感染症診療の原則

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有罪判決 感染リスクを相手に伝えないで性交

2010-08-27 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
HIVに感染していることを相手に伝えず、コンドームをしない性交をしたという事例が大きく報道されていました。そのうちの一人の男性がHIVに感染したとして(その人からなのかはよくわかりませんが)女性を告訴したことからはじまります。有名人女性であったため大きな報道となりました。

医師からそう簡単にセックスでは感染しないと言われた、ということも記事にありました。
(診察室では誤解されそうな言い方はしないように)

この女性は28歳、17歳のときの妊婦健診でHIV陽性とわかりました。

その行為自体が刑法に触れるかどうかは国によって異なります。
かなり詳しく明記している国や州もあります。

要求されているのは、曝露リスクの生じる可能性のある相手に伝えること(伝えないだけで違法)、予防をすること(予防無しは傷害罪、殺人未遂等)。

有罪判決となり、執行猶予付きの2年の禁固+地域での社会奉仕サービス300時間+定期カウンセリングでした。
HIV隠し男性に感染 独女性人気歌手 有罪判決

もしかしたら目の前の相手と性交する関係になるかもしれない、となったときに、どの時点でどう伝えるかという問題をかかえます。
HIVはコンドームでの予防が有効ですが、コンドームだけでは予防が難しいヘルペスなども伝え方は難しいです。

もっとも、HIVもヘルペスも感染しているけど気づいていない人が多数います。伝えようがありません。バリア法もコンドームしかありません。
HIVもヘルペスも、抗ウイルス療法で相手への感染リスクが下がることがわかっていますが。それも気づいた人にしかできない努力です。

カナダでは、マニトバ州で2人の女性にHIVを感染させた男性が、カルガリーに移動をしたということでウィニペグ警察が探している、というニュースがありました(8月26日)
Man wanted on Canada-wide warrant may be in the city
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