人がブーブーいうのもなんかちがう…わけですよ。

いままでも100例近く検査依頼はあったそうですが幸運にも陰性(別の病気)でした。

日本人は流行地へあまり行かないだろう?と考えている方もいると思いますが、近隣諸国からは出稼ぎに出かけている人たちが数千人単位でいますので、テキサスの症例は警鐘と考えた方がよいです。

その人たちが帰国してアジアの空港で、ナイジェリアのラゴスのようなことがおきたり、あとから「同じ機内に日本人が乗っていた」ということだけでメディアは大騒動になるかもしれません。
(特にテレビ)

トリアージ部門であるER部門や総合診療には、院内の対応アルゴリズムを提供しましょう。
問診をする看護師にも忘れずに伝えましょう。

今回だけでなく、今後もこういったのとはおこりますし、グローバル、スーパーグローバルと騒がしい昨今ですので。
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