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久々に人ごみを覚悟して大きな書店にでかけました。するとそこにはインフルエンザ関連本がずら~~り。確かに「売り時」ですよね!
ぺらぺらと見比べたものの、どのような対象に何を伝えたくて(本のミッション)ということはつかみにくいなあと感じたので、「何か1冊買わなくちゃ!」という人は選ぶのに苦労をするだろうなあと思いました。
編集部が最終的に買ったのは『リスクにあなたは騙される-「恐怖」を操る論理』です。帯には「史上最も安全で健康な私たちがなぜ不安におびえているのか?」とあります。
カナダ人ジャーナリストが2008年に書いたもので、日本語版は2009年5月に出ています。だからインフル騒ぎに便乗したものではありませんが、新型インフルでの政府や専門家、メディア、市民の反応を理解するのにとても便利な本です。
便利、とかいたのは、医療関係者なら「もしかしてこうなんじゃない?」と思い当たるような現象について、各分野・専門家がこれまでにどのような仮説検証を行ってきたかの概説があるからです。(現実問題として、時間がないのでそれぞれの論文の原著にあたることは不可能ですし)
書いているのはジャーナリストなので、専門家の言動への批評も手厳しいです。
リスクコミュニケーションに関心がある人にオススメです。
この本でも各所で触れられていますが、専門家と一般の人の認知や反応のズレということについては、先日訪問したオランダのRIVMの感染症対策の責任者のドクターも語っていました。
例えばパンデミックという言葉。
専門家にとってそれは、地域的な広がりをベースにした概念であり、通常新しいインフルエンザウイルスは一定の人口に広がる、一定数は死亡や重症化するというのはごくごく基本的な話であるのに対し、一般人はその言葉に恐怖を含めた意味合いを強く受け取り初期の過剰な反応につながった、ということです。
インタビュアー「先生、今回のウイルスはパンデミックにつながるでしょうか?」
公衆衛生専門家「そうですね。パンデミックになるでしょうね」
一般の人「きゃー!」
「恐怖の文化」をメディアや専門家やNPOが利用していることも本書で指摘されています。操作の論理がこの本の主題ですから。
恐怖が大きくなれば売り上げが増える・収入(研究費)が増える~「問題の無いところに資金は与えられない」~については感染症以外でもいろいろな事例がうかびました。
写真:RIVMにて。communicable diseases部門のトップのドクター、ダーハさん、編集長。
ぺらぺらと見比べたものの、どのような対象に何を伝えたくて(本のミッション)ということはつかみにくいなあと感じたので、「何か1冊買わなくちゃ!」という人は選ぶのに苦労をするだろうなあと思いました。
編集部が最終的に買ったのは『リスクにあなたは騙される-「恐怖」を操る論理』です。帯には「史上最も安全で健康な私たちがなぜ不安におびえているのか?」とあります。
カナダ人ジャーナリストが2008年に書いたもので、日本語版は2009年5月に出ています。だからインフル騒ぎに便乗したものではありませんが、新型インフルでの政府や専門家、メディア、市民の反応を理解するのにとても便利な本です。
便利、とかいたのは、医療関係者なら「もしかしてこうなんじゃない?」と思い当たるような現象について、各分野・専門家がこれまでにどのような仮説検証を行ってきたかの概説があるからです。(現実問題として、時間がないのでそれぞれの論文の原著にあたることは不可能ですし)
書いているのはジャーナリストなので、専門家の言動への批評も手厳しいです。
リスクコミュニケーションに関心がある人にオススメです。
この本でも各所で触れられていますが、専門家と一般の人の認知や反応のズレということについては、先日訪問したオランダのRIVMの感染症対策の責任者のドクターも語っていました。
例えばパンデミックという言葉。
専門家にとってそれは、地域的な広がりをベースにした概念であり、通常新しいインフルエンザウイルスは一定の人口に広がる、一定数は死亡や重症化するというのはごくごく基本的な話であるのに対し、一般人はその言葉に恐怖を含めた意味合いを強く受け取り初期の過剰な反応につながった、ということです。
インタビュアー「先生、今回のウイルスはパンデミックにつながるでしょうか?」
公衆衛生専門家「そうですね。パンデミックになるでしょうね」
一般の人「きゃー!」
「恐怖の文化」をメディアや専門家やNPOが利用していることも本書で指摘されています。操作の論理がこの本の主題ですから。
恐怖が大きくなれば売り上げが増える・収入(研究費)が増える~「問題の無いところに資金は与えられない」~については感染症以外でもいろいろな事例がうかびました。
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写真:RIVMにて。communicable diseases部門のトップのドクター、ダーハさん、編集長。