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印弗魯英撒(文字化けではありません)

2012-02-21 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
「印弗魯英撒」という言葉が日本の書物に初めて記載されたのは、1835年の『医療正始』といわれています。書いたのは江戸の蘭方医 伊東玄朴。オランダ語からの訳本です。

いんふりゅえんざ、と聞こえたのではないか、、とのことです。

「インド(印)フランス(弗)ロシア(魯)イギリス(英)をまき散らす(撒)」という説。福井新聞 2011年

第9回「インフルエンザ」
モダンメディア 2011年
第8回「解熱剤」メディカルα
等に歴史が紹介されています。

大河ドラマの清盛さんですが、「インフルエンザで死んだかも」説。熱に苦しんでもだえて死んだ、とあります。「水おびただしくわきあがり、程なく湯にぞなりにける」(『源平盛衰記図会』には比叡山の水がじゅわーっと蒸気化する絵が描かれています)

インフルエンザはいつ頃認識されたのでしょう。
インフルエンザの歴史(表)をみると、なんとBC430年のできごととして記載があるそうです。

「ある日突然に多数の住民が高熱を出し、震えがきて咳がさかんになった。たちまち村中にこの不思議な病が拡がり、住民たちは脅えたが、あっという間に去っていった」

・・・なんとなくわかる(^^)。

最近は夏でも沖縄で流行したりしますが、冬にハイシーズンがあるので「季節性インフルエンザ」といいます。

最初のインフルエンザワクチンが開発されたのは1945年。

ワクチンは現在、不活化、生、そして注射する方法とスプレーする方法とあります。

ハイシーズンが異なることもあり、北半球と南半球ではワクチンにいれる株が違います。

同じワクチンでも国によってポリシーが異なります。

アメリカは皆さん接種しましょう、、です。日本は2009年の新型騒動のときは優先順位の話がありましたが、今はよくわからない状況です。
(生産量もそうたくさんないですから皆に接種を勧める状況ではありません)

他の国はどうでしょう?

2010年のヨーロッパでのインフルエンザワクチン政策の違いをみると、、、

27のEU加盟国、アイスランド、ノルウェーの29カ国のうち、ブルガリアとルクセンブルグをのぞく27カ国から調査への回答がありました。

全ての年齢層に接種を推奨しているのは2カ国(オーストリア、エストニア)
6カ国は「生後6カ月から18歳」に接種を推奨。
その他の国の多くは基礎疾患のある成人に接種を推奨。
医療者への接種は多くの国で採用しているポリシーではあるものの、必ずしも全ての国で推奨されてはいませんでした。
長期療養施設で働く人へ接種を推奨している国は23カ国。
外来勤務の職員に接種を推奨しているのは22カ国。

全ての国で高齢者へのインフルエンザワクチン接種が推奨されていました。
7か国は65歳以上、65歳以上が5カ国、55歳以上が2カ国、50歳以上が2カ国、

2009年の調査では、高齢者の接種率は1.1%-82.6%と国によって差が大きく、リスクグルプでは32.9%ー71.7%、医療者では13.4%ー89.4%でした。

2008ー2009年の調査では、多くの国はリスク層に接種を進めていましたが、接種率を調べていない国もあり、また目標の高い接種率には届いていませんでした。

北半球でのシーズンはもうすぐおわりますが、そうこうしているうちに南半球がシーズンになります・・・。


「ワクチン開発の歴史」
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